多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

阪神淡路大震災の起きた1月17日が「おむすびの日」である理由

1月17日は阪神淡路大震災の起きた日として記憶されている方は多いと思いますが、この日は「おむすびの日」でもあります。

1月17日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説の石塚元章特別解説委員が、パーソナリティの久野誠と山内彩加アナウンサーにおむすびについて説明します。

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おむすびの日

まず、なぜ1月17日が「おむすびの日」なのでしょうか。

1月17日は25年前、阪神淡路大震災が起きた日です。
あの時、被災者のためにボランティアの方がおむすびを握って、炊き出しをしたことで助かった方がたくさんいらっしゃいました。

そこで、災害を忘れずに、助け合う気持ちを忘れずにということで1月17日が「おむすびの日」と制定されたのです。

おにぎりorおむすび

「おむすび」は「おにぎり」とも言います。
阪神淡路大震災がきっかけで「おむすびの日」ということからわかるように、関西の方はどちらかというと「おむすび」という方が多いらしいです。

「おむすび」も「おにぎり」も基本的には同じものです。
某放送局でアンケートをとったところ、9割の日本人がどちらかというと「おにぎり」という呼び方をするそうです。

歴史上のおにぎり

歴史的には「おにぎり」という呼び方が早くからできています。
文献で残っているのは、奈良時代の8世紀に編まれた『常陸国風土記』という、常陸国(現在の茨城県)の文化や歴史を記録した史料に、「握り飯(にぎりい)」という単語が出てきます。

一方の「おむすび」ですが、江戸時代に宮中の女性たちが、ちょっと丁寧な言い方ということで「おむすび」という表現を使い始め、それを庶民が真似たと言われています。

「結ぶ」とは神秘的、宗教的な意味合いもあります。結界を結ぶ、しめ縄を結ぶ、縁を結ぶという言い方に「結ぶ」は使われます。
それがばらばらの米粒をぐっとまとめる、結ぶ…それを丁寧に「おむすび」と言ったのではないでしょうか。

儀式から携帯食に

1987年に石川県の遺跡で炭化したコメのかたまりが出土しました。
これは弥生時代、1世紀ころのもので、これが日本で最初に見つかったいわゆる「おにぎり」です。

作り方は葉っぱに巻いて蒸したのではないかと言われています。どちらかというとチマキに近いものです。
当時は宗教的な利用をしていて、供え物、神様に供えることが中心だったと思われます。

1221年の承久の乱では、幕府側の兵士が梅干し入りのおにぎりを持って出たという記録があるようです。それまでは持って歩いて行って食べるという使い方の記録はないです。

つまり儀式に使うことが中心のおにぎりが、持ち歩いて食べるものになったということです。

コンビニが進化させたおにぎり

海苔を巻くようになるのは江戸時代。
養殖のノリが作られるようになって、ノリが庶民も手に入るようになってからです。

その後、コンビニがおむすびの歴史を画期的に変えました。
1978年にセブンイレブンがフィルム式のパッケージを開発。つまりパリパリの海苔が食べられる。これを各コンビニが真似ました。

1980年代に入り、ツナマヨネーズという画期的な具が登場し人気商品となりました。これをきっかけに、コンビニを中心に具の開発競争が始まりました。

コンビニおにぎりで変わったこと

コンビニのおにぎりの登場で変わったのが、自宅で作るお母さんのものから買って食べるものになったこと。お茶と同じですね。

現在、コンビニで1年間に売れるおにぎりは、なんと60億個。
買って食べることで、日本人独特の歴史であったはずの「手で作って、冷えていても手で食べる」という、おにぎりの文化が変わってきています。

若い人を中心に手で作ったものを食べることに抵抗感が出てきています。
日本独特の文化が変わりつつあるかもしれません。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年01月17日07時21分~抜粋

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