25日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに人工クレーターを作ることに成功したと発表。その映像を公開しました。
4月26日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の特集は、シリーズ「天体の不思議」第9回。
公開された画像をみると、リュウグウには直径10メートルほどのクレーターが作られています。名古屋市科学館の天文係 毛利勝廣さんに伺いました。
はやぶさ2、小惑星に人工クレーターを作った方法とは?
「はやぶさ2」とリュウグウ
「はやぶさ2」は2014年12月3日に種子島から打ち上げられ、リュウグウに到着したのは4年後の2018年。
リュウグウは、今は地球から3億キロほど離れたところにあります。
「はやぶさ2」が到着したのは、リュウグウの上空20kmの位置。リュウグウと横並びになって並走し、太陽の周りを回りながら地球に通信を送り続けています。
そして今年(2019年)2月、「はやぶさ2」はリュウグウへの一回目の着陸に成功し、砂などを採取しました。
リュウグウは、今は地球から3億キロほど離れたところにあります。
「はやぶさ2」が到着したのは、リュウグウの上空20kmの位置。リュウグウと横並びになって並走し、太陽の周りを回りながら地球に通信を送り続けています。
そして今年(2019年)2月、「はやぶさ2」はリュウグウへの一回目の着陸に成功し、砂などを採取しました。
最初のタッチダウン
リュウグウと並走していた「はやぶさ2」が、着陸して砂を採取するまで徐々に距離を縮められたのはどうしてでしょうか。
毛利さん「微妙にロケットを噴きながら、じっといると熱くなるので、ちょっと行って触った瞬間、中で弾丸を打って、ぱらぱらとまき上がったものをカプセルに入れ、蓋をするという数秒間のタッチダウンをしました。
失敗が許されないわけですから、きちんと地球側で検討して、近くまで降りて行って戻るということを何回もやっています」
多田「着陸は一瞬ですよね?」
毛利さん「『はやぶさ2』のお尻の方から筒が出ています。筒がタッチした瞬間に中から小さい弾丸を打つようになっていて、リュウグウの表面に金属球をぶつける。表面がぱらぱらと舞い上がります。筒の奥まではいってくるので、そこでカプセルの蓋をします。
前回のはやぶさ初号機のときは、この部分がうまくいかず悔しかった。今回のチームの方は、その時に若手でずっとされていた方がメインでやっています。つながっていくということは非常に大事です」
毛利さん「微妙にロケットを噴きながら、じっといると熱くなるので、ちょっと行って触った瞬間、中で弾丸を打って、ぱらぱらとまき上がったものをカプセルに入れ、蓋をするという数秒間のタッチダウンをしました。
失敗が許されないわけですから、きちんと地球側で検討して、近くまで降りて行って戻るということを何回もやっています」
多田「着陸は一瞬ですよね?」
毛利さん「『はやぶさ2』のお尻の方から筒が出ています。筒がタッチした瞬間に中から小さい弾丸を打つようになっていて、リュウグウの表面に金属球をぶつける。表面がぱらぱらと舞い上がります。筒の奥まではいってくるので、そこでカプセルの蓋をします。
前回のはやぶさ初号機のときは、この部分がうまくいかず悔しかった。今回のチームの方は、その時に若手でずっとされていた方がメインでやっています。つながっていくということは非常に大事です」
クレーターを作る
そして4月5日、リュウグウの表面にクレーター(穴)を開けるというミッションを達成しました。
クレーターを開けるためにはインパクターという衝突装置を使います。これを「はやぶさ2」がリュウグウに向けて降ろします。
毛利さん「撃ち込むと作用反作用で自分も吹き飛ぶので、まずインパクターを切り離します。
インパクターは爆薬と球だけのかたまりです。重さが14kgで、その中の爆薬部が約10kgあります」
まず「はやぶさ2」はインパクターを宇宙空間に置き、そこを離れます。
タイマーが作動し40分経つとインパクターの爆薬が点火し、板が飛び出し球状になってリュウグウに撃ち込まれ、クレーターができるわけです。
「はやぶさ2」はインパクターを置いた後、リモートのカメラも切り離し置いておきます。このカメラが撮り続けた画像データを送ってくれます。
毛利さん「カメラでは砂が舞い上がったところまでは撮れました。『はやぶさ2』はすぐ行きたいが、かけらが舞っているので、遠くにいて、頃合いを見計らって行ったのが昨日(4月25日)です」
