多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

害獣を駆除して食用肉として提供する「罠師」の世界

最近は人間の生活圏に鹿やイノシシがやってくて、畑の農作物を荒らすといった被害が増えています。

8月31日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の特集のテーマは「罠師(わなし)」です。
聞き慣れない言葉ですが、罠を巧みに使って動物を捕まえる達人といった意味です。

津市の美杉町の山で罠師をしている古田洋隆(ふるたひろたか)さんにお話を伺いました。
主に害獣である山の鹿を捕まえ、解体して肉を売って、生計を立てている方です。

鹿から山を守る

古田さんは三重県津市美杉町の64歳。非常に健康的で精悍な方です。

祖父の代から代々狩猟家で洋隆さんで三代目。
鹿だけでも年間600頭を獲って生計を立てており、名刺には「狩猟家、罠師、professional trap hunter “スピリッツ”」とあります。

"trap hunter"とは罠で動物を獲ること。“スピリッツ”とは解体施設と販売施設の屋号だそうです。

多田「この名刺も杉でできています。美杉の山には鹿がたくさんいますが、木の皮を食べる害獣なんですよね」

古田さん「全国的に見ても、日本の杉、ヒノキは50年先には10分の一になると言われています。美杉は、今すでに鹿の食害でそういう状態になっています。だいたい10本に8本までは皮をむかれて商品にならない状態が起こっています」

多田「その鹿を駆除して、生計を立てるために、肉、皮を売っているわけです。
基本の精神は美杉の山を守ろう、林業を守ろうということなんですね」

自家製の罠

では「罠師」とはどういうものでしょうか。

多田「狩猟免許はどういうものですか?」

古田さん「罠と猟銃に大きく分かれます。あとは網の漁です。それは鳥、ウサギとかです。これは皆、国家試験です」

多田「罠は自分で作るそうですね」

古田さん「自分が考案した罠であらゆる動物…美杉では鹿、イノシシ、猿が獲れます」

多田「鹿の場合の罠はどんなものですか?」

古田さん「本体は塩ビのパイプで、獣道にしかけますが、本体はまるきり地面の中に埋めます。鹿が来てそれを踏んだら、直径15cmほどの円形のワイヤーが地面から飛び出して鹿の足を縛るというものです。そのまま鹿は逃げられません」

罠の仕掛け方

多田「ここが鹿の通り道だとわかるんですか?」

古田さん「わかります。例えば他県に要請されて高速(道路)を行きます。遠くに山脈が見えます。そうすると、獣道の大動脈の新名神、これが名神、名阪、ここがジャンクションだと、山脈を見ただけで、頭の中にカーナビのように地図が浮かび上がってきます。地形を見れば手をとるようにわかります」

多田「昨日鹿が通った、とかもわかりますか?」

古田さん「わかります。獣道は幅15~20cmの幅です。獣道を見て、足跡を見て、何日前にどのくらいの大きさのものでオスかメスが通ったかがわかります」

多田「大型のものだけを罠にかけるのはどうやって?」

古田さん「私どもの考案した罠は、重さの配分ができます」

多田「自分が獲りたい大きさの鹿の力に相当した圧力で跳ね上がるように調整するんですね?」

仕掛けは100%

多田「鹿はそこをうまく踏んでくれるんですか?」

古田さん「山の地形は道路と違って千差万別の起伏があります。鹿は木の根っこ、石は絶対踏みません。硬い所は避けて通ります。罠のところの15cm範囲内を踏ませるように、そういうものを置いていきます。奥が深いです」

多田「明るいうちに仕掛けて一晩待つわけですが、かかっている確率はどのくらいですか?」

古田さん「100%です」

さすがプロです。

居合抜きで血管を

多田「鹿は暴れるんですか?」

古田さん「私どもは肉を重視していますので、なるべく暴れないように、ストレスがかからないようにします。捕まった時は座って寝ている状態です。
それからが一番大事です。その場で差し止めて放血させます。

檻で獲ると檻にぶつかって内出血が出ます。そうなると全身に内出血の血が回ってしまいます。
すでに手負いになっている大きい鹿は70、80cmの角があります。瞬間的に自分に向かってきます。それを一瞬で食い止めて、居合抜きで心臓の左心室の血管をピンポイントで切り取ります」

生々しい狩猟の様子が伝わります。

おいしい鹿肉にするために

多田「一気に血を抜いて、その結果、臭くないお肉になるんですね。鹿肉の評判はどうですか?」

古田さん「ジビエは時間が経つと風味が臭みに変わってきます。それを自分の極意で100%回避しています」

多田「お肉になるまで時間はどのくらいかかりますか?」

古田さん「だいたい1時間半くらいで解体が終わります」

多田「早いですね。だからこそおいしい鹿肉になるんですね」

実食タイム!

金曜アシスタントの山内彩加アナウンサーが実際にローストした鹿肉を食べます。

「本当に臭みが全くなくて、めちゃめちゃおいしいです!」と絶賛。

古田さんは「この鹿は3歳のメス鹿、体温は37.5度。温度は貴重で風邪をひいてないか、病気にかかってないかがわかります」

古田さんの鹿肉は、東京にある三重県のアンテナショップ『三重テラス』のレストランでも提供されています。

古田さん「私どもの地域では特に40年ほど前から急激に鹿が増えました。国の政策で鹿を保護して、いまイノシシ1頭に対して、鹿800頭くらいになってしまいました。
増えた鹿が杉やヒノキの皮を食べる。皮を食べられた木は商品にもならず、立ち枯れしてしまう。山が荒れてしまう。

それと、鹿と事故に遭う交通事故が多発して大変なことになっています」

多田「おいしい肉を提供してくれることもそうですが、それ以上に美杉の山を、林業を守るためにも活躍してください。ありがとうございました」
(みず)
 
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2019年08月30日08時14分~抜粋

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