多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

バナナの皮で滑る定番ギャグ、その裏にあった社会問題

8月7日は「バナナの日」、ジュースにしたり、朝ごはんにまるごと1本食べたりと、日本人にとって一番なじみのあるフルーツと言ってもよいでしょう。

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、8月7日朝7時台、まさにバナナにちなんだ時間帯に、CBC論説室特別解説委員の石塚元章がバナナについての雑学を紹介しました。

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歴史の古いフルーツ

バナナの歴史は古く、なんと6,900年ほど前にニューギニアの山の中で作物として栽培されていたという痕跡が見つかっているのだそう。

フルーツとしては、イチジクやブドウと並んで長い歴史を持つそうで、もっと前から栽培されていたのかもしれませんし、野生だとさらに前からあったのかもしれません。

一説によると、聖書の中でアダムとイブが食べた禁断の実というのは、リンゴではなく実はバナナで、過去に誤って訳してしまい、リンゴとして伝わってしまったという話もあるそうです。

アダムとイブがいたのは今の中東あたりと伝わっていますが、当時その地域ではリンゴは育たないのではないかという根拠も、バナナ説に一役買っています。
 

バナナボートの歌詞の意味

バナナは世界各地で食べられているため、たくさん生産されていて、特に中南米での大量栽培が有名でした。

ただ、安い労働力を背景に栽培し、アメリカなどに大量に輸出するというビジネスモデルとなっていて、生産国はあまり豊かにならない状況。

中南米の一部の国を表す「バナナ共和国」、「バナナリパブリック」という言葉がありますが、これは不安定な政治状況の中で外国から巨大資本が入ってきて、バナナなど単品で農業を牛耳ることで、収益は先進国が吸い上げ、労働者は安く使われるという国の状況を表したものです。

また、「デーオ」の掛け声で有名な流行歌「バナナボート」を思い浮かべる人もいるでしょう。
明るい曲に聴こえて、何となくバナナの形に乗ったボートに陽気に乗って楽しむようなイメージがありますが、実は過酷なバナナの荷積みに関する労働の歌なのです。
 

バナナの皮は滑りやすさ6倍

バナナといえば、コントの小道具としても使われます。

バナナの皮で滑るという古典的なギャグがありますが、本当に滑るのかマジメに研究した方がいます。

笑える研究に送られるイグ・ノーベル賞というものがありますが、2014年に北里大学の馬渕清資教授が、摩擦係数などを計算し「通常よりも約6倍滑りやすい」という結果を発表し受賞。

ここで石塚は、ニュースコラムのコーナーらしく、バナナの皮で滑るギャグと、その背景にある社会現象との関連性について語ります。

バナナの皮を使ったギャグは20世紀初頭にアメリカで作られたと言われていますが、19世紀後半ぐらいから、アメリカにバナナが大量に輸入され、ニューヨークでは外でバナナをたくさん売るようになります。

そうすると、ニューヨークの街中では皮をそのまま捨てる人が増え、ゴミが増えることで社会問題となったのです。

ギャグが生まれたのは、中南米での過酷な労働による大量栽培と、街中でのポイ捨てという、ある意味笑えない問題から生まれたものともいえそうです。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年08月07日07時25分~抜粋

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