1877年12月6日、アメリカの発明家トーマス・エジソンが、自ら発明した蓄音機で音を録音・再生することに成功しました。
このできごとから、一般社団法人・日本オーディオ協会が12月6日を「音の日」と制定しています。
12月6日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N 』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が「音」をテーマに取り上げました。
日本人は擬態語が得意
石塚が注目したのは、言葉の世界で重要な役割を果たしている「音」。
「ワンワン」「ニャーニャー」「ブーブー」など、ものが発する音などをそのまま表現した語句を「擬音語」。
状態や心情など音のしないものを音で表現した語句を「擬態語」。
そしてこの擬音語と擬態語を合わせた「擬声語」を「オノマトペ」といいます。
実は、日本人は擬態語が得意だと言われています。
「小川がさらさら」と例をあげる多田しげおに、「汗がタラーっ」「ショックを受けてガーン!」と返す石塚。
このほかにもキラキラ、ツルツルなど、音で表すことで表現を伝わりやすくした言葉が擬態語です。
胃の痛みを表すオノマトペ
お医者さんに症状を説明する時の言葉にも、擬態語が使われています。
胃が痛いことを表現するだけでも、キリキリ痛い、ズキズキ痛い、しくしく痛い、じんじん痛いなどさまざま。
これらの言葉を使うだけで、患者が自分の痛みの状態をお医者さんに説明することができるのです。
外国にもこういった言葉はありますが、日本のオノマトペの数は数倍から数十倍多いと聞いて、「わかりますね、日本人の感性ですね」と納得の多田。
日本人は、劇画やアニメなどで使われる「ボシュッ」や「ズビン」などのように、新しい擬音語を産みだすのも得意です。
先日この番組でも、人が泣いている様子を表す「ぴえん」という言葉が話題となりました。
ゴロゴロのいろいろな意味
さらに、同じ言葉なのに複数の意味を持つ言葉もあります。
例えば「ゴロゴロ」という言葉は、擬音語でいうとカミナリ。
しかし他にも、
大きな石ころが転がる状態をイメージするゴロゴロ。
「こんな話どこにでもゴロゴロしてるよ」と、ありふれた状況を表すゴロゴロ。
「家で映画を観てゴロゴロしていた」など、暇な時の状態を表すゴロゴロ。
目にゴミが入って痛い時のゴロゴロなど、同じ「ゴロゴロ」でもさまざまな意味と使い方があるのです。
しかし、なぜ日本人はこういった擬態語が得意なのでしょうか?
イザナギとイザナミが「こおろこおろ」
それは、さかのぼること日本最古の歴史書「古事記」。
この古事記の中で、すでに擬態語が使われていました。
「イザナギノミコトとイザナミノミコトが矛をどろどろとした海に差し込み、かきまぜて持ち上げ、ポタっと垂れたところに島ができた」
有名な国生みの神話ですが、この矛でかきまぜた時の音を古事記の中では、「こおろ、こおろとかきまぜた」と表現しているのです。
日本人の擬態語好きのルーツは、なんと古事記にあったようです。
(minto)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2019年12月06日07時23分~抜粋