鹿児島県南九州市の釜蓋神社(かまふたじんじゃ)は、その名の通り「釜」に因んだ神社として知られ、戦前には戦場で砲弾に当たらないよう祈願する、出兵者や家族が参拝に訪れたことで知られています。
この釜蓋神社、参拝の仕方がとにかく変わっているそうです。
8月21日『多田しげおの気分爽快!!』では、釜蓋神社の管理委員会会長、福永一弘さんに聞きました。
ざっくり釜蓋神社
鹿児島県は南の方に二つの半島が突き出ています。東側が大隈半島、西側が薩摩半島です。その薩摩半島の南の方に南九州市という市があります。さらにその海岸沿いの海に突き出るようなところに釜蓋神社はあります。
釜蓋神社、正式名称は射楯兵主神社(いたてつわものぬしじんじゃ)。御祭神はスサノオノミコトです。
この神社の参拝方法がユニーク。お釜の蓋を頭に載せてお参りをするんです。
「お釜の蓋といっても我々の世代はすぐピンときますけども、若い人はお釜の蓋って何?かもしれません」と昭和24年生まれの多田しげお。
お釜の蓋は円形で木製の板です。真ん中あたりに、下駄をひっくり返したような感じで持つところがついています。これを頭に載せて参拝するというのですが…
ユニークな参拝方法
福永さん「拝殿前の第二鳥居というところから、拝殿の前にある賽銭箱まで約8メートルあるんですが、その間を、頭の上に釜の蓋を載せて参拝するという方法ですね」
蓋に手を添えてはいけないそうです。
福永さん「落とす心配があるもんですから、どうしても手が頭の横にいっている方が多いですよね」
お釜の蓋を頭の上に置いて歩く8メートルの距離は決して簡単ではありません。
福永さん「途中、ちょうど半分ぐらいのところに三段ほどの階段がありまして、そこでバランスを崩して落とす方が多いですよね。なかなか難しいです」
こう話す福永さんの口調はどこか楽しそうです。
お釜の蓋の大きさは?
福永さん「普通に頭の上に載せるのは、小さいものは直径が20センチ。中ぐらいのものは直径30センチ。一番大きいものは直径60センチです。普通の参拝では20センチか30センチのものを使います」
蓋は神社に数個用意されていますので、好きなものを使えばいいとのこと。
もちろん無料ですが、持ち帰り厳禁です。
直径60センチの大型の蓋、当然難易度は高く、参拝に使う人は少ないようですが、なぜこんな大きな蓋があるのでしょう?
福永さん「アベック用で作ったんですけれども…」
多田「アベック用?二人で載せるんですか?」
福永さん「そうです。二人で載せるんです」
多田「この方が難しいでしょう?」
福永さん「かなり難しくてですねえ、これはほとんど撮影用ですね」
そんなわけでインスタ映えはしそうです。
外国人にも人気
福永さん「日本各地からも来られてるんですけども、外国からも台湾とか韓国、中国、香港とか、近隣の方々がいっぱい来てますね」
こういうゲーム性のあるものは外国人にウケそうですが…。
福永さん「なんか面白がってやってますね。自分の国のお金を賽銭箱に入れてるもんですから、見れば、この国の人が来たんだってわかりますね」
ご利益は確実?
楽しそうに参拝するのは良いのですが、頭の上に載せたお釜の蓋をもし落としてしまったらどうなるのでしょう?
福永さん「何度でもやり直しできます。頭のちょうどいいところに載せないと、すぐ落ちるもんですから、なかなか難しいです」
この難関を見事にクリアして拝殿前まで行き、お賽銭をあげて、お願い事をするとどんなご利益があるんでしょうか?
福永さん「ここはスサノオノミコトという勝負の神様を祀っています。ですから勝負運が高くなると言われています」
そんなわけでスポーツ選手が試合の前に訪れることもあるとか。元サッカー女子日本代表の澤穂希選手も参拝に来たそうです。
澤さんは落とさずに拝殿前まで行ったのでしょうか?
福永さん「7~8年前ですから私も記憶がないんですけど、なんとかできたんじゃないんでしょうかね。優勝しましたから」
2011FIFAワールドカップで優勝したのですから、ご利益は間違いなくあるでしょう。
(尾関)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2019年08月21日07時43分~抜粋