多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

解剖医に聞いてみた。胃から大量の硬貨が出てきたワニの死因

先月下旬、名古屋市千種区の東山動植物園が、今年5月に死んだ同園のミシシッピワニ「ミッピー」を解剖したところ、胃の中から300枚以上の硬貨が出てきたと発表しました。

東山動植物園によれば、硬貨をたくさん呑み込んだことが直接の死因ではないそうです。

そこで、10月8日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、ワニの胃の構造や習性などを東山動植物園の獣医、玉村太先生に伺いました。
玉村先生は死んだミシシッピワニを解剖した方です。

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ワニは老衰で死亡

硬貨でなかったとすれば、ワニの死因は何だったのでしょうか?

玉村先生「60歳近い高齢だったので、老衰と判断しました」

死亡した「ミッピー」は、1965年(昭和40)に来園したので、死んだ時は54歳以上だったと考えられます。
これは人に例えると90~100歳になるそうです。

いずれにしても、硬貨をたくさん呑み込んだことが死因ではないとのこと。
解剖すると胃も非常にきれいで、他に病変もなく、老衰で死んだと判断されたようです。

石を飲み込む習性

では、ワニはどういうタイミングで硬貨をたくさん呑んだのでしょうか。

玉村先生「硬貨が落ちてきた瞬間、水面がパシャっとなります。それに反応して、魚か何かと間違えて呑み込んでるのではと思います」

ワニはもともと小石を呑み込んで胃にため込む習性があり、それが硬貨であっても負担ではないようです。
この胃に入っている石のことを「胃石」といいます。

玉村先生「胃石とは普通の石ですが、ワニはそれを生理的に呑み込む習性があります。これも胃の一部です」

胃石の目的

スタジオでは、多田が解剖して出てきた硬貨の写真を見ていました。
硬貨以外に硬貨に匹敵するほど大量の「胃石」もありました。

では、ワニは何のために石を呑み込んでいるのでしょうか?

玉村先生「人間だと咀嚼して飲み込んでそれを吸収します。ワニの場合は丸呑みです。強力な胃酸と消化液とで時間をかけて吸収するという仕組みになっています。
石でちょっとずつすりつぶして、消化の助けにするために呑み込んでいることです」

胃石をため込む理由はは他にもあります。
小石は結構重いため、潜水する時の重りにもしているからだそうです。

砂肝と同じ?

こうした胃石と同じものを持った動物は他にもいるそうです。

玉村先生「他の爬虫類でも、トカゲでも、砂などが入っています。
鳥も丸呑みする動物ですから持っています。鶏の砂肝を想像すればいいと思います」

身体の大きさが違うので石でなく砂になりますが、役目はまったく同じだそうです。消化の助けにしているそうです。

ただし、東山動植物園では「動物園の池ですから、賽銭がわりに硬貨を投げ込むのはやめて欲しい」と呼びかけています。
(みず)
 
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2019年10月08日07時20分~抜粋

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