11月30日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』ではエジプトを特集しました。
世界四大文明の発祥地のひとつとしてナイル川の流域に発展したエジプトですが、文明が起こった理由は、大河と太陽のめぐみと言われています。
その意味を気象予報士の澤朋宏アナウンサーに、また現在のエジプトの魅力をJTBの加藤さんに伺いました。
太陽のめぐみ
エジプトはアフリカの北東部、地中海に面しており、面積は日本の約2.7倍。人口は9,800万人で、カイロを首都としています。
エジプトに文明が起こった理由は大河と太陽のめぐみと言われますが、「太陽のめぐみ」とはどういうことでしょうか。澤アナウンサーの解説です。
「まずエジプトは毎日晴れです。曇り、雨があり得ない。
もうひとつ、エジプトは北回帰線の下にあります。つまり夏至の時は、真上から太陽が照らし影がなくなります。
夏至から始まり185日目には影がこんなに長くなる、というのを1年かけて繰り返し、それを何年も続けるうちに、その不思議にエジプトの人は気づきました。
そこで、世界で初めて"暦"が生まれました。今の太陽暦に一番近いと言われています。1年という概念やそれを356日に近い数で割っていたりします。
暦を作れば先々の予定を立てることができるし、過去のことを振り返ることができる。蓄積もすることができるし予測もできる。これは文明の発達にとって、とても有利でした」
大河のめぐみ
次は大河、つまりナイル川について。
ナイル川は全長6,000キロもありますが、源流と河口の標高の差は1,000メートルもないため、流れはゆったりとしています。
「なぜ砂漠にあんな川があるのか。答えは、源流がものすごく遠いジャングルだから。
ナイル川は1年に1回氾濫していました。
古代のエジプトの人にとって氾濫は毎年7月と決まっていました。その時だけ川から離れ、9月になると戻ります。
そこには上流から運ばれた肥沃な土地があり、肥料を使わないで農業ができました。
9月に元のところに戻らないといけないので、そこで測量の技術が世界で最初に発達しました。
さらに三角の土地、四角の土地など、幾何学の基礎が最初に生まれました。
エジプトは太陽と大河のめぐみのおかげで文化と文明が発達することができました。
面白い歴史と文化の宝庫です」
ピラミッド
次にJTBの加藤さん現在のエジプトの魅力を伺いました。
「まずはピラミッド。だいたい100基を超えるものが発見されています。
三大ピラミッドと言われるクフ、カフラー、メンカウラーという王様のピラミッドがギザという地区にあります。
クフのピラミッドは高さ140メートルを超え、ビルでいったら35階くらい巨大です。4000年くらいの間、世界で一番高い建物でした。
200万個以上の石を積んだものですが、ひとつの石でも何トンもあります。全体の形は四角錐で、非常に厳かな感じです」
これらピラミッドはおよそ4500年前に作られたものです。
内部に入ることができますが、もともとの入り口は閉鎖されているため、盗掘用の穴から入ることになるそうです。
「中には『大回廊』と呼ばれる高さ8.5メートルくらいの広い空間があり、その奥に『王の間』があります。そこには石棺がありますが、蓋もなく中には何もはいっていません。
他にも『王妃の間』や地下にもスペースがあったり、まだ発見されてないだろう空間があるということで、まだまだ謎に満ちています」
スフィンクス
ピラミッドというと、セットとしてスフィンクスを思い出す方も多いのでは?
「カフラーという王様のピラミッドの近くにはスフィンクスがあります。スフィンクスもいくつもあります。
もともとは神殿に行く道沿いに、神社の狛犬のように置かれていたものもあったようです。
スフィンクスは一枚の岩を掘り抜いて作ったものです。その中では、世界で一番大きいものと言われていて、高さは20メートルくらいです」
アレクサンドリア
エジプトでカイロに次いで大きい都市は、アレクサンドリアという地中海に面した風光明媚な港町です。
「非常に明るいリゾート地です。建物もヨーロッパの雰囲気でカフェも豊富です。海岸線は70キロくらいあり、シーフードもおいしく、ヨーロッパの人たちも滞在を楽しむ街です。
食べ物はケバブが有名で、ターメイヤというソラマメのコロッケ、コフタという肉団子、ゴマやナスのペーストをパンにつけたり、ヘルシーな料理が多いかもしれません」
暑い国なので食べ物の嗜好が心配という方もいるかもしれませんが、加藤さんによれば「日本人の食文化に合いそうです」とのこと。
謎とロマンに満ちたエジプト、一度は訪れてみたい国です。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2019年11月29日08時14分~抜粋