多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

お盆に自宅で観たい映画『燃えよドラゴン』

今週の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』は「お家で名作映画鑑賞」と題して、元日本ヘラルド映画広報だった映画評論家の広江邦夫さんが5作品を紹介しています。

8月13日は香港が生んだ大スター、ブルース・リー主演『燃えよドラゴン』(1973年)でした。

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世界中がアチョー

「低予算で作ったハリウッド映画ですが、蓋を開けてみたら世界中が『アチョー』になった。要するにカンフー映画ブームが起きちゃったんですよ」

世界中にカンフーブームを巻き起こした『燃えよドラゴン』はこんな作品です。

少林寺の武術の達人リーに国際情報局から依頼が届きます。ハンという人物が所有する島で、武術のトーナメントが行われるので、そこへ参加してくれとのこと。
ハンはリーと同じく少林寺で武術を学んでいたのですが、悪の道に手を染めて破門となっていました。

実は、トーナメントへの参加は表向きで、目的はハンが行っている犯罪行為の調査が目的でした。ハンは過去に、リーに妹を自害に追い込んだ人物。島に乗り込んだリーは、様々な人物と出会いながら内偵を進めていき…という勧善懲悪ストーリーです。
 

本物の武術家が登場

「この映画の魅力は、演技、演出で俳優さんがやってるんじゃなくて、本物のカンフー使いがやっている。ブルース・リーは本物の武術家ですから、本物の人でしょ」

ブルース・リーは俳優でもありますが、ジークンドーという武道を創設した武道家としても有名です。ハン役のシー・キエンも少林寺の達人。

「地下牢で戦うシーンにジャッキー・チェンが出ています。コテンパンに殴られてますけど」

ブルース・リー亡き後、70年代にカンフーブームを牽引していくジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウが端役で出演しています。

「本物の武術家を使った1時間半です。映画を見終わったお客さんが、みんなブルース・リーの気持ちになって出てきちゃってね、それぐらいに魅力のある映画ですね」
 

音楽の力

「ブルース・リーの武術もすごいんだけど、テーマ曲を作曲したラロ・シフリンもすごい。この人のリズム感は独特」

ラロ・シフリンが手掛けた『ダーティハリー』(1971年)も音楽の効果が高い作品でした。

「上映時間中、完全に陶酔出来る。すっきりはっきりできる映画。口コミで、どんどん広がったということです」

陶酔出来る要因は音楽にもありました。
 

最後の作品が最初

『燃えよドラゴン』は日本人にとって初めて上映されたブルース・リー映画でした。
日本で公開されたのは1973年12月ことです。

ところがこの時、ブルース・リーはすでに故人になっていました。
1973年7月20日に亡くなっています。公式な死因は脳腫瘍とされています。
しかし当時、死因の確定に紛糾したため謎の死ともいわれています。32歳の若さでした。

翌年から日本で公開されていなかったブルース・リー作品、『ドラゴン危機一髪』(74年4月)『ドラゴン怒りの鉄拳』(74年7月)『ドラゴンへの道』(75年1月)が順次公開されていき、いずれもヒットしました。

「この作品以降100本に近いカンフー映画が出てきてますけど、その全てのもとになったのはこの映画。魅力は本物を使ったことだと思います」

最近は政治的に注目を集めている香港ですが、まるで守護神のようなブルース・リーの銅像が建てられています。
(尾関)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年08月13日07時38分~抜粋

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