多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

最低賃金引き上げ見送りへ。誰がどうやって決めるの?

先日、最低賃金の引き上げが今年は見送られるというニュースがありました。私たちの生活に深く関わる問題です。

そこで7月28日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では最低賃金を取り上げました。

据え置きの理由は新型コロナウイルスの感染拡大によって経済情勢がよくないからということです。

改めて、最低賃金とは何でしょうか。どう決められるのでしょうか。
スタジオでCBC論説室特別解説委員の北辻利寿がやさしく解説しました。

[この番組の画像一覧を見る]

国が決める

最低賃金とは、企業などの雇い主が従業員に支払う最低限の時間給のことです。

大事なのは、これが正社員だけでなく、パートやアルバイトなど非正規雇用の労働者の方にも適用されるということです。

では、誰がどうやって決めているのでしょうか?

まず国が目安を決めます。厚生労働省の審議会というのがあり、そこに経営者側と労働者側と二つが参加し、意見をいろいろ言って、最後に国が裁定します。

経営側としては、人件費の増大は経営を圧迫するので抑えたい。
労働者側は生活があるから上げて欲しい。

両方の意見を聞いて、最終的には政府がこの辺りと決めます。
 

東京都は1,013円、沖縄は790円

今年は、最低賃金は据え置きとなりました。

そのときの経済状況、生活状況を鑑みて決まります。
今年だと、新型コロナウイルスの影響が非常に大きな陰を落としました。

金額は、毎年少しずつ上がってきていました。
都道府県ごとに金額は違います。地域の産業とか状況に応じて、47都道府県がA~Dの4つのランクに分かれています。

たとえばAランクは、東京都、大阪府、神奈川県、愛知県など。ここは去年は28円アップが引き上げの目安でした。

今、Aランクの東京都の最低賃金は1,013円。
Dランクの沖縄は790円で、223円の差があります。
フルタイムで年収にすると40万円くらいの違いです。

この格差が問題となっています。東京一極集中というのがあって、やはり東京、東京となってしまいます。
地域格差はここにも表れています。

格差をこのまま放置するわけにはいかないというのが現場の声です。
 

地域別の最低賃金

ちなみに、愛知県はAランクで926円。三重県はBランクで873円、岐阜県はCランクで851円です。

この差をなくすための引き上げの目安を毎年示してきて、それを各地方の審議会におろします。

地域別の最低賃金というものに関しては、あくまで目安を判断して、最後は地方が決めます。
 

景気の陰り

最低賃金は、アベノミクスで2012年度から6年間で150円上がり、それなりの効果はありました。

ところが、去年の台風の被害とか消費税10%とかで、経済が苦しくなってきた。そこへ、新型コロナウイルスの影響で、そうとうダメージが大きかった。

内閣府も近々、景気の回復局面は2018年で止まって、景気後退に入ったという認定をするそうで、経済が陰りをみせているというのは事実です。

新型コロナの影響が色濃く出て今回の最低賃金の目安額は見送りとなりました。

ただ、各地方におろして、来月8月いっぱいかけていろいろ話し合います。国が見送りといっても、各地方が「1円上げましょう」とかもあります。
地方の判断に任せられるというステージに入ります。
 

これから最低賃金は…

多田「最低賃金はこれからどうなるのでしょうか?」

北辻「新型コロナウイルスの感染拡大次第ですね。第二波と言われているのがどうなるか」

多田「おさまっては第3波、また第4波。さらにあと1、2年はかかるぞというふうに医療関係者は見ています。その間はV字回復はムリかな」

北辻「しかし、働く身としては『そういっても』というのがありますから、きちんとそれなりの指針を示して欲しいですよね。情報とともに見通しが欲しいですね」

多田「ただ見ているだけでは困りますね」

これから私たちの生活はどうなるのか。最低賃金に注目していきたいですね。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2020年07月28日07時21分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報