クレーターを開けるためにはインパクターという衝突装置を使います。これを「はやぶさ2」がリュウグウに向けて降ろします。
毛利さん「撃ち込むと作用反作用で自分も吹き飛ぶので、まずインパクターを切り離します。
インパクターは爆薬と球だけのかたまりです。重さが14kgで、その中の爆薬部が約10kgあります」
まず「はやぶさ2」はインパクターを宇宙空間に置き、そこを離れます。
タイマーが作動し40分経つとインパクターの爆薬が点火し、板が飛び出し球状になってリュウグウに撃ち込まれ、クレーターができるわけです。
「はやぶさ2」はインパクターを置いた後、リモートのカメラも切り離し置いておきます。このカメラが撮り続けた画像データを送ってくれます。
毛利さん「カメラでは砂が舞い上がったところまでは撮れました。『はやぶさ2』はすぐ行きたいが、かけらが舞っているので、遠くにいて、頃合いを見計らって行ったのが昨日(4月25日)です」
クレーターの写真
画像が撮影されたのは日本時間で25日のお昼頃。そして地球に送られてきて発表されたのが夕方でした。
上空から見た写真からは「前」は何もなかったところが、「後」はきれいに穴のようなものがわかります。
毛利さん「何かくぼんでいるような感じです。これを今、どれくらいくぼんだとか、解析しています」
多田「直径はだいたい10mくらいで、深さはまだよくわからない?」
毛利さん「直径と深さの関係で、リュウグウ表面の強度がわかります」
上空から見た写真からは「前」は何もなかったところが、「後」はきれいに穴のようなものがわかります。
毛利さん「何かくぼんでいるような感じです。これを今、どれくらいくぼんだとか、解析しています」
多田「直径はだいたい10mくらいで、深さはまだよくわからない?」
毛利さん「直径と深さの関係で、リュウグウ表面の強度がわかります」
次のミッションは?
この後の『はやぶさ2』のミッションは、また着陸するということでしょうか?
毛利さん「したいですが、まだ発表はしていません。
着陸するとトラブルがあった時のリスクがあります。一回ちゃんと採れている、それを無事持って帰りたいのと、もう一回やってみたいというせめぎあいです」
次に着陸するとすれば、目的は何でしょう?
毛利さん「(リュウグウの)表面と中とでは物質が違うかもしれません。
宇宙空間では、放射線などが当たって温度が上がり、それによって天体としては少しずつ傷んでいきます。だから内部の新鮮な物質を採りたいというのがあります」
毛利さん「したいですが、まだ発表はしていません。
着陸するとトラブルがあった時のリスクがあります。一回ちゃんと採れている、それを無事持って帰りたいのと、もう一回やってみたいというせめぎあいです」
次に着陸するとすれば、目的は何でしょう?
毛利さん「(リュウグウの)表面と中とでは物質が違うかもしれません。
宇宙空間では、放射線などが当たって温度が上がり、それによって天体としては少しずつ傷んでいきます。だから内部の新鮮な物質を採りたいというのがあります」
46億年前の宇宙が分かる
毛利さん「新鮮なものの方が大事です。変化を受けてない、できるだけ昔、46億年前にできた当時のものとか、その天体が成り立った時のものが知りたい。
地球はいったんドロドロに溶けてしまっているので、46憶年前の情報はないんです」
多田「地球が生まれた時はいったいどうだったのかが、そこから推し量れるんですね?」
では、「はやぶさ2」が地球に帰ってくるのはいつ頃でしょうか。
毛利さん「向こうを出発するのは年末です。帰りは1年で帰ってきます。どのあたりに(カプセルを)落とすかも考えています。前回はオーストラリアの広い砂漠でした」
日本の宇宙開発のレベルは非常に高いものがあるということでした。
毛利さんも「この分野は本当にすごいです」と太鼓判を押しました。
(みず)
※画像:写真AC(REDさん)
地球はいったんドロドロに溶けてしまっているので、46憶年前の情報はないんです」
多田「地球が生まれた時はいったいどうだったのかが、そこから推し量れるんですね?」
では、「はやぶさ2」が地球に帰ってくるのはいつ頃でしょうか。
毛利さん「向こうを出発するのは年末です。帰りは1年で帰ってきます。どのあたりに(カプセルを)落とすかも考えています。前回はオーストラリアの広い砂漠でした」
日本の宇宙開発のレベルは非常に高いものがあるということでした。
毛利さんも「この分野は本当にすごいです」と太鼓判を押しました。
(みず)
※画像:写真AC(REDさん)
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