多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

味の決め手は地元愛?脂がとろける「あいち鴨」

12月13放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の特集では愛知県豊橋市の「あいち鴨」を取り上げました。
「東海三県食材の旅」と題して、東海三県のすばらしい食材を紹介する企画です。

澤朋宏アナウンサーが、「あいち鴨」を生産地まで出向いて、「あいち鴨」の特徴や生産への思いなどをレポートしました。

[この番組の画像一覧を見る]

最高級の評価「あいち鴨」

「あいち鴨」というブランドは生まれてまだ6年。すでに東京などで「国内最高級の品質」というお墨付きをもらっているそうです。

多田「鴨は独特のうまみがある鴨肉ですが、現実的にわれわれが食べやすいのは、鴨とアヒルのかけあわせの合鴨となりますよね」

しかも、鴨は渡っていくので、家畜として生産するには合鴨の方が適しています。

澤「『あいち鴨』は地元産の合鴨肉としては愛知県内で唯一。岐阜三重を含めても『あいち鴨』だけではないでしょうか。
ブランド化して生産販売しているのは、全国でも十数ブランドと、難しいそうです。
これが大きな評価を得ています」

ヘルシーでおいしい

生産しているのは豊橋で創業80年の歴史がある精肉店「鳥市精肉店」。

鳥市精肉店 営業部長の柴田博隆さんに、どんな特徴があるお肉か、伺いました。

「一番こだわっている部分は、雑味、えぐみがでないように赤身の上品な味わいを出すことです。

鴨特有の脂の部分は、不飽和脂肪酸という身体に蓄積しづらい脂が豊富です。それが多いことでとける温度帯が26度と、体温より低いので食べて口の中でとろける感触。体内でしっかり消化されてヘルシーなところが特徴です」

澤「とにかくうまい、特に脂がうまい。だけど、その脂が身体に溜まりにくい」

多田「ヘルシーでおいしいお肉ですね」

“beautiful meat”、「きれいになるお肉」とも言われるそうです。

見た目は「あひる」

澤が、豊橋の駅から車で15分ほどの飼育舎で、あいち鴨を見せてもらいました。

あいち鴨は見たところ真っ白な身体でくちばしが長く、アヒルにも似ている印象。

柴田さん「もともと合鴨ですが、マガモとアヒルを掛け合わせたものになるので、見た目がアヒルというのが特徴です」

大きさは、頭からしっぽまで40~50cmくらい、350羽ほどいます。
合鴨といっても、掛け合わせ方によって、アヒルそっくりになるそうです。

滋賀県でひよことして生まれ、60日間ほど生育されて若鳥の状態まで育て上げて出荷します。

毎日70羽ほど出荷し、年間で20,000~25,000羽。ブランドの規模としては大きくないそうです。

広い場所で平飼い

合鴨を飼育している場所は、鶏小屋という小さな家屋でなく、体育館くらいの広さ。
自由に走り回る広さが必要なので、ある一定量以上は生産が難しく、少量でいいものを作ろうということだそうです。

柴田さん「育て方の特徴としては、スペースが過密すぎるとストレスがかかって、鴨同士お尻をつつき合っていい鴨に育たないので、広い面積で飼っていることがあります。これは平飼いと呼ばれます。

平飼いの地鶏は『1平方メートルあたり10羽以内で飼ってください』と農林水産規格で定められていますが、合鴨の場合は、その10倍以上の面積で飼うようにしています。そうでないといい鴨が育てられないと、われわれは判断しています」

涼しい海からの風

ほかにも、東三河豊橋という環境がポイントだそうです。

柴田さん「年間通して安定した気候。海からの涼しい風が通ります。鴨は熱さに弱いので、ちょうどいい気候です」

鴨は暑さに非常に弱く、暑いとすぐに水を飲む。水を飲むと肉質が変わるそうです。

柴田さん「水ばかり飲んで、合鴨の特徴である胸肉の赤色が出なくなります。あのワインレッドをいかにきれいに出すかが苦労するところです」

手作業でていねいに

加えて消費地、人口集積地がすぐ近くにあるのもポイントです。
合鴨を飼っている場所から処理する場所まで車で10分。非常に新鮮な状態でお肉にするまでの加工を終えることができます。

澤「羽をとるのも手作業で行い、最終的な確認であるピンセットでチェックするという細かな作業も手でしています。機械でするとお肉の表面に傷がつく。ここにこだわりがあります」

丁寧に仕上げられたお肉だとわかります。

ワインレッドがうまさのしるし

実際にお肉の見た目は本当にきれいなワインレッドです。これはエサをしっかり食べている証拠で、肉の味にもつながります。

澤「皮の部分もすごくボリュームありますね」

柴田さん「鴨は脂もおいしくてコクがあるので、そこが厚い方がいいとされています」

聞くだけで、だんだん食べたくなりますね。

実食タイム!

いろいろおいしい理由を伺いましたが、大事なのは実際の味です。

多田、澤、アシスタントの山内彩加の前には「あいち鴨」でつくった鴨鍋を用意されました。感想は…。

山内彩加「濃い甘味、脂もおいしい」
多田「脂のうま味がお汁に存分に出ていて、鴨肉はさっと火を通すくらいです。久しぶりや、こんなおいしいもん」

二人ともむしろ無口になって食べ、大満足のようです。

世界の「あいち鴨」へ

「あいち鴨」は6年前からできたブランドです。実は当時からほかに合鴨を育てている農家さんが豊橋にいらっしゃいました。その中でブランドガモに育てあげていったいきさつを伺いました。

柴田さん「国産の合鴨という形で仕入れをしていましたが、そこがおやめになった。ということはこの愛知県から食文化として鴨がなくなるということ。それが残念で、とにかく途絶えさせてはいけないと思いました」

多田「いろんなところで地元愛を感じますね」

今後の夢も伺いました。

柴田さん「“あいち”という名前をつけたのも愛知県で唯一の合鴨ブランドということもありますが、今後は世界に打って出たいな、と。

今はフランスなどの鴨の輸入量が多いので逆に日本の鴨がこれだけ通用するというのをやっていきたいです」

澤「こんなすばらしいものにもかかわらず、柴田さんたちが手掛ける前は名もない国産合鴨でした。これはもったいないということで地元のブランドにしてみようということでした」

おいしい鴨を支えていたのは地元愛だったのですね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2019年12月13日08時13分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報