多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

勝手に送られてきて代金請求!「送り付け商法」への対処はどうすればいい?

全く心当たりのない謎のモノが、突然家に送りつけられたら、いったいどうすればいいんでしょうか?

9月10日放送の『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』では、こうした「送り付け」について、あすなろ法律事務所の國田武二郎弁護士に聞きました。

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中国から来る謎の種

先月あたりから、中国から謎の植物の種が自宅に届いたという不気味な事件が多発しています。
もちろん心当たりがない、という方がほとんどでしょう。
こういった場合、どう対応すればいいんでしょうか?

「受け取った人は迷惑もさることながら、気持ちの悪さ、場合によっては恐怖すら感じるかもしれませんね。自分のプライバシーがどこかに漏れてるのではないかという不安と不気味さは感じるでしょうね」
 

植物防疫法違反

こういうケースでは、送りつける側に法的な責任はあるのでしょうか?

國田弁護士によれば、植物の疫病を防ぐ法律で「植物防疫法」という法律があります。
外国から送られてきた種の場合は、まず日本に持ち込んで安全かどうかを、植物防疫検査場で防疫官が検査をするそうです。

日本の植物をダメにしてしまう有害な植物かどうかの検査です。
合格すれば一応、合格のスタンプが押されますが、仮にこのスタンプを押さずに日本に持ち込んできた場合は違反。

「刑事罰で3年以下の懲役、または100万円以下の罰金に処せられることになりますよね」
 

送り付け商法

海外から植物の種子が送付されたケースはわかりましたが、もし国内から本やおもちゃが送られてきた場合はどうなるのでしょう?

國田弁護士によると、この行為は通信販売の一種にあたり、いわゆる押しつけ商法、送りつけ商法と呼ばれる販売形態だそうです。送ること自体には問題はないそうですが…。

「買う側は買いますという意思を表示したわけではありません。業者が勝手に送るわけですから、基本的には売買契約は成立しないわけですよね」

売買契約とは、買う側と売る側の意思の表示が合致することです。
勝手に送られた場合、契約がないわけですから、その代金を支払う必要はありません。
 

請求書が入っていたら

では、送られてきた物や、代金の請求書が入っていた場合はどうすればいいのでしょうか?

「送りつけ商法に対しては、特定商取引に関する法律で規定されています。代金は全く支払う必要はありません」

仮に同封の文書の中に『何の連絡もしなければ購入したものとみなす』とか『返送がなければ購入したものとみなす』と書かれた文面が同封されていても、これは無視していいそうです。

「それは業者が一方的に書いたものに過ぎませんから、法的な効力は全く生じません」

それでは、送られてきた物はどうしたらいいのでしょう?

「法律では商品を受け取ってから14日間保存していて、それを過ぎればどのように処分しても構わないとあります。捨てるなり焼くなり、どのように処分しても構わないということになりますね」

14日間が待てないのならば、送り主に『引き取ってください』という書面を出してください。
その日から7日経って何も返事がなければ、商品の処分は自由にしていいということにもなっているそうです。
 

「代引き」に要注意

こうしたケースでは「代金引換」によって、知らずに金銭を支払ってしまうケースもあります。

例えば、息子が留守中に届いた代金引換の商品を、母親が気を利かせたつもりで払ってしまった、こんな場合はどうなるんでしょうか?

「実は送りつけ商法で一番被害が多いのは、代金引換郵便とか代金引換宅配便なんですよね。家族が事情のわからないまま、お金だけを払ってしまう」

法的には業者へお金の返還を求めることはできますが、回収できるのはほとんど不可能というのが実態だそうです。

「そこで事実に気づいたら、すぐに郵便局や宅配会社に事情を話して『事業者に支払いをするのはやめてください』と、凍結する申し込みを出して下さい」

郵便局は、代引きの制度を利用する宅配会社に対しては、必ず業者の所在地の住所や氏名を届け出るように義務付けているそうです。

「受け取った方から、そういう連絡があった場合には、郵便局などは相手方の住所がわかってますから、すぐお金を支払うことを凍結して、お金が戻ってくる可能性はあると思います」
 

不安な時は「受け取り保留」

代金引換による被害に気づいたら、急いで対処することが必要です。
業者にお金が渡る前に、早くて1日、遅くても2~3日の間にやるべきだそうです。代金が渡ってしまうと、逃げられてしまって回収の可能性はなくなります。そんな悔しい思いをしないためには…。

「受け取り拒否以外に、『受け取り保留』という制度もあります。受取書にサインをしないで、しばらく預かっといてくださいと、宅配会社に言って、あとは家族が来て事情を聞いてから、という方法もありますよね」

一番簡単に被害を防ぐ方法は、普段から家族でコミュニケーションを取ることかもしれません。  
(尾関) 
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年09月10日07時26分~抜粋

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