ミツバチは、野菜やくだものにとって果実を実らせるための受粉の役割も果たしています。
国連環境計画（UNEP）の報告によれば、世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介しているそうです。
そんな中、最近受粉において「ビー・フライ」という取り組みがされています。
「ビー」はミツバチ。「フライ」はハエ。実はミツバチの代わりにハエを使う試みなのです。
10月13日放送の『多田しげおの気分爽快～朝からP•O•N』では、ジャパンマゴットカンパニーの代表取締役、佐藤卓也さんに聞きました。
ハエに受粉はできる？
ミツバチは蜜を吸うために花に飛んで行きます。その時に身体に花粉をつけて、また違う花に蜜を吸いに行きます。この時、ミツバチの身体についていた花粉が雌しべにつきます。これが受粉です。
食べ残しなどの周りをうろうろ飛び回っているイメージのハエに、果たして受粉作業ができるのでしょうか？
「ハエというのは、もともと自然界では花粉媒介昆虫なんですね。ハエも花から花へと蜜を吸いに行くので、その時に足とか身体に花粉をつけるんです。ですから受粉ができるというわけなんです」
もともとハエに備わった特性を利用するということです。
食べ残しなどの周りをうろうろ飛び回っているイメージのハエに、果たして受粉作業ができるのでしょうか？
「ハエというのは、もともと自然界では花粉媒介昆虫なんですね。ハエも花から花へと蜜を吸いに行くので、その時に足とか身体に花粉をつけるんです。ですから受粉ができるというわけなんです」
もともとハエに備わった特性を利用するということです。
ハエが腐った食べ物にたかる理由
ちなみに、ハエが腐った食べ物などにたかるのはこどもを産むためのエネルギーを得るためなんだそうです。
ハエは、タンパク質である腐った食べ物を摂取して卵巣を発達させ、そのタンパク質に産卵するんだそうです。
腐った食べ物に産卵する理由は、孵った幼虫（蛆虫）が、すぐエサにありつけるようにするためなんだとか。
ハエが飛ぶためだけなら花の蜜のエネルギーで十分なんだそうです。野生ではちゃんと受粉に役立っていて、その性質を利用したのがビー・フライ。
ビー・フライで使われるハエは、その辺りを飛んでいるものを捕まえてきたわけではなく、専用に培養されたものだそうです。ご安心を。
ハエは、タンパク質である腐った食べ物を摂取して卵巣を発達させ、そのタンパク質に産卵するんだそうです。
腐った食べ物に産卵する理由は、孵った幼虫（蛆虫）が、すぐエサにありつけるようにするためなんだとか。
ハエが飛ぶためだけなら花の蜜のエネルギーで十分なんだそうです。野生ではちゃんと受粉に役立っていて、その性質を利用したのがビー・フライ。
ビー・フライで使われるハエは、その辺りを飛んでいるものを捕まえてきたわけではなく、専用に培養されたものだそうです。ご安心を。
実は働き者
ハエを使うメリットは天気に関係なく受粉作業ができることだそうです。
「ミツバチは天気の良い日に紫外線があって、それを目印に飛んで行くんです。ですから雨の日とか曇りの日はなかなか活動しないんです」
しかしハエは紫外線に関係なく飛び回るので、雨の日や曇りの日というミツバチが活動しない時期でも飛んで受粉ができるんだそうです。
ふたつ目のメリットは、ミツバチに比べてハエの活動温度帯が広いということ。ミツバチは15～25度が活動温度帯で、それ以下、またはそれ以上だと巣箱に籠ってしまい、なかなか活動してくれないそうです。
これに対してハエは10～35度までと活動温度帯が広く、寒い時期や暑い日にも活動してくれるとのこと。ミツバチよりハエの方が働きものなんですね。
「ミツバチは天気の良い日に紫外線があって、それを目印に飛んで行くんです。ですから雨の日とか曇りの日はなかなか活動しないんです」
しかしハエは紫外線に関係なく飛び回るので、雨の日や曇りの日というミツバチが活動しない時期でも飛んで受粉ができるんだそうです。
ふたつ目のメリットは、ミツバチに比べてハエの活動温度帯が広いということ。ミツバチは15～25度が活動温度帯で、それ以下、またはそれ以上だと巣箱に籠ってしまい、なかなか活動してくれないそうです。
