多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ウナギ、ムツゴロウ、エイリアン!?地魚をインスタント麺にする会社とは?

福岡県柳川市にある老舗の鮮魚店が、地魚を生かした独特のインスタントラーメンを販売し、話題となっています。しかもそのラーメンはウナギをはじめ数種類あるとか。

6月27日『多田しげおの気分爽快‼︎』では、製造販売元の株式会社やまひら(夜明茶屋)社長、金子英典さんに聞きました。

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うなぎの高騰がきっかけ

福岡県柳川市は水郷の街。船に乗ってのお堀巡り(川下り)で知られています。
食べ物ではドジョウを使った柳川鍋はもちろん、ウナギも有名です。
市内を歩くと「うなぎ」という幟がたくさんかかっていて、提供する店が数多くある街です。

そんな柳川でインスタントの袋麺「うなぎラーメン」が発売されました。ウナギを美味しく食べることが出来る街にもかかわらず、なぜインスタント麺を作ろうと思ったんでしょうか?

「数年前からウナギが高騰してるじゃないですか。で、うなぎ飯も高くなったんですよね。柳川せいろ蒸しっていうんですけど」

柳川のウナギ料理と言えば、その名の通り、ウナギとご飯をせいろで蒸した「せいろ蒸し」が有名です。

「昔は観光客の皆さんが食べてらっしゃったんですけど、高騰のために食べられなくて帰られる方も多くなったんです。ウナギの町としては、ウナギに触れてもらわずに帰らせるのはいかんやろう、みたいな感じで作りました」

ラーメンなら友だちにあげるお土産にも最適。一袋250円です。
金子さんの自信作、蒲焼き味です。
 

実は魚屋

ラーメンを作ったと言っても、そもそも金子さんの会社はラーメン製造の会社ではありません。
「魚屋なんですよね」と金子さん。
代々続く網元であり食堂であり、お土産屋さんでもあります。

「魚屋をやりながら飲食店を横でやってるので、スープとか出汁の取り方はわかるんですよ。麺を作るのがなかなか難しくて」

柳川は筑後平野と言う穀倉地帯にあたり、隣の町ではラーメン専用の麦「ラー麦」が生産されています。
ちなみにこのラー麦、福岡のとんこつラーメンに使用されています。
金子さんが、ラー麦の製造者に声をかけてラーメン作りが始まったんだそうです。
 

うなぎの前にムツゴロウ

「『うなぎラーメン』を作る前に『むつごろうラーメン』を作った経験があって、だからできたというのはありますけどね」

インスタント麺第1号「有明海 むつごろうラーメン」はなぜ開発されたのでしょうか?

「柳川は有明海の水揚げ港なんですね。有明海はムツゴロウが有名ですが10年ほど前に絶滅しかけたんですよ」

そこで保護区を作って2~3年獲らないようにしていると、みんなの協力のおかげもあり、ムツゴロウは増えたそうです。しかし…。

「増えたから昔みたいに獲ろうねって獲りに行ったら、市場がなくなってたんですよ。料理屋さんもメニューから外れて、家庭でもこどもたちはハンバーグの方がいい、みたいな感じになっちゃって。食べなくなったの」
 

関門海峡から出すな

「ウチは網元でもあって漁師さんを抱えてたので、『金子、お前どうすんだよ』って言われて、うわ~って考え込む中で『ラーメンみんな好きよね、じゃあスープ取っちゃろう。出汁作ったらどうにかなるやろう』みたいな感じで」

福岡県には博多ラーメンという名物もあるので、ラーメンのお土産として作ったのが「有明海 むつごろうラーメン」。この成功から、次はウナギでラーメンを作ったそうです。

「二匹目のどじょうならぬ"二匹目のうなぎ"なんですけどね」と、うまいこと言う金子さん。

「両方ともお土産として売れてますね。基本的に関門海峡から出すな、みたいな感じでやっているので、本当のご当地土産のようになってます」

地域限定にしたのが成功の秘訣のようです。
 

エイリアンもラーメンに

「むつごろうラーメンもうなぎラーメンも成功して、もっともっとラーメンを作りたくなるでしょう?」と尋ねる多田しげお。それに対する金子さんの答えは…

「実は作ってるんですよ。第三弾・エイリアンラーメン」

ムツゴロウ、ウナギ、と来て、次はエイリアン。これがインスタ映えして売れているんだとか。

「有明海にワラスボという魚がおりまして、これが都市伝説では『エイリアンのモデルになった』と言われている魚でございまして」

ワラスボとは鰻のような魚で鱗がなく、目は退化して、口には牙が並んでいます。
まさに映画『エイリアン』(リドリー・スコット監督)に出てきそうです。

「地元では『ハリウッドがパクった』と言ってますけどね(笑)」
 

食欲は湧かないけど美味い

この見た目がグロテスクなワラスボ、どんなスープがとれるのでしょう?

「真緑のスープなんですよ。食欲湧かないですよね。真緑のスープに麺が浮いてるんです」

しかし実際に口にすると美味とのことで、プレゼントやコンペのお土産、果ては罰ゲーム用に売れているそうです。

商品名もそのままストレートに『エイリアンラーメン』。

「話題性があって、お土産に買って行くわね。なかなか上手に商売してますね」と多田も感心しきりです。
 

三重県のラーメンも担当

こうして鮮魚店でありながら即席麺メーカーとなった夜明茶屋ですが、このノウハウを生かし、三重県のラーメンも作ったのだとか。

「PB(プライベート・ブランド)なんですけど、尾鷲市のまぐろラーメンを作ったんです。作って良いって言われたんで『頑張ります』って裏方で作ったんですよ」

これは「尾鷲港良栄丸 まぐろラーメン」(尾鷲物産)という商品名で販売されています。
尾鷲で水揚げされたマグロを粉末にしてスープに混ぜてあります。
さらに食べる直前にかけるマグロ粉末も付いています。

「その地方が元気になれば」という思いでラーメン作りに勤しむ金子さんに、「ラーメンを作り出す名人になってますね。ちょい自信あるんでしょ?」と尋ねる多田しげお。

この質問に「ちょっとはね。ハハハハハハ」と豪快に笑う金子さんでした。 
(尾関)
 
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2019年06月27日07時41分~抜粋

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