多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

東日本大震災から復活!石巻市のソウルフード「かきあめ」

宮城県石巻市には「かきあめ」と呼ばれる、地元の方なら誰もが食べていたというローカルフードがあります。
海のミルクと言われる牡蠣を使ったべっこう色の塩飴です。

2011年の東日本大震災によって工場が被災し、長らく生産されていませんでしたが、最近になり復活したそうです。

9月29日『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』では、石巻市の珈琲工房いしかわのマスター、姉歯一紀さんに聞きました。

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いつもちゃぶ台の上にあった

「かきあめ」は100年以上前から作られており、石巻市民にとって、こどもの頃からなじみ深い飴でした。
河口近くの川沿いにあった「かきあめ」の工場は、津波により被害を受けましたが、製造設備だけではなく、レシピまで全て流されてしまったんだとか。

この「かきあめ」を復活させたのは、石巻育ちの姉歯さんです。

「ちゃぶ台の上に置いてあるお菓子入れには、必ずいくつか入ってた、そんなお菓子です。急になくなってしまうと、なくなってから気づく大事さ、みたいな感じでした」

震災後、姉歯さんは「かきあめ」ロスに陥っていたようです。
 

熱い想い

「かきあめ」を復活させた姉歯さんですが、仕事は喫茶店のマスター。お菓子業界とは何の繋がりもありませんでした。
あったのは、「かきあめ」に対する熱い想いだけでした。

「こどもの時からずっと食べ続けてきた飴ですので、このままなくしてしまうのは忍びないというか、周りの人たちにもかきあめって言うと、『あー、あれね』ってみんな知ってるんです。でも、もうないっていうのはやっぱり嫌なので」

復活への苦労を語ります。

「交渉させて頂いて、それだけでも結構な時間がかかりました。流されたものをゼロから整備するのが一番大変でした。特に味ですね」
 

昔の味に辿り着く

「かきあめ」を作る工程は、海で獲れた牡蠣を何十キロという単位で釜に入れ、焦げ付かないように少し水を加え、じっくり一週間近くかけて煮詰めるそうです。

すると、牡蠣のうま味成分と栄養成分だけの、とても濃厚な牡蠣のエキスが出来上がります。砂糖と水飴を混ぜて、最後に少し塩を入れて味を整えて出来上がり。

一見すると簡単な製法ですが、昔と同じ味にするのはかなりの苦労があったようです。
なにしろレシピが失われていたので、牡蠣のエキスと塩の配合を少しずつ変え、ひたすら試作の繰り返し。

「50人以上の元の『かきあめ』の味を知ってる方々…50代以上の方々が多かったんですけども、その方々に何回も舐めて頂いて、ようやく味を再現できました」

完成まで半年ほどかかったそうです。

「昔のあめを知ってる方々に食べていただいても、『この味、懐かしい』と言っていただけるような味になりました」
 

石巻に来て欲しい

味を懐かしむ方はもちろん、こども達にもぜひ食べてほしいと語る姉歯さん。

「特に最近、熱中症がたくさんありますので、塩が入ってますから、夏の時期にはこどもたちに是非食べてほしいと思います」

ソウルフードゆえ、石巻に行かないと食べられないのでしょうか?

「ぜひ石巻に来ていただきたいので、石巻のお店で販売をさせていただいています。
でも『珈琲工房いしかわ』で調べていただきますと、通信販売も取り扱っています」

石巻へ足を運んだら、姉歯さんの喫茶店を訪ねて、コーヒーとかきあめを注文するのも一興です。
とは言え、コーヒーに「かきあめ」は合うのでしょうか?

「もちろん美味しくいただいてます。意外と塩気というか、牡蠣の風味みたいのがコーヒーと合いまして。意外な組み合わせなんですが、とてもおいしい味です」

東日本大震災から復活した宮城県石巻市のソウルフード「かきあめ」。ぜひ一度ご賞味ください。
(尾関)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年09月29日07時41分~抜粋

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