多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

アサガオが名前どおり朝に咲くのはなぜ?

日本でなじみ深い、夏の観賞用の花といえばアサガオ。
小学校の頃に学校で育てたという思い出を持つ方も多いのではないでしょうか?

そのアサガオですが、身近な割には意外と知らないことが多く、例えば、アサガオは名前のとおり朝に咲くのはなぜなのでしょうか。

8月6日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、アサガオについて筑波大学生命環境系准教授の小野道之先生に教えていただきました。

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アサガオの別の使い道

そもそもアサガオはどこで生まれ、どのように広がっていったのでしょうか。

小野先生「中南米のあたりではないかと言われています。現在は広く熱帯から温帯まで分布しているんですけれども、これは主に人類が薬として持ち歩いたためではないかと考えられています」

では、日本に入ってきたのはいつ頃なのでしょうか。

小野先生「今から1,200年ぐらい前、奈良時代ぐらいじゃないかと言われています。中国から渡来したという記録があって、下剤っていうんですかね、腸の活動を活発にする薬として」

薬として使われていたのは種の中に含まれている成分で、現在も一部の下剤には使われているそうです。

薬として使われていたアサガオですが、いつから主に観賞用の花となったのでしょうか。

小野先生「それが面白いことに、どうやら日本で最初に観賞用となったみたいですね。

日本では積極的にいろんな品種を輸出していた時代もありますし、現代になってからは世界中で楽しまれているようになっていると思います」
 

朝に咲かなくても良くなった?

それではここで冒頭に挙げた質問、アサガオはなぜ朝に花が開くのか?

小野先生「一番の理由としては、花粉を運んでくれる虫のためということがあると思います。

花の中には虫媒花といいまして、虫に花粉を運んでもらう花というのがあるんですけど、アサガオと仲良しの昆虫が一番来てくれる時刻が朝だったんだろうと考えたらよいかなと思います。

日本で見ていますと、蜂とかアブとか蝶などが来ていますよね」

ただ、今の日本のアサガオは、ちょっと様子が変わってきているそうです。

小野先生「今、日本のアサガオはほとんど自殖性といって、自分の花粉で種がついてしまいますので、特に昆虫の手伝いはいらないんですよね。

その名残として今でも朝に咲かせていると考えた方が良いかもしれません」
 

時間を測って花が咲く

今では必ずしも朝に咲かなくてもよくなったということですが、アサガオは今が朝だとわかった上で、花を開いているのでしょうか。

小野先生「動物や植物を中心として生物時計、概日(がいじつ)時計というものを持ってるんです。

地球上の生きものは太陽が出ている時刻と日が沈んでからの時刻とでは、それぞれ生物のためにやることが違いますので、それを知るために時計を使っていろんな活動をしているわけです。

特に大事なのは、日が昇る前に日が昇ってからの準備をするとか、まだ明るいけど夜の準備をしなければならないので、そのために時計が必要なんです」

ほとんどの生物は朝の光を見て時刻合わせを行うのですが、アサガオが変わっているのは、日暮れになってから何時間かかったのかを測り、朝に花を咲かせる点だそうです。

よく考えてみると、朝の光を見てから時間を測っていたら、遅れてしまいますね。

温度を見ながら調整するそうですが、夜が始まってからだいたい10時間ほど経って咲くそうです。

そのため、夜にわざと明るいところでアサガオを置いて、時間を遅らせて暗くすると、翌朝、花が咲くのも遅い時間になるそうです。
(岡本)

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年08月06日07時19分~抜粋

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