多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

環境悪化に効果?無洗米が注目を集める理由

最近、無洗米が注目を集めているそうです。
無洗米とは、洗わなくてもいい、研ぐ必要のないお米です。登場したのは1991年。
30年ほど前ですが、そんなに普及していないそうで、割合は業務用も含めて6%だそうです。

ところが、最近耳にする機会が増えたSDGs(エズ・ディー・ジーズ)=持続可能な開発目標を考えた場合、無洗米の方がいいんだとか。いったいどういうことでしょうか。

3月16日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、全国無洗米協会事務局の鈴木敬子さんに、多田がお話を伺いました。

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無洗米とは?

そもそも無洗米とはどんなお米でしょうか?

鈴木さん「普通のお米は玄米から精米すると、胚芽とヌカは取り除かれますが、表面にはまだ粘着性のあるヌカが残っています。このヌカを『肌ヌカ』といいます。

この肌ヌカがついたまま炊飯すると、ヌカ臭い、ボソボソとしたまずいご飯になります。
よって、普通のお米は肌ヌカを取り除くために研ぎ洗いが必要でした。

この肌ヌカを工場であらかじめ取り除いてあるのが無洗米です」
 

肌ヌカを落とす方法

肌ヌカをどうやって工場で取り除くのでしょう?

最もよく行われているのは、お米を大きなステンレス製の筒の中に入れて、それを回転させる方法だとか。

鈴木さん「お米を高速で金属の壁に接着させると、肌ヌカがはがれて、金属の壁にくっつきます。
この肌ヌカに別の米粒の肌ヌカが雪だるま式に次々とくっついていって、お米からはがれていく。これが繰り返されて無洗米となります」
 

研ぎ汁は環境によくない

無洗米の一番のメリットは研ぎ洗いする必要がないことです。時短という効果があります。

その結果、研ぎ汁が出ません。これが環境保全に大きな役割を果たすそうです。つまりSDGsに合致します。

逆に言うと、米の研ぎ汁は環境にかなりの悪影響を及ぼすそうです。どんな悪影響でしょうか?

鈴木さん「米の研ぎ汁には栄養分が多く含まれ、そのまま流すと海や川を汚してしまいます。

下水処理したらよいのではと思いますが、下水処理施設ではすべての物質が処理できるのではなく、リン、窒素、無機物は半分くらいは残って、そのまま処理水として流れていってしまいます。

余分なものが出ている富栄養価、栄養がありすぎる水です。これがプランクトンの栄養となり、プランクトンが増えすぎて、閉鎖的な水域では、赤潮やアオコの原因となります」

多田「例えば琵琶湖の水質の悪化の要因のひとつに、米の研ぎ汁があると言われています。なんとかしようということで、滋賀県は無洗米を推奨しようとしています。

そんなふうにSDGsにも合致するのでぜひ無洗米を使っていきましょうというのが、今出てきた大きな流れです」
 

無洗米は割高ではない!

30年前に無洗米が登場した時には「おいしくない」と言われていたとのこと。
しかし、次のことに気をつけて炊けば無洗米はおいしいそうです。

鈴木さん「無洗米は肌ヌカが取れている分、計量カップに入るお米が普通のお米よりだいたい3%くらい多いです。
だから、普通の炊飯器についているカップを使う時には、1カップあたりのメモリまで水を入れた後に、さらに大さじ1杯か2杯の水を足してください」

多田「今はそれ用の計量カップもできています。もともとのお米は同じですから、水加減をプラスすると無洗米も普通においしく炊けます」

精白米より3%くらい正味のお米が多いというのは大きなポイントです。

無洗米は5kgのものを比べると、普通の精白米よりちょっとだけ高価。
5kgで100円くらい高いですが、お米が3%余計に入っているということからすると、決して割高なお米ではないと言えます。

多田は最後に「さらに、手間賃、水代、などを考えると、無洗米は見かけ高めですが、実質はそんなことはないとも言えます。無洗米はSDGsに合致したお米です」と、まとめました。

無洗米を使うのは“手抜き”をしているような罪悪感を持つ人もいるのでは。「環境にいいから」と胸を張って使いましょう。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年03月16日07時20分~抜粋

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