もう10月になろうというのに、気候はなかなか秋らしくなりません。
9月27日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、気象予報士の澤朋宏アナウンサーがリスナーからの気象の質問に答えました。
Aさんからの質問です。
「我が家の庭に生えているヒガンバナ。去年に比べて約1週間遅れて、昨日開花しました。
さて、名古屋の気象台にある標準木はどんな植物が植えてありますか?」
生物季節観測
このAさんの質問に「そもそも『標準木』という言い方でいいですか?」と尋ねる多田しげお。
澤「『標本木』と言っています。名古屋の地方気象台にあるものは、サクラにウメ、イチウ、カエデ、アジサイ、ヒガンバナなどいろいろあります」
多田「1本ずつ植えてるんですか?」
澤「予備もあります。サクラは3本、4本あります。なぜかというと、枯れて別の木を持ってきたら、その個の性格が反映されます。だから、おいそれと変えられないので、予備を用意してある。
実は、これを『生物季節観測』と呼んでいます。いわゆる気温、湿度、風という数値だけでなくて、季節の移り変わりを植物と生き物(昆虫、動物)で見ていこうというものです」
地域による特性
多田「全国共通のものもあれば、その地域の気象台ごとのものもあるのでしょうね。沖縄と北海道では違いますか?」
澤「沖縄だけでしかしていない観測、北海道だけでしかしてない観測もあります。名古屋だけのものはないです。標準的な地域だということです。
ちなみに沖縄だけの観測はデイゴの開花。デイゴはTHE BOOMの『島唄』にも登場しますね。
北海道だけの観測はライラックの開花。長野と青森だけの観測はリンゴの開花。そういう地域の特性もあります」
約100種類の観測項目
主な観測種目を挙げてみると…
イチョウの紅葉・発芽・落葉
ウメの開花、カエデの紅葉、サクラの開花、サルスベリの開花、ススキの開花、タンポポの開花、ツツジの開花、
アブラゼミの初鳴き、ウグイスの初鳴き…
キアゲハの初見日、シオカラトンボの初見日、ツバメの初見日、トノサマガエルの初見日、
カッコウの初鳴き、カラマツの発芽、キキョウの開花、クマゼミの初鳴き…
実に100種類近くもあるそうです。
多田「桜が咲きましたよという風に、季節が移り変わってきたことをお知らせする標本になっているということですね」
ちなみに、気象庁が発表する生物季節観測のデータベースはインターネット上で見ることができます。
秋が遠い…
おたよりにあったヒガンバナは、北海道から石垣島まで、全国で22の観測点があります。
22の観測点中、お彼岸までに咲いたのがわずか4地点だそうです。
多田「つまりどんどん遅れている。今年はまだまだ夏が続いている。
名古屋地方気象台で秋が来たぞ、と示すものはヒガンバナ以外にはどんなものがありますか?」
澤「アキアカネの初見日が代表的な秋の指標です。まだ見られていません」
多田は「夏がまだまだ今年は続いていますね」と、長い夏を再確認しました。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2019年09月27日08時04分~抜粋