コロナ禍で猛暑という最悪の条件ですが、他人と近づく場所ではマスクが欠かせません。
このマスクにつけると涼しくなると人気なのがハッカ油です。
8月19日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』ではハッカ油について、北海道北見市にある『北見ハッカ記念館』副館長の浅井かずみさんに伺いました。
ハッカ=ミント
まず、ハッカとはどういう植物でしょうか?
浅井さん「ハッカは英語で"ミント"といいます。ペパーミント、スペアミントはよくアイスクリームの上にのっている小さな緑の葉っぱです。
育つと背丈が80cmくらいになり、緑の葉っぱがついて、薄紫のピンクの花も咲きます。
北見で栽培していたハッカは日本のハッカです。それはスースー成分となるエレメントールというものがたくさん含まれている油がとれる種類です」
戦前、昭和10年代は北見で作ったハッカ油の品質がいいということから、世界のハッカ市場の70%が日本の北見のハッカ油だったという時代があったそうです。
栽培は全国で
世界でそこまでのシェアを得るということは、よほど北見市の環境がハッカの栽培に適していたのでしょうか?
浅井さん「本当は暖かいところが好きな植物で、古くは大陸から九州の諫早に入り、岡山、広島の方がたくさん作っていました。
北見は明治30年ころ屯田兵が入ってくる時期に、山形や秋田から根っこをもってきて育てたということで、気候が合ったのだとは思いますが、北見だから育ったわけではなくて、本来は全国的に栽培されていた植物です。
暖かいところはお米とか安定した食物が作れます。北海道はまだその当時、お米は作れず、安定した作物がなかった。それですぐお金に変わるハッカを作りました」
清涼感の秘密
ハッカ油の清涼感は、l-メントール(エルメントール)という成分によって引き起こされるようです。
浅井さん「l-メントールが清涼感を与えたり、医薬品に入ることで多少熱をとったり、痛みを和らげるといいます。よく湿布薬とか、昔は局所麻酔にも使われていました。
刺激が脳にくるので、それで冷えているという感じがします」
つまり、実際に身体が冷えるのではなく、l-メントールによる刺激が脳に冷えているように感じさせるのだそうです。
効果的なつけ方
最近話題のマスクへのハッカ油。どんなつけ方が効果的なのでしょう?
浅井さん「直接マスクにスプレーをつけると強すぎます。本来ならつまようじでマスクの顎のあたりにつけるくらいで十分です。
みなさんシュッシュしたくなるので、そうすると逆にむせたり、粘膜に強い刺激がずっとしてしまいます。
マスクケースに、ちょっとシュッとしてオイルを含ませたコットンを一緒に入れておけば香りが移るので、それで十分です」
つまり、ほんのちょっとが適量だということです。
つけすぎ注意
リスナーからマスクにハッカ油をつけた体験が寄せられました。
「以前マスクの鼻の位置にぼたっと垂らしてしまいました。その日は涙と鼻水がとまりませんでした」(Aさん)
「マスクにつけすぎて、目が痛くなってしまいました。少量でいいんですね」(Bさん)
この夏、ハッカ油を上手に利用して清涼感を味わってください。
ただ、実際に体温が下がるわけではないので、熱中症対策のためにはこまめな水分補給も大切ですね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年08月19日07時17分~抜粋