多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

学校の9月入学、メリット、デメリットはなに?どっちがいいの?

9月を新学期とする案があちこちで賛否両論となっています。
5月12日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、「9月入学」を取り上げました。

新型コロナウイルスの感染拡大で学校の休校が続く中、「9月入学では?」という声があがり、国会でも取り上げられました。先日行われた各メディアの世論調査では、ほとんどのメディアで「9月入学に賛成」が多数を占めていました。

そもそも4月入学、9月入学とはどういうことか、そのメリット、デメリットなどを、CBC論説室の石塚元章特別解説委員に尋ねます。

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最初は9月入学だった!

制度として、何月から新学年にするかというのが、4月入学制、9月入学制です。

日本はもともと江戸時代、寺子屋、藩校などがありました。これらはいつ入ってもいい、通年入学です。

明治になって、学校制度を国が決めましょう、となりました。
最初は入学月はバラバラでしたが、統一しようとした時、一番多かったのはヨーロッパに倣った9月でした。
明治のはじめ、学校制度が完備され始めた頃は、日本も9月入学制のところが多かったのです。
 

会計年度が4月に

ところが、明治政府になって、財政で会計年度も決めました。
最初は10月始まりでした。その後、明治19年に初めて財政法が決まった時に、4月1日が会計新年度と決まりました。
会計年度も国によってさまざまです。

なぜ4月になったのかは諸説あります。
お酒の税金を納めるのに都合がよかったのではないかという説もあります。
 

徴兵令と学校制度

それに最初に反応したのが徴兵令。
都合がいいので、4月に徴兵制のチェックを始めることにしました。

すると学校が慌てました。学校を9月から始めると、4月に若者が徴兵されてしまうのです。
それで徴兵に合わせるため4月入学となりました。

要するに、元は会計年度。徴兵制度や学校制度がそれに摺り寄っていったのです。

これまでも何度か、9月入学が検討されたことがありましたが、いろいろとハードルが高いためうやむやになっていたという経緯があります。
 

メリット・デメリット

9月入学制の方がいい点は何でしょうか?

一番は諸外国、特に欧米が秋入学が多いので、留学をしたり、受け入れたりがしやすい。ひいては、企業においても優秀な人材を海外とやりとりする時に合わせやすい。

世界の中で春入学はインドなどごく少数派です。

オーストラリアは1月です。これは南半球なので1月は夏休み明け。これはヨーロッパも同じです。夏に長く休んで、秋から新学期です。

4月入学のデメリットは、入って仲良くなって、すぐ夏休みになります。学年の中程だから宿題も出ます。夏、なかなか自由な時間が使えません。

また4月入学だと入学試験の時に大雪だったり、インフルエンザの心配があります。
9月だとこれが解消できます。
 

やる気がハードルを越えるか?

慎重論、反対論をみると、一番大きいのは、これでもいいのに直すためのハードルが大きすぎることです。

今、どこに課題があるかを政府は調べ始めています。

実は、やる気があればそんなに大変ではないのではと思います。
会計年度とずれると言いますが、世界でみると、会計年度とずれる国はたくさんあります。

就職もありますが、「春に一括採用」は日本の弊害と言われていて、大企業など通年採用に変わっているので、一緒に変えていくいいチャンスとも言えます。

いくつかのハードルを越えていく手段さえあれば、メリットの方が多いかもしれません。
 

来年9月から正式スタート?

多田と石塚が話をまとめます。

多田「ずっとこれでやってきたから来年もこれで、新しいことは苦手です、という日本人気質が一番大きなハードルかも。えいやー!でやればいいのでは」

石塚「その時、慎重さは必要なので、ちゃんと何をどう変えたらいいかというチェックと議論は必要です。

今、出ている案で一番ありそうなのは、今年4月から入った人を来年9月まで今の学年をやってもらう。来年9月から正式にスタート。来年入学の人は9月に入るという方法が浮上しています。

政府も6月くらいにはとりまとめたいと言っています」

いろいろな人の意見を聞かなくてはいけませんが、こども視点でみると、もし夏休みの宿題がなくなるとしたら、一気に9月入学大賛成になりそうです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年05月12日07時20分~抜粋

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