多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

話題のWHO(世界保健機関)とはなにか。今、問題となっていること。

コロナ禍で注目を集めてきたWHO(世界保健機関)。

WHOを取り上げました。

話題となるひとつの理由は、もちろん新型コロナウイルスの世界的な感染拡大がありますが、もうひとつ、ここが政治の場になっていることがあります。

そもそもWHOとは何か、今、ここで何が起きているのでしょうか?
そこで、5月26日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。

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WHOの目的

WHOは国連の専門機関のひとつ。中心となる本部はスイスのジュネーヴ。他に地域事務局が6カ所あります。東アジアはマニラに本部があります。

第二次世界大戦後、保健を世界統一でしっかりみる機関が必要ということで、1948年に発足しました。
現在、194カ国が加盟しています。

その役割は、世界のすべての人が可能な限り、高い水準の健康が得られるようにしていきましょうというものです。そのために病気の調査もしますし、情報を共有し、お知らせする、ということをやります。

新型コロナウイルスに関しても、いち早く情報を集めて、公平に知らせましょう。世界がひとつになって疫病に対抗していきましょうということです。
 

中国の作戦

ところが、ここが今、アメリカと中国の政治の場になっています。

中国は今、一生懸命中国に賛成してくれる仲間を見つけようとしています。お金を出して援助しながら、いざという時は中国のことをよろしく、という動きをしています。特に今の習近平政権になってから力を入れています。

国際機関は、国の大小とか人口の多い少ないとは関係なく、一国一票です。あまりお金がなくて小さい国をたくさん仲間にしておくと、投票のとき票が増えます。

アフリカは国の数が多いですから、中国はかなりお金を注ぎ込み、アフリカの国々はかなり中国寄りと言われています。
 

テドロス事務局長は中立か?

WHOの事務局長のテドロス氏はエチオピア出身。
エチオピアへの海外からの投資の6割以上は中国からきていると言われています。

よって、エチオピア人は中国寄りと言われかねません。しかし、テドロス氏は国際機関のリーダーですから、それに関係なく中立にやることも可能です。

ただ、なぜ事務局長になれたかというと、これも投票です。その時にもアフリカの多くの人はテドロス氏に投票しました。

また、テドロス氏はエチオピアの政治家です。公衆衛生の博士号を持っているので、まったくの素人ではないですが、エチオピアの保健大臣、その後、外務大臣もしています。

テドロス氏が中立にやろうとしても、国際世論の中では「多少中国寄りでは?」という目で見る人もいます。
 

問題を抱えた3つのところ

今、そこにアメリカが絡んできています。アメリカは中国が嫌いなので、ここぞとばかりに中国の悪口を流しています。

中国にも問題があります。WHOにも問題があります。アメリカにも問題がありそうです。問題を抱えたところ3つがからみあっているので、ものすごくややこしいです。

その問題をここぞとより大きく言う人がいます。トランプ大統領と習近平主席です。

多田「本来は世界の人の健康のための組織なのに、そこへ二大大国が自分の国の勝手を持ち込んでいるのは由々しきことだと言えますね」

石塚「WHOに改革が必要なのは間違いないと思います。ただ、新型コロナで今、危機的状況で、アメリカがお金を引き上げるとか、それとこれを同時にやったら世界的なリスクはますます高まる気はします」

WHOは本来の目的を取り戻し、ひとつになって新型コロナウイルスに立ち向かって欲しいものです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年05月26日07時21分~抜粋

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