新型コロナウイルスが天気予報にも影響している、という話題です。
民間の航空機が飛ばなくなり、全国の気象予報士が困っているそうです。
5月13日放送の『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』では、その理由について、気象予報士の沢朋宏アナウンサーが語りました。
新型コロナウイルスで天気予報が外れる?気象予報士が解説
猫の髭で計測
沢「飛行機は安定して飛ぶために、自分の周りの風などのデータを観測しています」
さらに、そのデータが世界に送られ、気象観測に役立っているそうです。
旅客機は約1万メートルの上空を飛びながら、主に風向と風速を測っているんだとか。
沢「旅客機のパイロットさんが座るコックピットの周りに、ヒゲみたいな棒がぴょこんぴょこんって、実は出てるんです」
機首の部分にピトー管という計測装置が左右に2本ずつ、計4本ついているそうです。
長さは数十センチあるそうですが、見た目は猫の髭か、顎の下の不精髭のようなイメージです。
さらに、そのデータが世界に送られ、気象観測に役立っているそうです。
旅客機は約1万メートルの上空を飛びながら、主に風向と風速を測っているんだとか。
沢「旅客機のパイロットさんが座るコックピットの周りに、ヒゲみたいな棒がぴょこんぴょこんって、実は出てるんです」
機首の部分にピトー管という計測装置が左右に2本ずつ、計4本ついているそうです。
長さは数十センチあるそうですが、見た目は猫の髭か、顎の下の不精髭のようなイメージです。
ピトー管の役割り
パーソナリティの多田しげおがその言葉に反応します。
多田「ピトー管って筒ですよね。零戦の時代は、この筒の中を通る空気の速度を観測して、何キロで飛んでるか計ってた。そういうもんだと思ってましたけど、それだけではないんですね?」
沢「その空気が、何キロの速度で飛んでるんだってのは要は風速なんですよ」
多田「あっ、なるほど」
風に向かって何キロで飛び、地上で何キロ移動したのかを計算すれば、風速が何キロかわかるということです。
多田「ピトー管って筒ですよね。零戦の時代は、この筒の中を通る空気の速度を観測して、何キロで飛んでるか計ってた。そういうもんだと思ってましたけど、それだけではないんですね?」
沢「その空気が、何キロの速度で飛んでるんだってのは要は風速なんですよ」
多田「あっ、なるほど」
風に向かって何キロで飛び、地上で何キロ移動したのかを計算すれば、風速が何キロかわかるということです。
温度もわかる
飛んでいる旅客機は閉鎖された空間ではなく、常に上空一万メートルの空気を取り入れて、それを温かくして機内に送り込んでいるそうで、外の気温はその時に計測可能。
飛行機に乗ると、それぞれの席の前にモニター画面があって、機外の温度や気温が表示されています。
沢「その観測は機内を快適に保ち、安定に運航することができるようにするためであり、そのデータをそのまま周りに送信して、各国が受信し、それぞれの国の気象予測に役立てているんです」
飛行機に乗ると、それぞれの席の前にモニター画面があって、機外の温度や気温が表示されています。
沢「その観測は機内を快適に保ち、安定に運航することができるようにするためであり、そのデータをそのまま周りに送信して、各国が受信し、それぞれの国の気象予測に役立てているんです」
日本は島国ゆえ
WMO(世界気象機関)が数年前に出したレポートによると、旅客機が送ってくる高度1万メートルのデータは月に80万件。
そのデータが世界中に送信され、各国の天気予報に役立っているわけです。
この80万件中、日本が利用しているのは8万件。80万件のうちの1/10という多さです。
なぜ多いのかというと、日本の周りは全部海だからです。
沢「特に太平洋上のデータは観測のしようがないんですよ。台風が発生するんじゃないか?そんな状況では、フィリピン航路とかオーストラリア航路とか、さらに北米路線。そういったところから送られてくる情報ってめちゃめちゃ重要なんです」
