多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

火星人の勝手な「タコっぽい」イメージはなぜ生まれた?

10月6日、火星に地球が今年最も接近する日となり、火星が最も見やすい位置にあると言われています。

昔から「火星にはかつて海があった」、「火星人が存在するのではないか」など、火星にまつわるエピソードが多いのですが、実はあまりよくわかっていないことが多い惑星です。

そこで、10月9日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、名古屋市科学館学芸課天文係の毛利勝廣さんを迎え、クイズを通して火星について学びました。

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火星人の想像図に根拠アリ!?

惑星の並び順で火星と地球は隣どうしということは、「水金地火木…」などといって覚えているために、火星は近そうなイメージがありますが、今回、最接近という状態でどれぐらい近づいているのでしょうか。

地球の衛星である月が約38万kmですが、火星は6,207万km、最接近といっても、かなりの距離ですね。

大きさは直径が地球の2分の1と意外と小さく、火星の表面温度は平均でマイナス50度。

地球と同じく地軸が傾いていますので季節があり、暖かい時もあるようです。

木星の縞模様や土星の輪は写真で見ることができるのですが、火星の表面の模様は見えづらく、運河があるとか川があるなどと、より想像力が高まって、「火星には人がいるのではないか?」と思わせるのかもしれないと、毛利さんは解説しました。

ちなみに「火星に運河がある」と多くの人に思わせたのは、アメリカ人の勘違いによって生まれたものだそう。

これは、イタリアの天文学者が火星の表面にある線を「溝」と呼んでいたものを「運河」と訳してしまったためだそうです。

さらに、建造物のようなものが見えるのでかつて文明があった、進んだ文明があったと考えられました。
頭が大きくて、栄養ドリンクのようなもので生活しているだろうから太っていない、重力が弱いから足が細い、火星は暗いので目は大きいなどと想像が膨らみ、タコのような火星人のイメージができあがったようです。
 

火星が赤く見える元は何?

地球に最接近したという話に戻しますと、最接近後もしばらくは火星は明るく見えて、夜8時から東から南東、夜中には真南の方向、夜中に赤く光って見える星は火星ぐらいですので、肉眼でも結構見えるそうです。

ではここで問題、「火星はどうして赤く見えるのでしょうか」。

他の星はだいたい白く見えますし、温度が高い太陽は昼間、黄色っぽく見えます。

解答者の加藤愛アナは、まったく思い浮かばない様子。

答えは「表面の砂や石が赤っぽい色をしているから」。

地球の場合は海と雲によって遠くからは青と白に見えるのですが、火星が赤く見える原因は鉄のさびで、大気が薄く雲がないのでそのまま見えるというわけです。

ただ、少し大気があるので風が吹いて砂嵐が起きるそうで、2年前に地球に最接近した時は少しでも火星の表面の模様を見ようとしたところ、砂嵐であまり見えなかったそうです。

今回の最接近では、なんとか砂嵐が起きないで欲しいと世界中の天文学者が願っているかもしれません。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年10月09日08時16分~抜粋

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