多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

沖縄本島では桜は北から咲く!?桜前線の謎

日本気象協会が2020年の桜(ソメイヨシノ)の開花予想を発表しました。3月20日の福岡県が最も早く、その後桜前線は北へと上がっていきます。

2月7日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、気象予報士でもある沢朋宏アナに、沖縄の桜(カンヒザクラ)に関するこんな質問が寄せられました。

「沖縄では桜が北から順番に咲いて、南へ下って行くって本当ですか?」(津市・Aさん)

この摩訶不思議な現象について、沢アナが解説しました。

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理由は「休眠打破」にあり

この質問に、「沖縄本島の桜前線は北から南へ下がっていきます」と沢アナ

沖縄本島の北の端と南の端では1度ほど平均気温が違います。
つまり、寒いところが先に咲き、暖かいところが後に咲くという謎の現象が起こっているのです。

 「今までずっと聞いてきたこととは全然違う現象が…」と戸惑う多田しげおに、沢アナが詳しい解説を始めます。

沢アナいわく、この謎を解くカギは、「桜はなぜ咲き始めるのか、咲こうとするスイッチが入るのか」ということ。

これに多田は、桜が開花するための「休眠打破」という言葉を思い出します。

「休眠打破」とは、桜が休眠から目覚めるためには一定期間冬の低温にさらされる必要があるという意味の言葉です。 
 

「うっそー!もう春?」

「その『寒くなる』が、『ちゃんと寒く』なければ、最初のスイッチが入らない」と沢アナ。

 沖縄本島の南の方では、冬であってもそれほど寒くならないため、桜は寒さを経験しません。

寒さを経験していない桜というのは、なかなか目が覚めない桜になってしまうというのです。

「つまり休眠打破してない。沖縄本島、南部の方ではそこまで気温が下がらない。休眠打破しなかったら、ずっと咲かないというわけでもないんですか?」と尋ねる多田に、「実はスイッチは2つあって」と解説を始める沢アナ。

「一旦寒くなって休眠打破した桜は、『わしゃ起きなアカン!』となって、せーのでぶわっと綺麗に咲く。休眠打破してない桜は『うっそー!もう春?』と、無理やり起こされるような感じになるので、ぱらぱら咲き始めて満開にはなりにくい。とはいえ、咲くは咲く」

この休眠打破のシステムにより、沖縄では北部が先に咲き、南部が後に咲くのです。
 

平年より早く咲く地域

全国的にかなり暖冬の今年。
日本気象協会の開花予測を見ると、この沖縄の現象に近いことが起きているようです。

開花予想で一番早いのは福岡県、次いで東京、そして名古屋と続きます。

「高知も名古屋と同じ。高知ってたいてい、いつも一番じゃない?」と、その不自然さに気づいた多田。

福岡、東京、名古屋の桜は、平年よりも早めに咲き始める予想が出ています。

「ある程度の寒さを経験しているので休眠は打破できている上に、暖冬プラス暖春で一気に暖かくなるから、『目を覚ますぞー!』モードになっていくわけです」と沢アナ。

逆に高知は、平年差プラスマイナスゼロ。
さらに鹿児島は3月31日と、なんと平年より5日も遅い予想です。
 

満開にならないかも?

多田「沖縄本島南部と同じようなことが起こってるわけですか?」

沢「あまりにも冬が暖かすぎたので、目が覚めるほどの寒さを経験できてないんじゃないかな?っていう可能性が考えられます」

記録的な暖冬であった2007年。
東京都に位置する八丈島では、桜は開花したけれど満開の発表がないという珍事が起こりました。

同じく暖冬の今年は、四国の南部や九州の南部では満開にならない可能性も考えられるのです。

こういった桜の仕組みを頭に入れつつ今年の桜前線の動きを見ていくと、「ああ、なるほど」と楽しめるかもしれません。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年02月07日08時05分~抜粋

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