多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

若い参拝者が急増!京都市の「アフロ大仏」

古都・京都市にはたくさんの寺院がありますが、その中に「アフロ大仏」と親しまれている仏像があるそうです。
文字通りアフロヘア―に見えるという「アフロ大仏」、本来の名称は「五劫思惟阿弥陀仏」で、京都市左京区の金戒光明寺というお寺にあります。

1月6日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、金戒光明寺の執事、橋本周現さんにお話を伺いました。

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アフロの理由は?

通常の大仏様の頭部には小さく巻かれた「螺(らほつ)」という髪の毛が巻いていますが、この「五劫思惟阿弥陀仏」はアフロヘア―です。
本体も髪の部分も石でできています。

多田「なぜこういうお姿になっているんですか?」

橋本さん「阿弥陀様の前身が法蔵菩薩という菩薩でした。阿弥陀仏になられる前に四十八の願をたてるために考えた時間が“五劫”という時間でした。

一劫が五つで五劫です。(落語『寿限無』で)“寿限無寿限無五劫の擦り切れ…”と言いますが、その五劫です」

多田「とても長い間、一生懸命考えてらっしゃった。その間に髪の毛が伸びたということですね」

一劫とは「四十里立方(約160km)の大岩に天女が三年に一度舞い降りて羽衣で撫で、その岩が無くなるまでの長い時間」だそうで、五劫はさらにその5倍ということになります。

そのように気の遠くなるような長い時間、思惟をこらし修行をされた結果、髪の毛が伸びた様子を表したのが「五劫思惟阿弥陀仏」だそうです。
全国でも16体ほどしか見られない珍しいものです。

ファンキーな仏像

「五劫思惟阿弥陀仏」が造られたのは江戸時代中期の頃と言われています。
「アフロ大仏」と呼ばれてはいますが、大人より少し小さめくらいです。

橋本さん「"大"仏とはみなさんが言われただけで…」

置かれている場所はお寺のお墓の中で、三重の塔があり、その階段を10段ほど上がった左手。最近多くの参拝者が訪れています。

橋本さん「ネット上で広がりまして、“ファンキーな仏像”とか、“アフロ地蔵”とか…わたしどもが言っているのとは別の方向で広まってしまいました」

多田「本当は『ちょっと違うんだけど』というお気持ちもありますか?」

橋本さん「そうですね。ですから、きちんとしたことをお伝えしないといけないと思い、『五劫思惟阿弥陀仏』と書いています」

橋本さんはこの人気に戸惑いつつも嬉しそうです。

アフロ大仏のご利益

多田「この『五劫思惟阿弥陀仏』様にはどういったことをお願いするとご利益がありますか?」

橋本さん「阿弥陀様ですから、自分の命が尽きる時、阿弥陀様にお迎えしていただくという教えです」

多田「命絶えた時に、安らかにお迎えくださいということなんですね」

この「アフロ大仏」をきっかけに、金戒光明寺には若い参拝者が増えているそうです。
SNSへの画像投稿などと合わせ、阿弥陀様の深い教えに触れるのもいいですね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2020年01月06日07時41分~抜粋

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