松本市の旧開智学校が国宝に。あらためて「国宝」って何?

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / カルチャー

このたび長野県松本市の旧開智学校の建物が国宝となることが決まりました。

これを受け、7月23日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、あらためて「国宝」について取り上げました。

そもそも国宝とは何か、そして旧開智学校が国宝となった理由について、CBC論説室の後藤克幸特別解説委員が解説します。

国宝とは?

そもそも「国宝」とは何でしょうか?

「これは文化財保護法で定義されています。長い歴史の中で守られてきた貴重な財産を文化財といいます。
その中で重要なものが重要文化財です。中でも特に価値が高く、国民の宝となるものを国宝とします」

この文化財保護法が生まれた経緯について説明する後藤委員。

「戦争中、戦後の混乱の中で、多くの文化財が破壊されたり海外へ流出したりと危機的な状況が続いていました。
その中で、昭和24年に奈良の法隆寺で火災が発生し、金堂にあった貴重な壁画が消失しました。

これをきっかけに日本の文化財を保護する総合的な法律を求める声が国民の中で高まり、昭和25年に文化財保護法ができました」
 

国宝は1,116件

いま国宝として指定を受けた文化財はどのくらいあるのでしょうか。

「国宝は1,116件です。区分として美術工芸品と建造物の二つがあります。
代表的なものは、名古屋の徳川美術館が所蔵している『源氏物語絵巻』とか、奈良の唐招提寺の鑑真和上坐像など、絵画、彫刻、仏像などが美術工芸品の区分の中で890点。

建物は奈良の法隆寺、東大寺、京都の清水寺など、お城では、姫路城、松本城、犬山城など、建造物は226件です」
 

国宝に選ばれると大変?

国宝に選ばれると、どのような管理が義務付けられるのでしょうか?

「まず、適切に管理する義務があります。盗難や火事にあわないように管理すること。
湿気てカビが生えると大変ですから、価値が損なわれないような適切な環境で保存するという義務が出てきます。

あと、国民への公開義務もあります。できる限り広く国民に公開すると決められています。
建物は一般公開したり、物はちゃんとした博物館などの環境の中で展示する工夫が求められたりしています。

海外に流出しないように、輸出も禁止されます。

所有する人にとって一番大変なのは、修理したり、修復したりする時は、現状を変更するなら文化庁に届けて許可を得ることです」

愛知県犬山市の犬山城は、成瀬家の当主が代々受け継ぐ個人所有の国宝でしたが、2004年(平成16年)以降は犬山城白帝文庫という財団法人が所有することになりました。
これも維持の困難さが理由になっているそうです。
 

旧開智学校とは?

さて、今回国宝指定されることになった松本市の旧開智学校はどんな文化財なのでしょうか。

「長野県松本市にある明治時代の初期に建てられた古い小学校の校舎です。
明治5年の建築で木造二階建て。このデザインがおしゃれです。屋根の中央に八角形の塔がのっていたり、文明開化時代の空気を伝えるような西洋的なデザインを基調としています。
建築技法の中には漆喰塗などの技法も織り交ぜてあって、和洋折衷で文化的価値が高い、優れた建物といわれています。

実際、小学校の校舎として昭和30年代まで使われていました。その後重要文化財になり、今回国宝になりました。

築140年になりますから、これを機に近代教育の歴史を物語る、非常に価値が高い文化財ということで国宝になりました。
近代学校建築の建物としては、初めての国宝になります」

国宝となった松本市の旧開智学校、ぜひ一度訪れてみたいものです。
(みず)
 
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2019年07月23日07時24分~抜粋

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