新型コロナウイルスの影響で東京オリンピックが2021年夏に延期されました。
7月15日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長はオンライン記者会見で、開催時期について「7~8月に開催することに引き続き全力を尽くしている」と言及しました。
ところで、このIOC、国際オリンピック委員会とはどんな組織で、どんな影響力を持つ組織なのでしょう?
16日の『多田しげおの気分爽快』でCBC論説室の北辻利寿特別解説委員が、IOCについて解説しました。
崇高な理念と大きな利権…IOC(国際オリンピック委員会)とはどんな組織?
IOCはNGOでNPO?
IOCについてひと言で「ユニークな組織」と表現する北辻委員。
「なぜなら国際オリンピック委員会と言いながら国際機関ではなくて、NGOと言われる非政府組織。さらにNPOと呼ばれる非営利団体です。これに尽きます」
NGOは非政府組織で、主に国際規模で活動している団体を言います。例を挙げれば国境なき医師団や国際赤十字、国際的な人権団体アムネスティなどです。
一方NPOは営利を目的としない組織で、子育て支援や子ども食堂など、地域に密着して活動している組織が主です。
ICOはその双方の面を持つ組織なのです。
「なぜなら国際オリンピック委員会と言いながら国際機関ではなくて、NGOと言われる非政府組織。さらにNPOと呼ばれる非営利団体です。これに尽きます」
NGOは非政府組織で、主に国際規模で活動している団体を言います。例を挙げれば国境なき医師団や国際赤十字、国際的な人権団体アムネスティなどです。
一方NPOは営利を目的としない組織で、子育て支援や子ども食堂など、地域に密着して活動している組織が主です。
ICOはその双方の面を持つ組織なのです。
なんとなく漂うお金の匂い
多田「国際的な条約や法律に基づいて活動しているのではなく、言ってみれば超大きな"なかよし団体"」
北辻「親睦団体なのかな。IOCは元々、近代オリンピックの祖というクーベルタン男爵が中心となって、126年前に作ったんです」
現在IOCの運営資金は、テレビ、ラジオなどの放映権料とスポンサー収入の二つ。
多田「スポンサーもものすごいお金を出してます。つまり、そこには利権が蠢いている。国際条約に縛られないからこそ、できることもあるんでしょうけどね」
しかしIOCは、非営利団体なので、利益を出すのはいいけれど、利益を分配して儲けてはいけないことになっています。
IOCの本部はスイスのレマン湖畔の街、ローザンヌにあります。スイスは法人税などの優遇措置があるため、本部がここに置かれてるという見方もあるそうです。
北辻「親睦団体なのかな。IOCは元々、近代オリンピックの祖というクーベルタン男爵が中心となって、126年前に作ったんです」
現在IOCの運営資金は、テレビ、ラジオなどの放映権料とスポンサー収入の二つ。
多田「スポンサーもものすごいお金を出してます。つまり、そこには利権が蠢いている。国際条約に縛られないからこそ、できることもあるんでしょうけどね」
しかしIOCは、非営利団体なので、利益を出すのはいいけれど、利益を分配して儲けてはいけないことになっています。
IOCの本部はスイスのレマン湖畔の街、ローザンヌにあります。スイスは法人税などの優遇措置があるため、本部がここに置かれてるという見方もあるそうです。
委員会なので委員がいる
オリンピック委員会の委員は最大115人。
原則は1か国1地域で最大1人といわれてます。個人資格や国際競技連盟の代表もいます。
例えば日本だと、今、国際体操連盟会長の渡邊守成さん。この人は各競技を国際規模で統括する国際競技連盟代表の15人のうちの一人でもあります。
もう一人、ロサンゼルスオリンピック、柔道の金メダリストで現在のJOC(日本オリンピック委員会)の会長、山下泰裕さん。日本からはこの二人が委員になっています。
原則は1か国1地域で最大1人といわれてます。個人資格や国際競技連盟の代表もいます。
例えば日本だと、今、国際体操連盟会長の渡邊守成さん。この人は各競技を国際規模で統括する国際競技連盟代表の15人のうちの一人でもあります。
もう一人、ロサンゼルスオリンピック、柔道の金メダリストで現在のJOC(日本オリンピック委員会)の会長、山下泰裕さん。日本からはこの二人が委員になっています。
IOCの役割は?
