多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

参院選は終わったが、まだまだ目が離せないこと

7月21日に投開票が行われた参議院選挙では、自民・公明の両党が合わせて71議席を獲得し過半数を上回りました。
さらに非改選議席と合わせても、参議院での過半数の123議席を大幅に超えるという結果となりました。

22日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が今回の選挙について解説しました。聞き手は多田しげおです。

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若者の安定志向

今回の参議院選の投票率は48%ほどと、前回の54%をかなり下回りました。

石塚「関心は極めて低かったようです。
ひとつは積極的に与党を評価するということではなく、消極的支持であること。
もうひとつは野党に入れるところがあまりない。野党統一をいろいろやり、一定の効果はあったが、野党側にも限界があった。全体に低調な感じの中での結果かと思います」

多田「各メディアの調査で、細かく比例区の投票先を分析すると、若い人が自民党に(票を)入れる。16年の参議院選挙からそれがはっきり出てきています。
今回、30代以下が自民党に投票したのは40%少々、60代以上では34%ほど。若い人の方が自民党に投票する。これはひと昔前では考えられなかった。安定志向でしょうか?」

石塚「そうだと思います。安倍総理が『安定なのか混乱なのか』という選択を提示していましたが、それが若い人にはまったんですね。「安定」だと。
逆にいうと、それに応えられるだけの力が野党になかった。どちらか選べと言われると、若い人ほど安定志向ということだと思います」
 

どうなる改憲

多田「いわゆる改憲勢力は、国会発議に必要な3分の2以上の議席には届かなかった。けれども、安倍さんは改憲にやる気を見せています」

石塚「具体的なやり方としては、数が足りないので、野党の誰かについてもらう。国民民主党あたりの中には、改憲をやってもいいという人がいないわけでもない。そういう人にこっちに支持してもらえれば3分の2になるのではと考えていると思います。

今回『改憲がテーマ』と安倍総理が言い、与党が勝った。改憲はやっていいと国民は言ったのではないですか、ベースのところを手に入れたと、安倍政権は解釈している」

多田「お墨付きをもらったという言い方で、改憲についてはギアを上げていくだろうということですね」

石塚「改憲と言ってもいろいろあって、九条をいじるのはいやだけど他のところはいいという人もいて、前向きに考えましょうという人が出てくる可能性はあります」
 

注目の『れいわ新選組』

多田「今回、山本太郎さんの『れいわ新選組』が注目を集めました。今回比例区で2人、特定枠を使って、議員を出しました。一人は難病の方、もう一人は重度障害のある方です。山本太郎さんはなかなかのものでしたね」

石塚「選挙戦術がお上手だったと思います。特定枠をれいわは上手につかいました」

多田「今回得票率が2%を超えたので、政党に認められます。代表の山本太郎さんの主張することが思いっきり単純明快で、これを支持する人がたくさんいました」

石塚「SNSの使い方が上手で、訴え方がわかりやすかったです。何を主張したいかがアピールできた。
立憲民主党は比例に市井紗耶香さんを持ってきた。元『モー娘』のタレントさんです。このやり方は『え、また?』という感じです。
れいわは同じ野党の中でも勝っていたと思います」

多田「新しいやり方でしかも訴え方がものすごくシンプル明快で。次の選挙は衆議院選挙ですが…」

石塚「山本太郎さんは今回3人目に入れればよし、入れなかったらそれもよしというくらいのつもりで。次を狙っていると思います。

問題点としては、また野党がバラバラになります。立憲民主党と国民民主党で、今回溝があったり、うまくいかなかったり。この後、どうするんだというところに、れいわが出てきた。

今回、自民・公明党かられいわに票が流れているのではないです。国民民主党や立憲民主党を支持していた人、あるいは無党派から流れた。ということは、またバラバラ度が高まったという見方もできなくはないです」

多田は「これからを見守っていきたいですね」と締めました。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2019年07月22日07時21分~抜粋

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