多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

オリオン座の1等星に異変!近く超新星爆発!?

オリオン座の1等星である"ベテルギウス"が、最近暗くなっていることが話題となっています。
この現象は「星の一生」の終わりと言われています。

そこで、2月14日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の特集では、名古屋市科学館の天体係の毛利勝廣さんが「星の一生」を解説します。

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ベテルギウスの最後

「星の一生」はどのようにして終わるのでしょうか?

毛利さん「星がもともとの重さ、どれだけの量があるかによって、最後がすごく地味なものと華々しいのがあります。ベテルギウスは超華々しい方で、『超新星爆発』というのをします。
中で核融合がずっと起きて、最後はバランスを崩して爆発します。ベテルギウスの距離だと昼間も見えるくらいに明るくなります」

星の寿命はどれくらいなのでしょう。

毛利さん「ベテルギウスは星の寿命としてはかなり短い方です。大きい星は短い、小さい星は長い」

太陽の寿命は100憶年と言われています。
ベテルギウスの質量は太陽の20倍ほどですが、寿命は1,000万年くらいだと考えられており、極端に短いです。

毛利さん「いま最後の最後を迎えている。そうすると、あと100万年後くらいの間には爆発するだろうという話です。それが明日かもしれないですけど、いつになるかわかりません」
 

爆発するとどうなる?

明日かもしれないし、100万年後かもしれない。天文学の単位は気が遠くなりそうですが、爆発の時はどんな様子なのでしょうか?

毛利さん「ぐんぐん明るくなり、お月さまの半月くらいの明るさになり、それが続きます。何か月かは昼間も見えるくらいになります。
そして今度は冷えていって、2~3年経つと見えなくなります」

なんともドラマチックな最後ですが、地球には影響はないのでしょうか?

毛利さん「毛利さん「距離が500~600光年と言われているので、爆発しても実害はないと考えられています。観測はしやすいです」
 

観測できれば

「天文学としてはものすごく進歩するので、爆発して欲しい」と語る毛利さん。

毛利さん「実は私たちがここにいるという宇宙的な営みとものすごく関係があるので、これは現代の技術で観測したいです。
肉眼で超新星の爆発が観測されているのは、300年以上前なので、当時の技術と違いますから」

私たちは天体ショーとして期待しますが、観測できれば天文学的な意義が大きいようです。
 

星の誕生

星の一生ということで、一方の「星の誕生」についても伺いました。

毛利さん「宇宙空間は完全に真空ではなくてガスやチリがあります。そういうものが濃いところがあります。濃くなると重たくなるからまわりのものを集めて、さらに重たくなる。

重力が強くなるとどんどん固まっていく。そうすると重力で真ん中が圧縮されて、熱くなり、ある一定の温度になると核融合反応が始まり光り出します」

星の誕生にはどのくらいの期間がかかるのでしょうか?

毛利さん「これは大きさで変わります。数百万年とか1千万年とか。小さい星はゆっくり星になっていきます」

質量によって寿命は全く違うようです。
 

超新星爆発の副産物

ガスやチリはもともとはどこから来たものでしょうか?

毛利さん「宇宙が138憶年前にできた時には水素、ヘリウム、ほんのちょっとリチウム、ベリリウムがあっただけで、あとの元素はなかったです。酸素もないし、水もないし、カルシウムも鉄もない。

その後、何回も何回も生まれた星たちが超新星爆発をしている。その時に超新星になるような大きな星は鉄までは作ります。その後また爆発を繰り返してだんだん重い元素を作りためてきました。その状態で我らの太陽系はできました」
 

そして、新しい星が

多田はベテルギウスの爆発の後についても思いを馳せます。

多田「ベテルギウスがもうじき爆発して、星は終わります。しかし、爆発した欠片がまたどこかで集まって新しい星になるということですか?」

毛利さん「星が最後を迎えたと思うと、それがまた次につながってきます」

多田「つまり輪廻みたいにずっと…」

毛利さん「138憶年の中でそういうことが繰り返されています。私たちの身体とか机とかも、どこかで星が作ってくれたから、いま私たちが存在することになります。
私たちの身体は全部どこかの星で光っていたのです。

だからベテルギウスの爆発を、きちんと天文学的に調べれば、我々の材料がどうやってできてきたか、そのプロセスを見ることになるので、ものすごく興味があります」

私たちの身体は全部どこかの星で光っていた…なんてロマンチックなことでしょう。
 

ベテルギウスの爆発はいつ?

最後に多田がまとめます。

「オリオン座のベテルギウスが、今まさに最後の爆発を迎えようとしています。天文学の単位では、これから100万年の間にです。
ベテルギウスの爆発が起こると、数年後にはオリオン座からその星がなくなります。
星の一生はものすごく長い一生ですが、最後の終焉はほんの数年で起きます」

毛利さんは「それが見られる可能性はゼロではないです」と期待を込めて語りました。

今度、夜空を見たら、オリオン座のオレンジのベテルギウスを探して、それが少し暗くなっているのを確かめてみましょう。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年02月14日08時13分~抜粋

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