大分県にはある食べ物を断つ、つまり食べるのを止めると、願いごとが叶うという神社があるそうです。
いったい、何を食べない代わりに祈願を行うのでしょうか?
4月17日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、「関アジ」「関サバ」で有名な佐賀関にある早吸日女(はやすひめ)神社を特集。
宮司の小野真一郎さんに、パーソナリティーの多田しげおが電話でお話を伺いました。
食べない物を紙に書いて奉納
その食べ物とは、タコ。
手続きの方法は、まず社務所に行き、タコ断ち祈願を行いたいと伝えた後、そこで白い紙が渡されるので自分でタコの絵を書きます。
そして、タコを食べない一定の期間を自分で決めて、御殿の中でその紙を貼って奉納し、願いごとを祈るという流れです。
もし絵が下手なので、自分で書くのはちょっと恥ずかしいという方は、絵馬のようにあらかじめタコの絵が書かれた紙を選ぶこともできます。
願いごとの中身は人それぞれですが、小野さんによりますと、ここしばらくは時期的に合格祈願や恋愛成就が多かったそうです。
どれぐらい我慢が必要?
では、この「タコ断ち」をする期間はどれぐらいなのでしょうか。
小野さん「自分で決めていただくというのが原則なんですが、最低でも1ヶ月ぐらいは口にするのを控えていただいて、断ち物をするということですね」
ごはんやパンだと1ヶ月断つのは難しいでしょうが、一見タコだと簡単そうに思えるのですが、佐賀関の方はよくタコを食べるのでしょうか。
小野さん「そういう方も多いですね。氏子さんの中には、この神社とタコの関係が深いということで口にしない方もいらっしゃいますが、お祭りの間だけ我慢するとか」
願いごとを叶えたいのであれば、その代わりにあることを我慢することという意味なのかもしれません。
神社ができたのは2700年前
そもそも、早吸日女神社とタコはどのような関係があるのでしょうか。
紀元前667年、神武天皇が宮崎から奈良へ都を移すために東征される途中で、今の豊後水道の中でも狭い豊予海峡に「速吸の瀬戸」と呼ばれた場所に立ち寄りました。
そこの海底の主といわれる大ダコが剣を護っていたのですが、その剣を神武天皇に渡し、それを御神体として良い国がつくれますようにと祈りを込めて早吸日女神社を建てたと伝えられています。
御神体である剣を護っていたタコもまた、神聖なものだと考えられているわけです。
ところで、氏子さんがタコを食べないというお話がありましたが、ということは、宮司の小野さんも…。
小野さん「小野家は代々、タコは食べてはいけないと伝わってまして。何かで調味料とかに入った時に口にしたことはあるかもしれませんが、意識して食べたことはないですね」
多田は「酢ダコもおいしいし、私は薄切りにしてバターのソテーとか……すいません。おいしいですよ!」とタコのおいしさを説明。
しきたりですので、ご家族の方も食べられないそうですが、小野さんも子どもの時は食べたいと思ったそうで、タコ焼きも中のタコを抜いて外側だけ食べたことはあるそうです。
最近は若い方の祈願も増えてきたそうですが、今後は新型コロナウイルスの収束祈願が増えるかもしれませんね。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年04月16日07時38分~抜粋