多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

雷から身を守る方法教えます

雷と言えば夏のもの、というイメージですが、秋めいてきた最近も突然現れる雨雲とともに、まだまだ油断できません。雷はなぜ発生するのでしょう。また身を守る方法はあるのでしょうか。

9月23日『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』では、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーがこの疑問に答えます。

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雷は静電気

雷が起こる現象について「簡単に言うと静電気のめっちゃ強いやつ」と答える沢アナ。
雲の中で摩擦が起きているのだそうです。

摩擦が起きるのは雲の構造がポイント。
雷雨をもたらさないような、しとしと降るような雨ならば雲はそんなに背が高くないそうです。雲の中では、上昇気流によって水滴が上昇と下降を繰り返します。
やがてくっつきあった水滴は、上昇気流に打ち勝つような重さになって落ちてきます。これが雨なんだそうです。

それでは雷を起こすような入道雲の場合は?

沢「入道雲のような背の高い1万メートルまでの雲になると、上空は−20度、−30度。水の粒は氷の粒になります。その氷の粒同士がバッチンバッチン当たるわけです」

雲の中で氷の粒がぶつかり合う状態が、下敷きで頭を擦る摩擦の関係と同じ。
摩擦によって電気が発生します。電気を帯びることを「帯電」といいます。

沢「雲の底のと雲のてっぺんで、プラスとマイナスで溜まり合って、限界を超えると、その2つがくっつくように電気が流れる」

それが雷だそうです。
 

上に行くか下に行くか

発生した雷が地上に落ちて来るか来ないかは、雷が雲のどこで発生したかで決まるそうです。雲のてっぺんの方が近ければ空中放電。雲の底で発生して、地面の方がいきやすいとなれば落雷となります。

雷雨をもたらすような入道雲の底部は、雲の頂上よりも地上の方が近いそうです。
その距離は1,000メートルを切って何百メートル。それに対して、雲の底と雲のてっぺんは1,000メートル以上離れているんだとか。
雲は意外と厚みがあるんですね。
 

雷が光るわけ

雷が発生する仕組みはわかりましたが、その時にどうして光るのでしょうか?

沢「空気の中を無理やり電気が通ろうとする時に、空気自体を一瞬にして超高温に温めるんですね。燃えるんじゃなくて、空気自体が3万度ぐらいになる」

エジソンが発明した電球の仕組みと同じ。フィラメントの中を電流が通ると熱くなります。次に光り始めます。雷とは、超高温になった空気が光っているんだそうです。

沢「それの小さなものが例えば、冬に車乗る時、降りる時にバチッといいますよね。あれも指先からドアノブに光が走りますよね。あれはミニ落雷。
空気の中での放電現象。電気が走ったところが熱せられてピカッと空気が光る」
 

どうしてジグザグに走る?

稲光(いなびかり)はどうしてジグザグに走るのかにも、理由がありました。

そもそも空気は電気を通しません。空気が電気を通していたら、コンセントに手を近づけただけで感電してしまいます。
その通さないところを、電気が無理やり通ろうとするのが雷。

空気の中でも、風の吹き具合によって、空気の濃いところと薄いところの差ができます。
電気は、空気の薄い通りやすい場所を選んでいこうとするので、瞬間的に右左右左とジグザグになるんだそうです。
 

雷はどうして鳴るの?

沢「光る原因を、エジソンの発明をもとに、めちゃめちゃに熱せられると表現しました。熱せられた空気は思いっきりバンッって膨らみます。一気にバンッって膨れた衝撃が周りの空気に、バンバンバンって伝わっていく時の衝撃波が、聞こえてくる音」

遠くの雷はゴゴゴゴゴとこもったような音、近いとパーンと乾いた音がします。
これは空気の膨張を近くで聞いているか、膨張のまた膨張の、そのまた膨張というように、拡散されていった音を遠くで聞いているかの違いなんだそうです。

ちなみに近くで雷が落ちると、ものすごい音がしてガラス窓が揺れる感じがします。あれは、その衝撃波が伝わってきているんだとか。
 

雷から身を守るには?

「雷は金属に落ちてくるからズボンのベルトを取れ」とこどもの頃に教わった方はいないでしょうか?実は間違いだそうです。

人工的な雷を落とす実験によると、金属製品を身につけている場合も、そうでない場合も、落雷を受ける確率は一緒なのです。

実験結果で大きな差が出てきたのは背の高さ。高い方へ落ちるそうです。
つまり「雷が鳴ったらしゃがめ」という教えについては間違っていません。

「雷が鳴ったら建物の中に避難しなさい」とも言われますが、これは「建物の中」というのがポイントです。
軒下などの雨宿りは非常に危険です。建物に落雷した雷は壁を伝わって地面に向かっていきます。「側撃」といって、壁からの雷を受けてしまうことがあるそうです。

この側撃がよく起きるのは、ゴルフ場にある雨宿り用の東屋だそうです。
東屋は小さいため、その端にいると、東屋に落ちた雷からの第二波を受けて命を落としてしまう例が報告されているんだとか。
 

車は?海は?

車の中は安全ですが、金属部分に手を触れるのは止めましょう。
車の屋根に雷が落ちたら、車の側を通って地面に電流が流れます。その時にドアにもたれていると感電の危険があります。

また海水浴の時に雷が鳴ったら、泳いでいる人はどうなるのでしょうか?

沢「一番危険な状態です。というのも、海水は電気は通さない性格があると言われていて、海に落ちた雷は海面に広がっていくんです」

5分、10分潜っていられるならいいのですが、首から上は海面に出しています。
その首に向かって、横からビシャーッと雷が来るそうです。怖すぎます。
 

雷だと思ったら建物の中へ

雷が光り、雷鳴がするまでの時間を計って「遠いから大丈夫」と安心する方も多いと思います。しかし…

沢「あれには意味がないことを覚えておいていただきたい」

光って雷鳴まで10秒かかったとします。10秒かかったということはおよそ3キロしか離れていません。
それに比べて雷を起こす積乱雲の直径は10キロほどもあります。次の一発が自分の頭上に来る可能性は十分にあります。

沢「ゴロゴロが聞こえたら、もう建物の中の真ん中あたりに避難するのが鉄則です」
(尾関) 
 
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2020年09月23日07時19分~抜粋

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