中高年の引きこもりが61万人以上。社会復帰の方法はあるのか?

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / ニュース

半年以上に渡り、家族以外とほとんど交流せず自宅にいる「引きこもり」。
今年3月末、内閣府が年齢40~64歳の引きこもりが全国に61万人以上いると発表しました。
この問題にどう対応していけばいいのでしょうか。

5月24日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、愛知教育大学の大学院教育実践研究科准教授の川北稔先生をスタジオに招き「中高年の引きこもり」について特集しました。

「引きこもり」のきっかけ

川北「内閣府の発表ですが、中高年の引きこもりを男女別でみると、4人のうち3人が男性だったそうです」

多田「引きこもりのきっかけで多いのは何ですか?」

川北「一番多かったのは退職。次には人間関係があまりうまくいかなかった、病気、職場になじめなかったなどです」

多田「退職といっても定年退職ではないですね」

川北「非正規雇用という働き方の方も多いです。
仕事を転々とした後に、次の仕事を始めると本人も周りも思っていた。
ところが、なかなか見つからず、仕事をしない期間が長引いてしまう」
 

「就職氷河期」世代

川北「今回の調査で40歳以降の人を初めて国として調べました。
どの年齢層でも引きこもっている方はいらっしゃるという結果でしたが、今回、40歳~44歳の人数比が少し多かったことが注目されています。

この方々が20年ほど前、“就職氷河期”と言われたように、とても不景気で、望むような仕事に就職できなかった。
その後も非正規雇用や就職先が見つからないなどあり、それが今も影響していると考えられています」

多田「社会全体のいろいろなことの歪みがここに出ている、と言えますね」

川北「仕事、人間関係、病気など、きっかけは誰に起こってもおかしくありません。いつの間にかその方が孤立を深めてしまうところに課題があると思います」
 

いろいろなタイプ

多田「具体的な例はありますか?」

川北「仕事を普通にしていた方なのに、ある時仕事をやめた。一人暮らしだったけれど、実家に戻ってきた。
家族も次の仕事を始めるだろうと思っているうちに、いつの間にか3年、5年、10年と経ってしまったということがあります」

多田「その人はほとんど家の外に出なくなったのですか?」

川北「引きこもりといっても、今度の調査は、コンビニくらいは外出するとか、うちの中で家族とは話をするとか、あるいは、家族とも交流を断って自分の部屋中心で暮らしているとか、いろいろあります。近所くらいであれば外出できる方が多いです」
 

高齢化する親

多田「経済的にはどうしているんですか?」

川北「実質的には無職の方がほぼ全てです。親御さんと同居していれば親御さんが経済面を支えています。中には一人暮らしで引きこもっている方もいます。

40代以上となると、親御さんは高齢という実態があります。
今まで支えていた親御さんがいよいよ身体が不自由になって、逆にこどもから支えられるという立場になります。

ところが、こどもさんも引きこもり状態であれば、なかなか人との関わりがなかったり、大変孤立した状態で介護を営んでいる方も珍しくないです」

多田「そういう状況の人たちがたくさんいるんですね」

川北「以前にくらべると40代、50代で結婚しておらず、親御さんを頼る。親御さん世代は高度成長で比較的安定した経済基盤をもっています。
こどもの世代の方が、親御さんと同居したまま中高年期を迎えているのが多くなっているのは確かです」
 

働きやすい働き方を

多田「社会への復帰のポイントは仕事をすることと思います。就労支援はどういうことが行われていますか?」

川北「一般的に社会とのブランクが5~10年という中で、単に仕事をしていないというだけでなく、人が怖いという気持ちになっているので、徐々に人間関係から慣れていただくことが大事だと思います。

中には、発達障害の特徴が気づかれないまま、仕事で失敗を重ねてしまっていたり、職場で居場所がなかったり、雑談が苦手でストレスが大きかった人もいらっしゃいます。仕事をしている時から無理を重ねていたのではないでしょうか。

自分自身の働きやすい働き方を見直すことも就労支援で大事だと思います。

ブランクがある方が、いきなり週40時間働くよりは、この曜日だけとか、この時間だけとか、いろいろなパターンがあると一緒に考えていくことが大事です」
 

相談の窓口は?

多田「受け入れ側も難しいでしょうね」

川北「いまだに新卒一括採用という形で若い人の就職を優先するという文化もあります。

ただ、農業などで高齢化が進み過ぎて、人手があれば収穫できるのにそれができないとか、災害復興の現場で、若い人が来てくれてよかったとか、そういうニーズとマッチングしていくことも大事だと思います」

多田「マッチングを斡旋してくれるような組織はありますか?」

川北「若い人に限らず、生活困窮者の相談の仕組みが4年くらい前からあります。
自治体ごとに窓口がひとつはあると思います。まず市役所、区役所にお尋ねになるといいと思います」

多田「社会として、なんとか解消するよう支援していかないといけないですね」

川北「その人に寄り添ってて、その人の苦手なことややりたいことをひとつずつ解きほぐしていくような関係が大事だと思います」

多田は最後に「社会の優しさが試されることですね」と、まとめました。
(みず)
 
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2019年05月24日08時15分~抜粋

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