多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「1まーい、2まーい…」番町皿屋敷のお皿が現存していた!

「1まーい、2まーい」と言ってお皿を数える怪談といえば、ご存知『番町皿屋敷』。

女中のお菊さんがお皿を割って主人にひどく叱られ、井戸に身を投げてしまい、幽霊となって現れるというお話ですが、この屋敷はどこにあるのか、有名な話のわりには意外と知られていません。

「番町」は東京の五番町ではないかという説、あるいは「播州」、今の姫路周辺ではないかという説もあるなど、実は全国に50か所ほど、似たような話があるそうです。

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彦根で伝わる番町皿屋敷、話の中身は…

4月2日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、その中の1つである滋賀県彦根市をクローズアップ。

長久寺というお寺にはなんと、全国で唯一、実際のお皿があるそうなんです。
そこでパーソナリティーの多田が、住職の松山貞邦さんに電話でお話を伺いました。

まず、彦根バージョンの番町皿屋敷は、どんな物語なのでしょうか?

彦根藩主の井伊家に代々仕えていた孕石(はらみいし)家で起きたできごとで、その屋敷に奉公していたのがお菊さん。

そして、その家の主人であった政之進は、実はお菊と恋仲になっていました。

しかし、政之進は早くに両親を亡くしていて、後見人の叔母が、生前両親が決めていた許嫁と結婚させようと急かします。

お菊は自分の恋が破れるのではないかと、気が気ではありません。

そこで政之進の本心を確かめようとして、先祖代々伝わる家宝のお皿10枚のうち1枚をわざと割りました。

政之進は不注意によるものだと思って特に強くいさめたりはしなかったのですが、お菊を問い詰めるうちにお皿を割った理由がわかり、自分が疑われたことに激怒。

残りの9枚も刀の柄頭で割った上で、お菊を手討ちにしました。
 

9枚の皿は今どんな状態?

…ということは、1枚足りないどころか、全くないということになるのですが、長久寺ではどのような形で残っているのでしょうか?

松山さん「もともと10枚入っていた箱があって、9枚しか残ってなかったんですが、聞くところによりますと、展示会などで回っていたところ、3枚紛失してしまったんですね。

当時の説明書には9枚のお皿と書いていますが」

では、残りの6枚は割れた状態で置かれているのでしょうか。

松山さん「今見ますと、ある時代に補修されたのか、きれいな形じゃないんですが修理の跡が残ってます。その中で1枚だけ、なんとか保存されてるという感じです」

全国各地で番町皿屋敷の話が伝わっていますが、お皿があるのはここだけということで、最も本物に近いと言えるかもしれません。
 

怪談というイメージが変わった

ではなぜ、そのお皿がお寺に保管されているのでしょうか?

お菊さんが亡くなった後、母親が供養をするため、お寺にお皿を持ってきたからだそうです。

ちなみに、孕石家の屋敷にも井戸がありましたが、ここでの話では井戸に身を投げたわけではありませんので、幽霊となって井戸に現れたというふうには伝わっていません。

その代わりといってはなんですが、屋敷の庭に御札を納めたほこらがあるそうで、昔は幽霊が出るという噂が広まっていたのかもしれません。

彦根では怪談というよりも、悲しい恋物語として伝わっているようですね。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年04月02日07時37分~抜粋

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