多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

コロナ禍で暗い時だからこそ見たい映画『サウンド・オブ・ミュージック』の魅力

12月22日放送の『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』では、年末年始に自宅で楽しめる映画を、映画評論家の広江邦生さんが選びました。

今回はミュージカル映画の最高傑作の呼び声高き『サウンド・オブ・ミュージック』を紹介しました。

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自叙伝の映画化

『サウンド・オブ・ミュージック』は1965年製作のアメリカ映画です。マリア・フォン・トラップが書いた自叙伝『トラップ・ファミリー合唱団物語』が当時、ベストセラーになり、ブロードウェイでミュージカル化されました。

さらに、それをミュージカル映画化したものが『サウンド・オブ・ミュージック』です。主演はジュリー・アンドリュース。監督のロバート・ワイズは、この作品を撮る前、1961年には『ウエストサイド物語』も撮っています。

お馴染みの「ドレミの歌」などではジュリー・アンドリュースの奥の深い綺麗な声が聞けます。
 

ストーリー

時代は1930年代。舞台はナチス・ドイツの支配下に置かれたオーストリアのザルツブルグ。

古風で厳格な、退役軍人、トラップ大佐の家庭に、修道女見習いのマリアが子どもたちの家庭教師としてやってきます。

マリアはこどもたちに愛されていき、さらにはトラップ大佐の妻となって、最後は自由の国スイスへ逃れて行くという物語です。
 

家族全員で楽しめる

この映画の見どころを語る広江さん。

「『サウンド・オブ・ミュージック』は、とにかく何と言っても家族全員が楽しめる映画。その一言に尽きますね」

ホーン・トラップ大佐の一家は、お母さんが亡くなった直後でこどもたちは全員暗い状態。そこに突然、修道院から送られた、歌の好きな陽気なお姉さんが来てくれて、どんどん家の中の空気が明るくなります。

一家はナチス・ドイツが勢力を伸ばし始めたザルツブルグから、合唱コンクールに出演するためにスイスへエスケープしようとします。その途中、アルプスの綺麗な景色を背景に旅をしながら脱出していきます。

「お話としては大変スリリングな暗い話なんですけど、この『サウンド・オブ・ミュージック』が持ってる良いところは、歌でこどもたちだけじゃなくて、お父さんの心までも、どんどん明るく変えてしまうというところなんですね」
 

歌がいっぱい

映画に出てくる代表的な歌は「ドレミの歌」。
さらに、こどもたちに辛い時こそ楽しいことを考えなさいという教える「私のお気に入り」。

修道院から来たマリアが、大佐への恋心に気がついて悩みます。
そんなマリアを、修道院の院長が励ます歌「すべての山に登れ」。

他には、祖国オーストリアを思いながら音楽祭で合唱する「エーデルワイス」。そういった音楽が散りばめられたスケールの大きい映画です。
 

今だからこそ

「まさに今みたいな時代だから、この『サウンド・オブ・ミュージック』みたいなものが良いと思うんですね」と広江さん。

この映画の背景はナチスの台頭した、戦争で暗いギスギスした時代。今、日本はコロナ禍で何も楽しめない状況。

「とにかく明るくなれますね。これが一番のオススメどころです。ご家族全員で、ぜひ見ていただきたい1本です」
 

映画ならではの演出

歌を歌い始めて、最初のシーンは、例えばザルツブルグの公園の階段を降りてきて、次のフレーズになったら、別の場所を走っています。最後のフレーズは、例えばオーストリアアルプスを背景にして高原で歌っています。

歌のフレーズ毎にシーンを変えるというミュージカルの舞台では絶対ありえない演出も、ミュージカル映画ならではの面白さ。

ザルツブルグの街の綺麗さ。あるいはオーストリアアルプスの綺麗さに、おわわずため息のつく映画です。アカデミー賞で作品賞、監督賞など5部門を獲得しています。
(尾関)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年12月22日07時41分~抜粋

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