多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

日本初!飛行時間3万時間達成のパイロット人生

奈良県奈良市の植野廣園(ひろぞの)さんは現在76歳。
全日空グループの航空会社で長年機長を務め、定年退職後も自家用機の操縦教官を務め、昨年12月15日に日本国内では初めてとなる"飛行時間3万時間"を達成しました。

2月17日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、多田が植野さんに電話で伺いました。

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3万時間は3年6ヵ月

3万時間というと私たちにはピンとこないですが、どれくらいの飛行時間なのでしょう?

植野さん「距離をよく聞かれますが、時速100キロ~時速700キロメートルと幅広い飛行機に乗っていましたので、距離は出せません。
しかし、一日24時間で計算すると、3年6ヵ月間空中にいたことになります」

78年の人生のうち3年6ヵ月間も地上を離れていた、と考えるとすごいことです。
 

飛行機の個性

植野さんは、愛知県豊山町に本社を置く中日本航空、中日本エアライン(現ANAウイングス)に所属し、中京エリアを中心に大型旅客機を操縦していました。
これまでには40種類以上の飛行機に乗ったそうです。

重量的に5700キログラム以下の飛行機については、どの飛行機でも乗れますが、旅客機の場合は機種ごとに新しく資格を取得しないといけないそうです。

植野さん「エンジンと翼がついていれば、ヘリコプターとグライダー以外はどれでも好きです。乗ると設計者の意図がわかってきます。特に新機種の時はどのような性能を持っているかわくわくします。

着陸が非常にやさしいとか、飛んでいても非常に安定性がいいとか、オートパイロットとのマッチングに非常にいいとか、そのようなものがうまくわかる時があります」

飛行機にもそれぞれ個性があるという植野さん。
 

飛行機の醍醐味

植野さんが飛行機を操縦したいと思ったのは18歳頃のこと。初めての飛行は21歳だったそうで、以来55年間に渡るキャリアです。
フライトの醍醐味はどういう時に感じるのでしょうか?

植野さん「ひとつは地上と違って、空には信号や一旦停止、スピード違反で捕まる心配をしなくていい(笑)。

もうひとつ、最高の醍醐味は、パイロットのみなさんほぼ同じ気持ちだと思います。
実は、通常の着陸は少しショックをつけないと自動制動装置が働かないです。静かすぎると手動で全部止めないといけない。

だけどパイロットとしては、いつタイヤがついたのかわからない着陸ができた時が最高の醍醐味です」

着陸が静かにできるとこんな反応があるそうです。

植野さん「年に数回あるかないかですけど、客席から拍手が聞こえたり、CAさんから『お客様が大変褒めておられました』と聞いた時はパイロット冥利につきます」
 

苦労が楽しみ

機長時代は名古屋空港(現・県営名古屋空港)、中部国際空港(セントレア)の滑走路を発着に使用していた植野さん。

植野さん「いずれも乗りやすかったです。小牧(名古屋空港)は昔から軍が作った飛行場の延長でしたから、街の中いろいろできましたから、最終進入コース、少し揺れが入りました。

セントレアは海上空港ですから、少し風が強いのがたまに傷ですが、着陸は4,000メートルありますから非常に楽でした。最後、水鳥には苦労しました」

乗客からはわからない苦労があるようです。

植野さん「それをうまくこなしていくのが、ひとつの楽しみです」
 

趣味と実益をかねて

昨年12月に3万時間達成した気持ちを伺うと…

植野さん「これは正直うれしかったです。日本のパイロットの方も皆さん3万時間が本当の夢だと思いますが、長年の夢がかなって感無量でした」

現在の植野さんは、大阪の八尾空港を拠点にパイロットの教官を務めています。

植野さん「今の楽しみは生徒がうまく育って、立派なパイロットになって、僕の記録を抜いてくれることです」

最後に「趣味と実益をかねて55年間、いいパイロット人生です」と語った植野さん、偉業を達成しても力まず、ユーモアを交えながら喜びを語ってくれました。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年02月17日08時12分~抜粋

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