カレーに肉じゃが、ポテトチップス。夕食でもおやつでもなじみのあるジャガイモ。そろそろ北海道産の新じゃがが出回る時期になってきました。
そのジャガイモの芽に毒があるのはよく知られているようですが、他にも注意しなければいけない毒があるそうです。
9月11日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、ジャガイモの毒について、甲南大学特別客員教授の田中修先生に、パーソナリティーの多田しげおが電話でお話を伺いました。
緑色のジャガイモは危険!
ジャガイモはしばらく置いておくと芽が出てきますが、そこに毒があるために包丁の端っこやピーラーの側面でくり抜いて取り除いたりします。
しかし、芽以外でもジャガイモの表面が緑色になっている場合、その緑色の部分に毒が含まれているそうです。
その場合は表面を削り取って調理しなければならないのですが、そもそもこの緑色の部分の正体は何なのでしょうか。
田中先生「ソラニン、あるいはチャコニンというのが有名ですけども、その毒が入ってるんです。何で毒なのかという疑問があるかと思いますけど、それは人間が日常の活動をしている時には、身体の中にアセチルコリンという物質が作られたり分解されたりしながら、適切な量が保たれてるというのが大きな原因の1つなんですね。
ところがソラニンを食べると、このアセチルコリンを分解するのを防ぐんです。分解される方だけが止められると、異常な量になるんですね。そうすると吐き気がするとか、頭痛が起こるとか、発熱がするとか、もっとひどかったら脈が早くなるとか、血圧が低下するとか。心不全とか、死に至ることもあるという仕組みです」
ソラニンによってバランスが崩れ、悪影響を及ぼすようです。
毒を持つには理由があった!
では、どんな環境だとジャガイモの表面は緑色になってしまうのでしょうか。
田中先生「買ってこられたジャガイモも光に当てると緑色になってくるし、直射日光だけでなく、明るい室内に置いておくだけでも緑がかってきます」
よくジャガイモは冷暗所に置いておいた方が良いというのは、毒化するのを防ぐためということですね。
それならば、家庭で保存方法を注意しておけば良いと思いそうですが、実は家庭以外でも気をつけなければならない所があるそうです。
その場所とは、学校の菜園。学校で作ったジャガイモは、市販の物と比べて緑色になっている確率が高いそうで、田中先生によりますと、作り方に原因があるそうです。
田中先生「土寄せというのがあまり行われないんです。土寄せというのは(根っこの上から土を寄せてかけることを指し)、ジャガイモの芋の部分が見えたらアカンのです。
ジャガイモは茎が肥大した物で、茎は光が当たると緑に変わる性質があるんです。緑になると、ジャガイモにしては地上へ出てるという感覚ですから、食べられたらいけないので、有毒な物質をそこへ作ってくる」
自分を守るために、毒を作るということなんですね。
他の野菜にも毒はある?
毒により身を守ることはわかりましたが、それなら、他の野菜も防衛のための毒を持っているのでしょうか。
田中先生「植物にとっては、簡単に食べられたら敵わんので、たくさんの植物が毒を持ってますね。『身近な植物が有毒な物質を作ってる』っていう表現をされますけど、どれだけ強いかどうか、有名かどうかを別にし、ほとんどの植物が、動物から食べられないように、嫌な物質を持ってると考えていただいた方が良いと思います」
野菜の中には、食用部分でないところに毒がある場合もあるそうで、意外と毒を持つ物が多いようです。
最後に多田は、「例えば毒キノコとか、ある殺人事件に使われた植物とかは、ものすごい毒性を持った植物ということになります」とまとめました。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2019年09月11日07時17分~抜粋