多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

調べれば調べるほど奥深い!数字の「7」の不思議

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の「石塚元章の金曜コラム」コーナーでは、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、毎回1つのテーマをとりあげて解説しています。

7月3日の放送では、「七味の日」であることにちなんで、数字の「7」にまつわるお話を紹介。

石塚が調べれば調べるほど、「7」という数字にいろいろなエピソードが出てきたようです。

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「しち」と「なな」の使い分け

「7」の読み方には「なな」と「しち」の2つがありますが、「しち」だとよく「1」と聞き間違えられるため、放送ではあえて「なな」が用いられます。

また、「なな」は訓読み、「しち」は音読みですが、熟語の読み方は原則、訓読みあるいは音読みで統一します。

最近話題の将棋に関するニュースで、王位戦七番勝負の「七番」が本来なら音読みで「しちばん」と読むところをあえて「ななばん」と読むのは、そのためです。

一方で藤井聡太七段は通常、「しちだん」と読まれます。

これは、将棋では二段の上の段は一段ではなく初段であり、聞き間違いがないためです。
 

好きな数字は7が一番人気

東洋人や日本人は7が大好きなのか、7に関する言葉が多いことに気づかされます。

「七福神」や「七草」、「七味」などなど。

西洋でも「ラッキー7」はもちろんのこと、世界を「7つの海」と表現したり、キリスト教にも「七つの大罪」という概念があります。

イギリスの数学者、アレックス・ベロス氏が世界の3万人を対象に「好きな数字が何か?」と調査したところ、1位が「7」で、2位が「3」、3位が「8」だったそうです。

理由はさまざまですが、その1つは宗教的な根拠が挙げられています。

旧約聖書の中に天地創造の話があり、世界を作るのに6日かかり、1日安息日をとったと言われていて、これが1週間を決める元になったという説もあります。

そのため、特に西洋では「7」が完全形、パーフェクトを表す数字で、神聖なイメージを持たれる傾向にあるそうです。
 

日本人が7を使う理由

また、日本では「7」は多いものの例えとして、よく用いられます。

「七転び八起き」は、本当に7回転んだ人のことを表現しているわけではありませんし、「七転八倒」、「親の七光り」、「なくて七癖」なども、具体的に原因が7つあるわけではありません。

また、7人で1グループという考えもよくあり、その代表格が映画『七人の侍』、ハリウッドでも『荒野の七人』としてリメイクされた名作です。

7人となったのは、黒澤明監督が「タイトルの語呂が良いから」という理由で決めたからという説もあるそうですが、のちに7人が最適だという分析もされています。

例えば、フランス文学者の内田樹さんは、「最小の高機能集団」と語っています。

まずリーダーとサブリーダー、リーダーに従うイエスマンがいて、リーダーの方針に沿って上の3人が進みます。

その後に切り込み隊長がいて、その人がすぐに実行。

さらに、破天荒でどの組織の意向に従っているのかわからない人(映画では三船敏郎さん演じる「菊千代」)がいるのも、意外と重要です。

そして、能力が長けているわけではないですが、特に苦しい時に役に立つムードメーカー。

最後は、生き残らせて先輩たちの偉業を後世に伝える役回りの人と、良い時のことだけではなく、苦しい時もあらかじめ想定したメンバー構成となっているというのが、今の世の中にも通ずるところがあるのかもしれません。

7人がしっくりくるからか、『七人の侍』の後にもドラマ『七人の刑事』(TBS系)や『男女7人夏物語』(TBS系)、現在でも『刑事7人』(テレビ朝日系)が放送されています。
 

人間が覚えられるのは7つまで?

最後に7にまつわる話で石塚が紹介するのが、アメリカの認知心理学者ジョージ・ミラー氏が唱えた「マジカルナンバー」という考え方。

これは、「人間が一度に記憶できるものは7個まで」という考え方で、かつて東京や大阪などの電話番号が、市外局番を除いて7桁だったのは合理的という説がありました。

もちろん人によって得意不得意がありますので、前後2個で5~9個としていますが、最近では実は7個も無理で、4個までという説も出てきています。

そして、先程の好きな数字に関する話に戻り、石塚はなぜ7を選ぶ人が多いのかについて考えてみました。

石塚「人はそもそもひねくれていて、1から10までで何の数字が好きって聞かれた時、10とか1とか、キリのいい数字は選ばないんですよ。5も真ん中だから嫌でしょ?偶数も2で割り切れるから。9も3で割り切れるんで嫌なんですよ。

素数(自身でしか割ることができない数)だと、2、3、5、7ですよね。そうすると3と7が残るんで、若干好きな数字が見えてくるような……。これは石塚説ですけど」

日本人は「3大○○」というのが好きですので、3を使うのにも何か理由があるのかもしれません。

最後に多田は「『しちづか』違うな、石塚元章さんでした」と、今日ならでは紹介をしてコーナーを締めました。
(岡本)
 
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