多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

新型コロナ重症化?基礎疾患・持病のある方の心得

いま日本の政治・経済・教育・文化などすべてを巻き込んで警戒されている新型コロナウイルス。

多くの場合は軽症で済むそうですが、高齢者の方、持病のある方、基礎疾患のある方は、感染すると重症化する可能性があります。現在官民でとられている措置の多くは、こうした方たちへの感染を防ぐことが前提となっています。

3月2日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、重症化が懸念されるこれらの疾患について、洪内科クリニックの医院長、洪尚樹先生に電話で伺いました。

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基礎疾患と持病は違う

「持病」と「基礎疾患」という言い方がありますが、医学的には意味の違いはあるのでしょうか?

洪先生によると「持病」は、例えば高血圧、高脂血症、生活習慣病全般が入ります。

一方「基礎疾患」とは、以前新型インフルエンザが流行した時に、ワクチンを優先的に接種する基準として決められたものです。
例えば高血圧の人は、普通の人に比べてインフルエンザにかかりやすい、というわけではないので優先順位は低いとされました。

様々なワクチンができた時に、優先的に接種するのは「基礎疾患」のある人です。
 

「基礎疾患」の病気

今回の新型コロナウイルスも「基礎疾患」に入っている病気を持っている人は、他の健常な人に比べて重症化の危険性が高いと言えそうです。

では「基礎疾患」にはどういう病気があるのでしょうか?

洪先生「実は2つあります。かかっている病気そのものが免疫力が低下するとか、ウイルスにかかりやすい状態にある人。

もうひとつは治療にステロイドなど免疫力を押さえてしまうような薬を使わないといけない病気になっている人です」

前者の例としては糖尿病。血糖コントロールが悪いと、免疫力が低下します。
肺気腫など慢性の呼吸器疾患の場合、肺の換気が悪く風邪をひきやすいです。
免疫力が落ちる腎臓病、肝硬変などさまざまな病気が当てはまります。
 

治療していれば恐れる必要はない

一例として、糖尿病の人がかかりやすい理由を説明する洪先生。

洪先生「具体的に空腹時の血糖値が200を超えているような状態の人を診ると、その人の白血球(入ってきたウイルスを殺す細胞)の働きが落ちることがわかっています。結局、負けてしまって重症化することがあります」

しかし、洪先生は次のように強調します。

「たとえ糖尿病の方でも、きちんと治療していれば決してこういうことはありませんので、いたずらに恐れることはないです。

きちんとお医者さんにかかって、決められたお薬を飲んでいて、いい血糖コントロールを維持している方は、他の健常な人に比べて、感染のリスクが高いとは言えません」

糖尿病の方は日頃からお医者さんにかかって血糖をよくコントロールすることが大事だというわけです。
 

ステロイドは勝手にやめてはいけない

2番目の、病気の治療薬のために免疫力が落ちることがある病気とは何でしょうか?

洪先生「代表的なものはステロイドという薬を飲んでいる方です。腎臓病でネフローゼとか、突発性難聴の人も一時的にステロイドを使うことがあります」

ステロイドという薬は効果がある反面、副作用も強く、慎重に限られた病気に使われています。
ステロイドの持つ力のひとつに、免疫力を押さえる作用があります。そのためステロイドを服用していると、他の人に比べ感染を受けやすくなるそうです。

洪先生は次のようにアドバイスします。

「ただし、いたずらに怖がって自分の判断で勝手にお薬をやめてはいけません。そうすると元の病気が悪化して、さらにその病気にかかりやすくなります。

日頃からステロイドを飲んでいる方は、主治医の先生からこういう時はこうしなさいと指示を受けているはずです。

今回、こういった騒ぎで迷った時は、ぜひもう一度主治医の先生に確認していただきたいです」
 

まとめ

新型コロナウイルスを巡る報道では「糖尿病などの持病のある方は要注意」と言われますし、厚生労働省でも保健所での「相談・受診の目安」としてこれらの基礎疾患がある方を挙げています。

しかし糖尿病の方であればきちんと治療を受けていて、血糖値をコントロールできていれば心配はないとのこと。

またステロイドを普段から使用している方は、くれぐれも自分の判断に任せず、場合によって主治医に相談することが大切です。
 

ウイルスを入れない有効な方法

洪先生「私たちは日常茶飯事、細菌やウイルスに晒されています。しかし、私たちは免疫力といって、他人と自分を見分けて、他人に対しては攻撃するというシステムを体内に持っています。

手洗い、うがいをすると、体内に入ってくるウイルス、細菌の数が減ります。

少ないウイルスに対しては勝てます。大量のウイルスに晒されるとかなわないから、できるだけ入ってくる数を減らしましょう。
それに対して一番有効な方法は手洗い、うがいなんです」

コーナーの最後でも洪先生は「普通に手洗いとかうがいをきちんとしていただければ、むやみにおそれる必要はありません」と強調しました。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年03月02日07時16分~抜粋

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