新型コロナウイルス問題に関連して、先月SNSで話題となったのが、「蘇(そ)」と呼ばれる古代チーズ。飛鳥時代から平安時代にかけて貴族などの間で食されたものと伝えられています。
一斉休校が始まり、給食用の牛乳が大量に廃棄される問題が発生した際に、牛乳を一度にたくさん消費できるレシピとして広まりました。
この「蘇」の他に、昔の日本にはどんな料理があったのでしょうか?
4月3日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、加藤由香アナウンサーが気になったという、昔の料理について調べたことを報告しました。
昔にもレシピ本が存在
以前、加藤アナは同番組で古代のチーズ「蘇」を作ったことを報告しています。それを機に、昔の料理はどんなものだったのか興味を持った加藤アナは、あらためて他にどんな料理があるのかを調査。
そして江戸時代にはレシピ本が現存していることを知りました。
有名なものとしては『料理物語』や、初心者向けの『素人包丁』、『料理秘伝記』といった本があり、これらにはいろんなジャンルの料理に関する調理方法が具体的に書かれています。
また、専門的なものでは、ご飯を使ったものを集めた『名飯部類』、豆腐料理ばかり載っている『豆腐百珍』というものもあるそうです。
さらには『柚珍(ゆうちん)秘密箱』という、何やら怪しげなタイトルのものも。
「柚」という字から想像できるかもしれませんが、ゆず(柚子)を使った料理本です。
実が小さな頃から黄色くなるまで、それぞれの状態に合った使い方を紹介しています。
ゆずというと、調味料のような使い方ぐらいしか思いつきませんが、実が小さな時は香辛料として、大きくなったら皮をそいで使うなど、さまざまな使い方を説明しています。
その他にも『大根一式料理秘密箱』というレシピ本もあり、当時は「秘密箱」というフレーズが流行っていたのかもしれません。
山椒の意外な使い方
昔の料理本で意外と出てくるのが香辛料だそうで、面白いのが今と少し使い方が違うところ。
例えば「りんごごま山椒」は、りんごを千切りにして、半ずりにしたゴマにたっぷりと粉山椒をかけたもの。
りんごのほんのりとした甘みと山椒の辛味がマッチしていて、少し鮮度が落ちてしんなりしたりんごでもおいしくなるのがポイント。
また、江戸時代にはすでに日本でもシナモンがあり、「肉桂(ニッキ)」と呼ばれていたのですが、シナモンを使った料理に「利休和え大根」というものがあります。
これは、ゆでた大根に黒ごまをすったもの、白みそ、みりんを合わせ、シナモンを加えたものですが、単なる風味づけというわけではなく、大根独特の臭みを消してくれるという効果があるそうです。
コショウを使った絶品レシピ
そして現代でも通用しそうなのが、コショウを使ったレシピ。
江戸時代にはうどんにも粒コショウをかけていたといいます。
実は七味とうがらしや一味とうがらしは、コショウよりもずっと後に生まれたものだそうです。
この現代でうどんにコショウをかけると周囲からおかしいと言われそうですが、むしろコショウの方が昔からの食べ方と言えるかもしれません。
他にもコショウはとろろなどにも利用されていたそうです。
そんな中でも加藤アナが興味を示したのが「コショウ飯」。
熱々のごはんに胡椒、少し醤油を垂らし、上から出し汁をかけたもので、「実際に食べてみたんですけど、おいしいんですよ!今でも十分通用するじゃない!」と絶賛。
今ほど保存技術が発達しておらず、手に入る食材も限られていた分、工夫されていたのかもしれません。
ここで昔の料理に興味を持ったので作ってみようとしたものの、「当時の資料は江戸時代の言葉で書かれているので、難しくて読めないのでは?」と思われるかもしれませんが、料理研究家の方が再現する方法をネットで公開しているため、簡単に作ることができます。
加藤アナは最後に「(外出が規制されていて、家に居る)時間がある今だからこそ、じっくりやってみるのもいいかな」とまとめました。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く
2020年04月03日07時40分~抜粋