最初は売るつもりがなかった!?
製造元である戸村フーズは、1965年(昭和40年)に宮崎県日南市で創業。
「戸村本店の焼肉のタレ」は、通称「戸村のタレ」と呼ばれ、宮崎県ではシェアが5割、日南市に至っては9割を超えるのではないかというほど、宮崎県民の生活に根付いています。
そのお味は、土屋さんによりますと、「りんごやバナナを使用しているため、フルーツの甘味や酸味が特徴で、南国っぽい味わい」とのことです。
戸村さんは最初、精肉店として出発していますが、焼肉のタレを製造するようになったきっかけはなんでしょうか。
土屋さん「創業者が精肉店を経営していた頃に、売れ残った肉をタレ漬けにして販売しようということで、それに漬けるタレを開発して。それを売り出していたら、お客様から『そのタレだけ販売してないの?』という質問があって。
当時はおたまですくって、ビニール袋に入れて販売していたということです」
最初はあくまでもお肉を売るために開発したものでしたが、あまりの人気でタレが主役になるという珍しいケースですね。
また、焼肉だけではなく、焼きそばや野菜炒めにも使えるとのことですが、土屋さんによりますと、カレーの隠し味に入れると、コクが出て良いそうです。
県内では有名!県外では…
こどもの頃から慣れ親しんでいる方も多いという、まさに宮崎県民の「ソウル調味料」。
ただ、東京では宮崎県のアンテナショップで販売されているものの、県外ではあまり販売されていません。
宮崎県民の方からすれば、県外の焼肉店に行くと、「なんで戸村のタレはないの?」と思うかもしれません。
土屋さん「宮崎から出ると、おそらく"ちょっとないのかな?"と思いますね」
多田「土屋さんも県外で焼肉を食べると、"ちょっと味違うぞ"ってな感じですね」
土屋さん「やっぱり思いますね」
多田「ひょっとして出張なんかで(県外に)行った時も、タレを持ち歩いてたりします?」
土屋さん「いや、そこまでは(笑)。ご当地の味を楽しもうというのはありますので」
さすがに焼肉店でタレを持ち込んで食べるということはないようですが、県外で違うタレを食べることで、あらためて味の違いがわかるかもしれません。
ちなみに、「戸村のタレ」は現在、3種類のラインナップがあり、定番のタレ以外に特撰ダレ、ワイン入りというのもあるそうです。
土屋さん「製造工場の人間は、意外とワイン入りが食べやすいと言ってたりはしますね」
日南市のほとんどの家庭の冷蔵庫には、戸村のタレが必ず1本は入っていそうです。
旅行などで宮崎県に行かれる際には、スーパーなどで買ってみてはいかがでしょうか?
(岡本)