多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

おかえり「はやぶさ2」!カプセルからわかるものとは?

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が投下したカプセルが、12月6日オーストラリア南部の砂漠で回収されました。

小惑星「りゅうぐう」まで行って砂を持ち帰り、カプセルをちゃんと地球へ送り届けた「はやぶさ2」。

12月7日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、「はやぶさ2」について名古屋市科学館の天体係の毛利勝廣さんに伺いました。

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世界初がいっぱい

「はやぶさ2」がすごいことはわかりますが、どの程度すごいのか、また、具体的に取ってきた砂で何がわかるのか、毛利さんに伺いました。

――6年ほどの時間をかけて、月より遠い小惑星との間を往復したわけですが、この技術はどのくらいのレベルなのでしょうか?

毛利さん「『はやぶさ2』が成し遂げた世界初のことはいっぱいあります。その意味では世界トップです。
同等のことをアメリカがNASAの探査機「オシリス・レックス」でやっています。みんなで進化していけばいいです。

日本としては2回目ですし、さらにその後のミッションもあり、さらに世界初をどんどんやっていきます」
 

何がわかるのか?

――この石を分析、解明して何がわかってくるんですか?

毛利さん「『りゅうぐう』はいろんな変化を46億年で受けていますが、かなり少ない。よって、太陽系が最初にできた頃の情報がいろいろわかってきます。

その中には、水の起源。地球にこれだけ表面に水がありますが、単純には海ができるようなストーリーはなかなかできません。

いったん全部表面がどろどろに溶けて、水が全部蒸発して、その後に、適度に水が来ないとこの海にならないとか。
46億年前、どうやってこの地球の環境ができたんだろう、ということにはまだわからないことがいっぱいあります。

ひとつは『りゅうぐう』の岩石中に含まれている水の成分と、地球のものや他の隕石のものと比べて、地球の水が太陽系の中のどこから来たんだろう、というのは大きな目的のひとつです。

この試料から、これから5~10年という長い年月の中で、きっと思わぬことがわかるんですね。
そういうことが期待されるからこそ、これだけ頑張って持ってきたわけです。今予測されているより、もっと広い世界があると思っています」
 

世界で研究

――天文学者の方たちにとってはわくわくする材料を地球に届けてくれたのですね。

毛利さん「さらにこの届いたものをどうやって分けるかですね。まず来たものがどれだけのものがあるかを、6ヶ月かけてきちんと記載をして皆がわかるようにする。個別の粒について、簡単な重さなどを分析する。

その後、みなさんに分けましょうと、いろんな研究者に渡るのは2022年6月からです」

――日本国内だけではないですね。

毛利さん「そうです。いろいろチームがあり、『ベンヌ』という小惑星に行っている『オシリス・レックス』という探査チームとは共同関係ですので、10%はどうぞということになっています」

――世界に貢献するというものですね。
 

未来に40%

毛利さん「さらに未来に40%とっておきます。これはアポロの頃から行われています。
今の時点での測定技術ではできないけれど、未来ならできるかもしれない。ある程度調べてきて、こういうこと調べたいなというときに、手持ちがないと困ります。

アポロも50年経っても、まだ開けてないサンプルがあるくらいです。
10年、20年、30年という年月をかけて、これをきちんと調べる。というのはもう一回行くわけにいきませんから」

――大気圏突入は壮大な計画のその一瞬だったのですね。

毛利さん「本当によかったです」

その言葉から、毛利さんたち専門家の熱い気持ちが伝わってきます。

採取したカプセルは、8日午前中に羽田空港に到着。その後、相模原市のJAXAの施設で詳しい分析が行われるそうです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年12月07日07時18分~抜粋

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