多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

味や香りに強い特徴がないのに人気は上昇!さくらんぼの不思議

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の1コーナー「石塚元章の金曜コラム」では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が毎回1つのテーマを元にあれこれ調べたことを伝えています。

6月19日放送で取りあげたのは、「さくらんぼ」。

この日は太宰治が亡くなっているのが発見された日で、太宰の作品『桜桃』、つまりさくらんぼにちなんで名づけられています。

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さくらんぼの生産が増加

今年の1月、新潟県の花角英世知事が2018年の県農業産出額について、1960年(昭和35年)の統計開始以来、初めて隣の山形県を下回ったことについて残念と語りました。

コメ離れが原因の1つではありますが、さらに山形県がさくらんぼ効果により伸びてきたことも挙げられます。

国内生産量の7割以上が山形で、この10年間で1.6倍に増えるほどの人気ぶりです。

また、さくらんぼは昔「さくらん坊」と呼ばれており、かわいらしいイメージがありますが、一方でちょっとエッチなイメージもありました。

1959年(昭和34年)に発売された「黄色いさくらんぼ」という曲は、お色気映画の主題歌として作られヒットしましたが、当時としては歌詞が過激だったということもあって、一部の放送局では放送禁止にもなっています。

その後、ゴールデン・ハーフが1970年(昭和45年)にカバーし、再びヒットするのですが、10年余りで状況が変わったのか、その時は放送禁止にならなかったようです。

ちなみに、本当に黄色いさくらんぼが山形県で生産されていて、「月山錦」という品種ですが、生産が難しくあまり出回っていないそうです。
 

さくらんぼの歴史

さくらんぼの原産は黒海の南側にあるトルコやイラン、シリアあたりではないかと言われています。

その後、ローマ時代あたりにローマの官僚や軍人がヨーロッパに持ち帰り、16世紀頃には普及していたそうです。

日本にはすでに江戸時代に入っていたものの栽培が難しく、根付かなかったため、実際に入ってきたのは明治時代以降とされています。

ただ、さくらんぼは傷みやすいため、寒冷地で作っても東京などには届けることはできなかったため、最初は缶詰やシロップ漬けにしたものが広まりました。

さくらんぼといえば昔は缶詰でしか見たことがなかった、あるいはシロップ漬けでパフェなどの上に乗ってるものしか見たことがなかった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 

佐藤錦は

そのさくらんぼの概念を大きく変えたのが、ブランド「佐藤錦」。

今やさくらんぼの代名詞にもなっていますが、名前のとおり佐藤栄助さんが生みの親です。

佐藤さんは元々、しょうゆの醸造を手掛けていましたが、株に手を出して失敗。

店を閉じて新たに果樹園を始め、「日持ちはするど酸っぱい」という品種と、「甘いけど日持ちしない」という品種をかけ合わせ、大正時代に10年かけてようやく完成しました。

もし前の経営が失敗していなかったら、おいしいさくらんぼは生まれなかったのかもしれませんね。

その「佐藤錦」という名前ですが、佐藤さんは最初、地名をとって「出羽錦」と付けていたのですが、周りから「甘いイメージの『さとう』とかけて、『佐藤錦』にしたら?」と言われて名前を変えたそうです。

今や「出羽錦」というと力士のイメージで固まっていますが、もし「出羽錦」で販売したらどうなっていたのでしょうか。
 

「クセがない」不思議な魅力

さくらんぼの生産量がかなり増えているという話がありましたが、好きな果物のアンケートではだいたい10位前後と、そこまで人気はないように見えます。

ただ、以前は15、6位ぐらいだったため上昇してはきているのですが、ここで石塚は、多田しげおに「さくらんぼの味や香りってとっさに思い出せますか?メロンやイチゴと比べて」と問いかけました。

確かにこれといった特徴はないように感じます。

石塚「おいしいくせに、とっさにわからない」

多田「形のインパクトで食べてるのかな?」

石塚「お菓子の業界とかはさくらんぼのフレーバーで商品を開発しようとするんですけど、味や香りの再現が難しいフルーツと言ってます。やっと出始めてはいるんですけど」

最後に石塚は、さくらんぼについて「でも人気のフルーツになりつつあるという、不思議な魅力があるんですよね」と評し、多田も「黄色いさくらんぼでなくても、不思議な魅力はあるぞということですね」とまとめました。
(岡本)
 
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2020年06月19日07時25分~抜粋

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