IOCの役割は何でしょうか?
それは「平和を目指し、人類の発展にスポーツを役立てること」。
これは近代オリンピックを提唱したクーベルタン男爵が理想としたことです。
IOCの一番大きな仕事は、オリンピックを4年ごとに開催して、その開催都市を決めることだそうです。
今年あるはずだった東京オリンピックも、実は主催者はIOC。
決して日本とか東京ではありません。極論を言えばオリンピックは IOCのものだそうで、利権の問題はそこから出て来ているようです。
とはいえ、4年ごとに開催するオリンピック、パラリンピックに基づいて、いろんなスポーツの振興を図るのも大切な役割り。
「その大会の開催中には、戦争行為を止めましょうという呼びかけもします」と北辻さん。もともと古代ギリシアで行われていた古代オリンピックは宗教的行事。開催期間中は各ポリス(都市)が戦争を止めて集いました。その精神は今でも生きています。
それは「平和を目指し、人類の発展にスポーツを役立てること」。
これは近代オリンピックを提唱したクーベルタン男爵が理想としたことです。
IOCの一番大きな仕事は、オリンピックを4年ごとに開催して、その開催都市を決めることだそうです。
今年あるはずだった東京オリンピックも、実は主催者はIOC。
決して日本とか東京ではありません。極論を言えばオリンピックは IOCのものだそうで、利権の問題はそこから出て来ているようです。
とはいえ、4年ごとに開催するオリンピック、パラリンピックに基づいて、いろんなスポーツの振興を図るのも大切な役割り。
「その大会の開催中には、戦争行為を止めましょうという呼びかけもします」と北辻さん。もともと古代ギリシアで行われていた古代オリンピックは宗教的行事。開催期間中は各ポリス(都市)が戦争を止めて集いました。その精神は今でも生きています。
IOCの力
後藤逸郎著『オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側』(文春新書)の中に「IOCは世界最大級のスポーツ興行主であり、映像コンテンツの供給者である」という一文があるそうです。「まさに言い得て妙」と北辻委員。
5月に、IOCのバッハ会長が、BBC のインタビューに答えた「東京オリンピックが、2021年夏の開催が無理なら中止」という発言がありました。
その同じ頃に、IOCの調整委員会のコーツ委員長の「10月には、できるかどうか評価する」という発言もありました。
北辻「これからもわかるように、IOCはオリンピック開催に関しての強い権限を持ってるということです」
5月に、IOCのバッハ会長が、BBC のインタビューに答えた「東京オリンピックが、2021年夏の開催が無理なら中止」という発言がありました。
その同じ頃に、IOCの調整委員会のコーツ委員長の「10月には、できるかどうか評価する」という発言もありました。
北辻「これからもわかるように、IOCはオリンピック開催に関しての強い権限を持ってるということです」
崇高な理念と大きな利権
北辻「東京大会の大会委員長、森喜朗さんが、開会式を縮小すれば経費が安くなる、みたいなことをIOCに話したら、ノーと言われた。理由は、時間帯で契約したテレビから違約金を取られるから。そういうことがありましたよね」
これなどは、IOCが、利権が絡んだ世界最大のスポーツ興行主であり、映像の権利を持った組織ということが良くわかるエピソードです。
最大のスポンサーであるアメリカの時間に合わせて競技を組んでいるとも言われます。また、オリンピックを夏場に開催するのは、その時アメリカでは、様々なスポーツが手薄だからという理由だとも。
北辻「いろんなしがらみがある組織ですよね。ただ、その魂って言うか、言うことは崇高なことなんですよ。世界平和、スポーツ振興。それは大切なことなんですけども…」
(尾関)
これなどは、IOCが、利権が絡んだ世界最大のスポーツ興行主であり、映像の権利を持った組織ということが良くわかるエピソードです。
最大のスポンサーであるアメリカの時間に合わせて競技を組んでいるとも言われます。また、オリンピックを夏場に開催するのは、その時アメリカでは、様々なスポーツが手薄だからという理由だとも。
北辻「いろんなしがらみがある組織ですよね。ただ、その魂って言うか、言うことは崇高なことなんですよ。世界平和、スポーツ振興。それは大切なことなんですけども…」
(尾関)
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