多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

日本では東山動植物園にしかいない、世界一怖いもの知らずの生き物

名古屋市千種区の東山動植物園には、国内で唯一となる動物「ラーテル」が飼育されています。

11月20日放送の『多田しげおの気分爽快!!』では、この「ラーテル」について東山動植物園の飼育第一係長、出口さんに伺いました。

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イタチと熊の間?

「体長が60センチから70センチぐらいの大きさで、尻尾の長さが20センチぐらいです。身体の色が黒で、頭の上から背中にかけて白に近い灰色ですね。
白黒の動物でイタチと熊の間みたいな感じですかね」と出口さん。

ラーテルは、太ったイタチというか、頭の小さいモデル体型の子熊のようなルックスの哺乳類です。
出口さんの言うように、最大の特徴は、頭の上から首、背中、尻尾あたりにかけて白っぽい灰色の毛でおおわれていること。実はこの部分に秘密があるそうです。

白い部分は硬い

ラーテルは、白に近い灰色の毛で覆われている部分の皮がぶ厚いのが特徴だそうです。

出口さん「首の周りの、動物が一番最初に噛むような場所がとても分厚いんです。すごく硬くて丈夫な皮膚で覆われていますので、軽く噛みつかれた程度では皮膚が貫かれることはありません」

ライオンやヒョウに襲われても致命傷に至らず無事だそうです。
それどころか繁殖期になると気が荒くなって、逆に立ち向かっていくこともあるんだとか。それゆえ「世界一怖いもの知らずの動物」とも言われています。

好物はプーさんと同じ

野生のラーテルはアフリカを中心に、アラビアやインドにも生息しています。
哺乳類、鳥類、小型の爬虫類から昆虫や果実まで食べる雑食。

毒を持つ蛇も食べてしまいます。
例え噛まれても、コブラ科のヘビが持つ神経毒には耐性があり、一時的に動けなくなっても数時間すると回復するというタフさ。
そんなラーテルが、一番好きなのは蜂蜜と蜂の幼虫。

蜂の巣を見つけて襲っては蜂蜜と蜂の幼虫を食べます。
そういったことからラーテルは別名「ミツアナグマ」と呼ばれていて、アナグマの仲間でもあるそうです。
このラーテルと共生関係にあるのがミツオシエというキツツキの仲間の鳥なんです。

本当はどんな関係?

出口さん「1700年代ぐらいに、ミツオシエがラーテルを蜂の巣まで導くということが観察されました」

その後、ミツオシエは、ラーテルが壊して食べた蜂の巣から、残りの蜜や蜜蝋を食べていたそうです。この例が哺乳類と鳥類の共生関係の代表として広く伝わっているんだとか。

いろんな研究者が研究していく中で、この共生関係に異を唱える研究者も出てきています。

出口さん「実はラーテル自体が、蜂蜜の場所を探しあてて蜂の巣を壊した後、ただ単純にミツオシエが集まってきてるという風にも観察できるっていうことなんです。今は、いろんな意見があって、どちらが正しいかの結論には至ってないようです」

ロマンとして見ると共生していた方がいいですよね。ただ蜂はえらい迷惑ですけども…。また東山動物園で、ラーテルがライオンや毒蛇と戦っている世界一怖いもの知らずの姿が見られるわけでもありません。昭和の時代にあったハブとマングースの決闘とは違います。

東山動物園に行ったら、ラーテルを探してみてください。 
(尾関)
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2019年11月20日07時21分~抜粋

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