これに対してハエは10～35度までと活動温度帯が広く、寒い時期や暑い日にも活動してくれるとのこと。ミツバチよりハエの方が働きものなんですね。
花にも人にも優しい
ミツバチと比べて軽量なこともハエを使うメリット。
ミツバチは花の周りを回って、花粉を食べたり蜜を吸います。その時に、どうしても花を傷つけてしまうそうで、イチゴなどでは奇形果ができてしまうんだとか。
ハエの場合は非常に軽く、回らずに蜜だけを吸いに行くので花を傷つけないそうです。そのため奇形果が少なく、形の良いイチゴが多くできます。
さらに、聞けば納得するこんなメリットも。
「ミツバチと違って人を刺さないんで、農家さんには心配がないですね」
言われてみれば確かにそうです。刺されるのは嫌ですもんね。
ミツバチは花の周りを回って、花粉を食べたり蜜を吸います。その時に、どうしても花を傷つけてしまうそうで、イチゴなどでは奇形果ができてしまうんだとか。
ハエの場合は非常に軽く、回らずに蜜だけを吸いに行くので花を傷つけないそうです。そのため奇形果が少なく、形の良いイチゴが多くできます。
さらに、聞けば納得するこんなメリットも。
「ミツバチと違って人を刺さないんで、農家さんには心配がないですね」
言われてみれば確かにそうです。刺されるのは嫌ですもんね。
デメリットは短命
もちろんデメリットもあります。
ミツバチはちゃんと巣箱に戻る習性があるので、受粉活動をした後は、ちゃんと巣箱に戻ってきます。ところがハエにはその習性がありません。
ビニールハウス内の温度調節のために開けていたり、ふとした僅かな隙間があっても、そこから逃げていってしまうんだとか。
さらにはハエの寿命もデメリットとなります。
「ミツバチは巣箱の中で世代交代を繰り返すので、巣箱を1個置いとけば長いこと使えるんですけども、ハエの寿命はハウスの環境ではだいたい2週間ぐらいなんですね。2週間したらもう死んでしまいますので、2週間おきに投入しないといけない」
そのため受粉期間が1週間や1ヶ月以内であれば、ハエの方が適しているそうですが、受粉に半年ほどかかる場合は、2週間おきに投入しなければいけません。
ミツバチはちゃんと巣箱に戻る習性があるので、受粉活動をした後は、ちゃんと巣箱に戻ってきます。ところがハエにはその習性がありません。
ビニールハウス内の温度調節のために開けていたり、ふとした僅かな隙間があっても、そこから逃げていってしまうんだとか。
さらにはハエの寿命もデメリットとなります。
「ミツバチは巣箱の中で世代交代を繰り返すので、巣箱を1個置いとけば長いこと使えるんですけども、ハエの寿命はハウスの環境ではだいたい2週間ぐらいなんですね。2週間したらもう死んでしまいますので、2週間おきに投入しないといけない」
そのため受粉期間が1週間や1ヶ月以内であれば、ハエの方が適しているそうですが、受粉に半年ほどかかる場合は、2週間おきに投入しなければいけません。
高級品担当
またハエに単価はハチに比べると安いそうです。
しかし2週間ごとに買ってきて投入しないといけないので、期間が長い場合はトータルではハエの方が費用が高くなることもあるんだとか。
ビー・フライで受粉している果物は主にイチゴとマンゴー。いずれも高級品です。
現在、全国で約500軒の農家、農業施設で使われているそうです。
羽音や見た目から存在が疎ましいハエですが、こうして役に立っていることがわかると、少しは見直せるかもしれませんね。
（尾関）
しかし2週間ごとに買ってきて投入しないといけないので、期間が長い場合はトータルではハエの方が費用が高くなることもあるんだとか。
ビー・フライで受粉している果物は主にイチゴとマンゴー。いずれも高級品です。
現在、全国で約500軒の農家、農業施設で使われているそうです。
羽音や見た目から存在が疎ましいハエですが、こうして役に立っていることがわかると、少しは見直せるかもしれませんね。
（尾関）
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