多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ビール好きが気になる「第三のビール値上げ」さらに気になる6年後

日本では4月や10月を1つの区切りとすることが多く、私たちの身の回りのルールも変わることがよくあります。

この10月からNHKの受信料が値下がりする一方、税制改正に伴ってワインやたばこが値上げされます。

中でも多くの人がたしなむ第三のビールは、350mlあたり9.8円も値上げすることになり、その先にはさらなる改正が待っています。

10月1日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、ビールに関する税制改正にスポットを当て、パーソナリティーの多田しげおが解説しました。

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2026年に税率が統一

現在、日本ではおおまかに「ビール」と呼ばれているものの中に、厳密にはビールではないものがあります。

いわゆる「第三のビール」や発泡酒のことですが、この違いは主原料である麦芽の配合比率によるもの。

麦芽が多い順にビール、発泡酒、第三のビールと仕分けされているのですが、これは日本の法律によるもので、課せられる税率が異なっています。

この税率ですが、2026年には統一する動きとなっていて、今回は第三のビールの税率を上げる(350mlあたり28円から約38円)一方で、ビールの税率を下げ(350mlあたり77円から70円)、最終的にはすべて税額を約54円にするということです。

今は第三のビールがだいたい350ml缶だと150円ぐらいですが、2026年以降はもうこの金額では飲めなくなりそうです。
 

日本のビールはビールじゃない!?

ビールは麦芽、ホップ、水が主原料で酵母を加えて作られますが、日本ではさらにトウモロコシや米、コーンスターチなども加えています。

そのうち、麦芽の占める割合が50%以上のものをビールと区分し、50%未満のものが発泡酒、さらに麦芽を使わずリキュールにビールのような味付けをして炭酸を入れているものが第三のビールです。

ただし、これはあくまでも日本の酒税法による区分けであって、外国ではビールの定義は異なります。

例えばドイツでは「ビールは麦芽、ホップ、水、酵母だけを原料とするもの」と、ビール純粋令という法律できっちりと決まっていて、なんと16世紀に制定されています。

ということは、日本の多くのビールをドイツに持っていくと、「これはビールじゃない!」と判定されてしまうということになります。

また、アメリカでも同様で、日本ではビールと定義されたものでも、発泡酒とみなされるようです。
 

ビールの歴史が変わるかも

国の都合によってビールかどうかの区分が決められるということですが、もし「ビールであれ発泡酒であれ、どれも同じようなビールの味なら税率は同じでも良いんじゃないか?」という考え方が根強くあります。

そこで、麦芽の量が多くても少なくても同じビ―ルとして同じ税率をかけることを決め、これから6年かけて税率を統一していくことになります。

2026年以降、「あまり値段が変わらないなら、やっぱり麦芽が多い方が良い!」となって第三のビールや発泡酒が消滅していくのか、それとも「ビールとは違う魅力がある」という評判で生き残るのか…
日本のビールの歴史が大きく変わるかもしれません。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年10月01日08時05分~抜粋

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