多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

宇宙食にアジの干物、どうやって食べるの? 宇宙飛行士の食べているもの。

先日、食品メーカーの株式会社キシモト(本社・愛媛県東温市)が開発したアジの干物が、なんと宇宙食として宇宙航空研究開発機構(JAXA)から認証されました。

宇宙飛行士は宇宙ステーションの中でどういう食事をしていて、どう調理しているのでしょうか?

6月23日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、ISS(国際宇宙ステーション)での食べ物について、サイエンスコミュニケーターの本田隆行さんに電話で伺いました。

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宇宙食の条件

まず、宇宙食となる条件はどんなことが必要なのでしょうか?

本田さん「宇宙は地球と環境も違いますし、閉ざされた空間なのですぐに何か足りないからといって持っていくわけにはいけません。だから長期間保存できるのは絶対条件になります。

次に、食べるときに飛び散ってしまわないこと。
ステーションの中はいろんな精密機器があって、その中に小さな欠片が飛び込むだけで故障してしまって、命の危険にまでなります。飛び散ると、ずっと空間を漂い続けてしまいますから。

そして、強いニオイを伴わないもの。しまったと思っても、窓を開けることができません」

ISSの中は重力はないけれど、空気は地上と同じような状態にしています。だから臭いは感じるので、強い臭いのものはダメだそうです。

本田さんは「他にも栄養価が優れていること。栄養バランスにはすごく気を使っています」と、強調しました。
 

宇宙で調理?

その中で、今回アジの干物が認められました。具体的にはどうやって食べるのでしょうか?

本田さん「よくレトルトのパックがありますが、それと同じような感じです。アジの干物がパックの中で空気を抜かれた状態で入っていて、その袋を開けて食べます」

アジの干物は調理が必要と説明されていますが、温めるのでしょうか。

本田さん「実は国際ステーションの中には温めるものがふたつ用意されています。
ひとつはお湯です。だいたい80度まで、お湯を作ることができます。それで戻したりする食品があります。
もうひとつは電気オーブンがあり、電熱調理ができます。それで温めて食べることができます」

確かにアジの干物は冷たいより温めた方がおいしいですね。
 

食事は娯楽であり交流の場

多田「そうやってISSの中では温めて食べているのですね?」

本田さん「昔はそういったものがなかったので、缶詰やチューブ状のものを食べていました。
長期滞在が可能になると、栄養だけでなくて、日々のストレスを軽減したり、毎日の娯楽として食はすごく大事になります。
また、それが交流の役割も果たします。いろいろな国の人が来ているので」

ISSの中でいろいろな国の人が、食べ物で交流していると考えると楽しいですね。日本食の代表・アジの干物の評判が気になるところです。

 

コーヒーも紅茶も

ISSではコーヒーを飲むこともできるようです。

本田さん「コーヒーが好きな飛行士の方も多いので、宇宙にコーヒーを持っていって、楽しまれています。

カップの場合、傾けても出てこないです。よくパックに入ってゼリー状のものを吸うようなタイプの入れ物がありますが、そういう風に吸って飲むものになります。
水分は飛び散ると大変なので、できるだけ密閉された形です。コーヒー以外に紅茶やお茶も宇宙では楽しめます」
 

たまには生ものも

多田「工夫して、できる限り地上にいるのと似たような食生活をしないと、半年はもたないですね」

本田さん「最近は補給船を定期的に送れるようになったので、補給船がいったタイミングでは生ものも食べられるそうです。
お刺身はさすがに無理ですが、果物とか野菜がとても喜ばれているそうです。
そのようにして、閉ざされたところで楽しみを見出しているということです」

宇宙食に認定されたと聞くと、そのアジの干物を食べたくなりますね。骨まで食べられてカルシウムたっぷりだそうです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年06月23日07時18分~抜粋

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