そのデータが世界中に送信され、各国の天気予報に役立っているわけです。
この80万件中、日本が利用しているのは8万件。80万件のうちの1/10という多さです。
なぜ多いのかというと、日本の周りは全部海だからです。
沢「特に太平洋上のデータは観測のしようがないんですよ。台風が発生するんじゃないか?そんな状況では、フィリピン航路とかオーストラリア航路とか、さらに北米路線。そういったところから送られてくる情報ってめちゃめちゃ重要なんです」
飛行機が飛ばないと
新型コロナウイルスの影響で、現在世界中の飛行機便が通常の3分の1ほどに激減しています。
日本のJALも国際線は9割が運休中。月に8万件送られてきていた高度1万メートルの情報が減ると天気予報にも影響がでているんだとか。
沢「影響には二つの意味があります。一つ目。地上の観測しかなくて、洋上の観測がゼロとなると、南からの風がどんな空気を送ってくるのかわからないということ」
もう一つは予報・予想の精度への影響だそうです。
日本のJALも国際線は9割が運休中。月に8万件送られてきていた高度1万メートルの情報が減ると天気予報にも影響がでているんだとか。
沢「影響には二つの意味があります。一つ目。地上の観測しかなくて、洋上の観測がゼロとなると、南からの風がどんな空気を送ってくるのかわからないということ」
もう一つは予報・予想の精度への影響だそうです。
過去にもこんな事が
沢「6時間後にこうなるかな?といま立てた予想を、6時間後に観測をした結果と比べて、当たってるかどうか確かめるのが大事なんです。それによって今の計算式がちょっとずれてるから修正しようとなるわけです」
予想をしても、そもそもデータが得られないとなると、予想の正確度の低下が懸念されていきます。実際に、こういう事態が過去にありました。2001年のアメリカ同時多発テロ。911の時です。
あの時にアメリカは48時間、国内の飛行機は一切、飛ばさないという措置を取りました。
沢「アメリカの研究者によると、『3時間後の予測モデル』という気象システムの精度が落ちたそうです。実はこの空飛ぶ飛行機から得られる情報、今の気象予測の下支えの大きなアイテムなんです」
予想をしても、そもそもデータが得られないとなると、予想の正確度の低下が懸念されていきます。実際に、こういう事態が過去にありました。2001年のアメリカ同時多発テロ。911の時です。
あの時にアメリカは48時間、国内の飛行機は一切、飛ばさないという措置を取りました。
沢「アメリカの研究者によると、『3時間後の予測モデル』という気象システムの精度が落ちたそうです。実はこの空飛ぶ飛行機から得られる情報、今の気象予測の下支えの大きなアイテムなんです」
新型コロナウイルスの影響
沢「例えば、僕が100回予報を出したうちの5回しか外れてなかったのが、7回か8回に増えたとかそういうことがあり得る」
極端なものではないにしても、曇りが少し早くなるなどの予報のズレは出てきます。
気象観測技術は、今出した予報が6時間後に当たってるか?を毎日繰り返して進歩していくそうです。
沢「それが、今、ちょっと止まってる状況なんです。ということは、この進歩の停滞が長く続くと、3年後4年後にもっと進歩できてるはずだったことが、そこまで届かないとなってしまう」
新型コロナウイルスの感染拡大が、巡り巡って天気予報の精度をちょっと落としてる、という話でした。
(尾関)
極端なものではないにしても、曇りが少し早くなるなどの予報のズレは出てきます。
気象観測技術は、今出した予報が6時間後に当たってるか?を毎日繰り返して進歩していくそうです。
沢「それが、今、ちょっと止まってる状況なんです。ということは、この進歩の停滞が長く続くと、3年後4年後にもっと進歩できてるはずだったことが、そこまで届かないとなってしまう」
新型コロナウイルスの感染拡大が、巡り巡って天気予報の精度をちょっと落としてる、という話でした。
(尾関)
関連記事