多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

沖縄名産・アグー豚が危ない!?豚コレラ、再び猛威か

沖縄でもいわゆる豚コレラの感染が確認されていましたが、2月2日また新たに感染した養豚場が出ました。
2月4日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では沖縄の豚、アグー豚を取り上げます。

というのも、殺処分の対象となった豚にアグーのブランド豚も含まれていたのです。もし、アグーの純粋種に感染が拡大した場合には、アグー豚は絶えてしまうかもしれません。

琉球文化に詳しいCBC論説室の北辻利寿特別解説委員が説明しました。

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アグー豚の波乱の歴史

アグー豚とは、沖縄固有の在来豚です。
ルーツは600年前、琉球王朝の時代に中国から持ち込まれたと言われています。

日本で魚以外の肉を食べ始めるのは明治時代に入ってからですが、琉球ではその500年も前からアグー豚を食べていました。

姿かたちは、お腹が地面につきそうなくらいのユーモラスな体型です。
ただ身体は小さく、肉はあまり取れないそうです。
成長が遅いので養豚業にとっては効率が悪い豚でした。
 

雑種化と復活

そこからアグー豚の波乱の生涯が始まります。
明治に入って、他の豚との交配をして雑種化していきます。

さらに沖縄は第二次大戦後アメリカの占領下におかれました。アメリカの大型の豚を持ち込んで、西洋の品種と交配を繰り返して、さらにアグー豚は雑種化していきました。

多田「純粋のアグー豚がどんどんなくなってしまったんですね」

それでアグー豚はついえたと言われていましたが、1980年代、名護博物館が沖縄文化を保存したいと調べたら、島の中に30頭だけ純潔のアグー豚が残っていました。

そのうち18頭を北部農林高校に持ち込み、そこで雑種化を取り除き純粋化しようとする試みをしました。
1993年、ようやく純潔のアグー豚が再び復活しました。
 

アグー豚とアグーブランド豚

多田は「今、那覇市内でも『アグー』という看板がありますが、せっかく復活させたアグー豚を食べてもいいですか?」と、素朴な疑問。

北辻「アグー豚と食べているアグーブランド豚は別なんです。
アグー豚のおいしいところを生かしつつ、さらに肉の量の多い豚をと、再び食べるための交配が始まりました。それが今のアグーブランド豚です」

多田「アグーの純血種は残しています。そのアグー豚と普通の豚とをまた交配させて、肉がたくさん取れて、アグー豚のおいしさを残したものを作った。それがいわゆるアグーブランド豚で、那覇の市内で食べられるものはこれだと。ちょっと高いけどおいしいですよね」

北辻「なぜおいしいかというと、甘味がすごくあること。脂肪のとける温度が普通の豚より低いので、口に入れると脂がとろけてきます」

なお、北辻委員が一番好きなのは「塩焼き」だそうです。
 

『鳴き声以外全部食べる』

多田「琉球文化は豚を食べる文化ですよね」

北辻「昭和のはじめまで各家庭で豚を飼っていました。お正月とか特別な行事のときに、その豚を食べます。家族の一員的を食べるので、とにかく大切に食べる。『鳴き声以外全部食べる』と言われています」

多田「有名なのは豚の角煮『ラフテー』。それ以外に豚の足の部分は『てびち』。耳は『ミミガー』」

北辻「『ミミガー』の味付けは酢のモノとかゴマであえたりとか。胃と腸をだし汁で煮た『中身汁』。
『スーチカー』は豚肉の塩漬けで、保存食です。塩抜きした後に、大根と煮たり、チャーハンに入れたりします。非常においしいです」

北辻委員は「とにかく沖縄にとっての豚は大切な食材ですから、きちんと感染ルートのチェックなどをして欲しいですね」と熱望します。
 

感染ルートと予防策

しかし、海を越えて沖縄本島までどうやって感染したのでしょうか?

北辻「どうやらウイルスに感染した残飯を加熱させずに食べさせた。農林水産省の調査によると沖縄で見つかったウイルスは岐阜県のものと同じらしいです」

多田「ある意味、人が移してしまったのですね。反省しないといけないですね」

北辻「今後はワクチン接種が今月中旬から始まります。さらに、アグー豚の親豚を離れたところに隔離するなどの対策がとられていくと思います」

多田「純潔のアグー豚も守られていくだろうと」

最後に北辻は「苦労して復活させたものですから、きちんと守っていって欲しいです」と、強調しました。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年02月04日07時20分~抜粋

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