多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

氷見の寒ブリとハンドボールが合体!「ハンぎょボール」って何?

5月27日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、富山県氷見市を取り上げました。

氷見と言えば、冬の味覚・寒ブリが有名です。そして、ハンドボールが非常に盛んな地域でもあります。
その2つを大胆にも融合させた、謎の新競技「ハンぎょボール」が昨年誕生したそうです。

詳しい話を、氷見市教育委員会スポーツ振興課の福本さんに、電話で伺いました。
この日はパーソナリティの多田しげおが休みのため、代役の塩見啓一アナウンサーが聞き手を務めます。

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ハンドボール+魚でハンぎょボール

ハンぎょボールとは一体どんなスポーツなのでしょう?

福本さん「ルールはハンドボールと大体一緒なんですが、プレイヤーはブリをモチーフにしたぬいぐるみを、利き腕の脇に挟んでプレーします」

いきなり特殊な世界観が出てきました。これでは利き腕が使いづらくてボールがうまく投げられません。
そして、ゴールキーパーは両手の脇に釣り道具のウキ(のぬいぐるみ)を挟むんだそうです。こちらはボールをキャッチしにくいですね。

福本さん「やってみて確かに投げにくいんですけど、それがちょっと狙い目でもありまして。これはあくまでも“ゆるスポーツ”なので」

ゆるスポーツとは、社団法人「世界ゆるスポーツ協会」が創った新ジャンルで、年齢・性別・運動神経に関わらず、誰もが平等に楽しめるスポーツというのがコンセプトなんだそう。

福本さん「ゆるスポーツは、老若男女、スポーツが得意な人も苦手な人も、健常者でも障がい者でも楽しめるスポーツです。ハンドボール経験者と初心者との差がないように工夫して、利き手を不利にしてあえて投げにくくしています」
 

もはや抱き枕

投げにくいだけならいいのですが、全然投げられないとゲームが進行できません。ブリを落とさずうまく投げられるようになるんでしょうか?

福本さん「最初は皆さん、結構落としちゃうんですけど、慣れてきたらプレーに集中しちゃうんで、ぬいぐるみに汗が付いちゃうほどがっちりホールドして投げてて。意外にできますね」

ちなみに、ブリを落とすと「冷蔵庫送り」となり、一旦退場。相手がゴールを決めたら試合に復帰できるようです。

そう言えば、ブリの大きさはどのくらいなんでしょう?

福本さん「実はシュートを決めたら、ぬいぐるみの大きさがどんどん“出世”して大きくなっていくんですよ」

なるほど、ブリは出世魚ですもんね。
出世魚は大きさによって呼び名が違ってきますが、富山では「コズクラ」「フクラギ」「ガンド」「ブリ」の順で変わるため、ハンぎょボールでもそう呼ばれるんだとか。
なので関東の「ワラサ」や関西の「ハマチ」などは入ってきません。

コズクラのぬいぐるみは大体30cmぐらい。フクラギは約55cm、ガンドは約75cm、ブリは何と100cmにもなるそうです。
自分の身長の半分以上もあるような、抱き枕レベルのものを脇に挟むとは。

重みもちょっとあって、福本さんいわく「ブリぐらいになると、脇に挟んでる場合じゃないぐらい」だということです。
 

絶妙なゲーム設定

ゴールを決めていく度に、どんどん投げにくくなるのは理不尽な気もしますが・・・。

福本さん「最後は、(ゴールした得点プラス)そのぬいぐるみの大きさで合計点数を競います」

なるほど、大きくなるのは不利だけどその分点数が高くなると。
その点数の内訳は、こうです。

コズクラ 1点
フクラギ 4点
ガンド 6点
ブリ 7点

おや、なぜガンドとブリにあまり差がないのでしょうか?

福本さん「みんながコズクラからフクラギに出世した方が、得点が大きくなるんです」

例えば、Aチームの1人だけがブリまで出世すると、ゴールの3点+ブリ7点で10点。
対してBチームの3人がそれぞれフクラギに出世すると、ゴールの3点+フクラギ12点で16点。
残りのメンバーは全てコズクラの1点なので、合計するとBチームが勝てるわけです。

ワンマンチームよりみんなが頑張ったチームが強いという、これまた絶妙なゲームバランスですね。
 

知恵の結晶、ゆるスポーツ

見事な設定に塩見も思わず感嘆の声をあげます。
「すごく考えられてるじゃないですか。誰が考えたんですか!?」

福本さん「これは、氷見市でハンドボールを核とした『まちおこし推進協議会』というのを立ち上げてまして。そこで、市内の方々や体育協会の関係者の皆さん、世界ゆるスポーツ協会の方と一緒に、協力してアイデアを出しながら考えました」

世界ゆるスポーツ協会は、「こたつホッケー」「イモムシラグビー」「ブラックホール卓球」などユニークな競技を創り出しており、地域密着のコンセプトを組み合わせて「ハンぎょボール」ができたのでした。

氷見市は“ハンドボールの聖地”と呼ばれるほどで、毎年3月には「春の全国中学生ハンドボール選手権大会」を14年連続で開催しています。
そして今年はエキシビションとして、大人が参加する「春の全国中年ハンぎょボール選手権大会」が行われました。
(中年と中学生とをかけただけのようで、実際の参加資格は30代からです)

今後は、ハンぎょボールという競技がどんどん出世していくかもしれませんね。
(岡戸孝宏)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2019年05月27日07時43分~抜粋

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