多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

東京都「金庫と鍵の博物館」に唯一残る大日本帝国陸軍特注の金庫

東京都墨田区にある「金庫と鍵の博物館」。
館内には古代の錠前から最新の鍵、世界に1台の「幻の金庫」など珍しい金庫が展示されています。

9月2日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、館長の杉山泰史さんにお話を聞きました。

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大日本帝国陸軍の特注

この博物館、金庫の販売や修理をしている杉山金庫店という会社に併設されています。
杉山金庫店は大正時代から続く老舗で、開かなくなった金庫を開ける業務もしているそうですが、長年の間に収集した金庫を博物館として展示するようになったそうです。

所蔵品の目玉は大日本帝国陸軍特注の金庫。
大人の腰よりも少し高いくらいの大きさで、もちろん全面鉄製。こげ茶色でレトロな雰囲気。扉に無数のボタンがついているのが特徴です。

杉山さん「扉に3つの種類の錠前がついているんです」

一つは鍵で開ける錠前。鍵を差し込んでクルッと回す方式。
もう一つはダイヤル錠前。これも一般的によく金庫についている錠前で、右に左に数字を合わせて開けるタイプの錠前です。
 

正しいボタンを押せ

そして3つ目は…

「非常に特徴のある錠前なんですけど、50個の機械式の押しボタンが付いておりまして、それを間違えずに押さないと開かないよっていう、そういうものがついております」

扉には小さいボタンが、横一列に10個、5段に渡って計50個ついています。
今の設定は5個。50個あるうち5個のボタンを間違えずに押すと開く仕掛け。順番は関係なく、5個を間違えずに押せばいいそうです。
 

中身は軍の最高機密

開けに来た者は、5個押せばいいのか、4個押せばいいのか、6個押せばいいのかもわかりません。
ボタン一つずつにカタカナがふられていて、符牒を知っている人しか開けられなかったんだとか。

「当時は約30台ほど作られたそうですが、この令和の時代になって、動く形で現存してるのは、たぶんうちにあるもの一台だと思います」

当時のこの金庫には、暗号解読書、つまり暗号で打電されてきたものを翻訳するためのマニュアルが入っていたと言われているそうです。
 

金庫とは思えない金庫

変わったものではタンスにそっくりな金庫があるそうです。
フランス製の金庫で、タンスというより西洋風にいう木製のチェストのような感じなんだとか。
大きさは陸軍の金庫とだいたい同じサイズですが、どう見てもチェスト。

「4段の引き出しに見えるようにフェイクでデザインされているんです。これももちろん頑丈な鋼鉄製。風合いとか色合いを木製っぽく見えるように仕上げてあるんです」

4つの引き出しの中央にはそれぞれ鍵穴がありますが、こちらもフェイク。引き出しの枠を少しずらすと本物の鍵穴が出現するという仕組みです。

「これを普通に見て、金庫と認識される方はいないと思います」

杉山さんは自信たっぷりに語ります。
 

見学ではなく相談に来る人

訪れたお客さんには、杉山さん自らの説明付きで、開け閉めも見せてもらえるそうです。

「お客さんには楽しんでいただいてると思います」

一般のお客さん以外にも、小説家、映画監督や脚本家が、金庫とはどういうものかを知りたくて尋ねて来るんだとか。

「その場合は展示物を順番にご紹介するというよりは、映画でこんなシーンがあるんだけども、役者はどういう動きをすればいいのか?どういう道具をバッと広げればいいんだろうか?とご相談にいらっしゃることが多いですかね」
 

演技指導もします

なんと直に映画の撮影現場に行って教えることもあるという杉山さん。

「全然違う世界に携われるんで、刺激になって面白いです」

映画のエンドロールに「金庫と鍵の博物館」とクレジットされることも。
演技指導をすると役者さんには感心するそうです。

「少しやってみせるだけで、私がやるより、カッコよく華麗に所作していただけるんで、やっぱり役者さんはそちらのプロだなって思います」

博物館ではこんな話も聞かせてもらえますので、ぜひ開館時間を確認の上お出かけください。(尾関)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年09月02日08時12分~抜粋

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