多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

19世紀初頭の科学の結晶!所蔵3千点を超える日本万華鏡博物館

埼玉県川口市にある日本万華鏡博物館は、万華鏡の歴史が学べる世界で唯一の博物館だそうです。
国内外合わせて全部で3,100点の万華鏡を所蔵しているとのこと。

2月26日『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、万華鏡の世界について館長の大熊進一さんに聞きました。

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最初の万華鏡

「万華鏡は200年前、1816年、物理学者のデビット・ブリュースターという人が発明をしています。彼はスコットランド、エジンバラ郊外の地で誕生していますので、万華鏡はスコットランドの地で誕生したということになります」と説明する大熊さん。

現在、定番の万華鏡は、三枚の鏡を内側にした三角柱です。三角柱の底にビーズなどを入れて、逆の面から覗きます。ところがブリュースターさんが作ったのは鏡が二枚の万華鏡。V字を鏡で組んで、三角柱のもう一面は黒くふさいであったそうです。

「Vの字の起点のところから反射をしていきますから、丸く花が咲いたように見えるのが世界最初の万華鏡映像なんです。当時使われていた鏡はくすんだ感じが出てしまうので、美しさという点ではさほどではなかったんです」と言う大熊さんです。
 

当時の科学の結晶

万華鏡が発明されたのは19世紀の初頭。地球上を船が行き交い始めた時代です。

スコットランドの科学者ディヴィッド・ブルースターさんは、灯台の光を遠くへ届かせる研究をしていました。その過程で、鏡と鏡の間に美しい色彩ができたことから発明したのが万華鏡だそうです。

「19世紀の科学の歴史が全部詰まってる、と言ってもいいぐらいです」と大熊さん。

もちろんこの博物館にも1820年代に作られた万華鏡があるそうです。
簡単に手に取って見るわけにいはいきませんが、一見の価値ありとのことです。
 

貴族のお宝万華鏡

さらに、こんな変わった万華鏡も。

大熊さん「ネックレスとして19世紀にフランスの貴族が、自分のお抱え細工師に注文をして作らせたペンダントの万華鏡があります」

幅、高さ共に31ミリ。14金貼りで、トルコ石が並べられた真ん中にダイヤモンドが入っているそうで、まさに宝飾品。
さぞやお値段も…。

大熊さん「もうね、えー…ちょっと絶句するぐらい」

ちなみに、この博物館の万華鏡は1990年から30年かけて集められたそうです。もちろん全部、大熊さんの自腹です。

このペンダント万華鏡、31ミリと小さすぎるため、そのまま覗いても焦点距離が合いません。
そこで覗き窓に小さいながらも凸レンズをつけて焦点距離を修正してあるそうです。

大熊さん「科学だから理論通りきっちり作られる。万華鏡って発明されたその時点で、もう完璧だったということがわかります」
 

万華鏡の魅力は?

大熊さん「万華鏡の映像って、始まりもなければ終わりもない。ずーっと継続している中の、今その瞬間を見てる。今という時間を見てるのが万華鏡なんです」

万華鏡の映像を全部見終わるのにかかる時間を計算した人がいるそうです。それによると、20個のビーズを入れて6秒ごとに変化をさせると、4628億年かかるんだとか。さらに万華鏡の魅力をもう一つ。

大熊さん「100円ショップで売られている100円の万華鏡もあれば、なんと一つ100万円を超すような綺麗な万華鏡もある。この幅広さが面白い」

入館の際は、電話予約をすると優先してもらえるそうです。
歴史の説明をしながら見るコース、実際に万華鏡を作る体感コースがあります。ぜひ訪れてみてください。 
(尾関)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年02月26日08時12分~抜粋

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