最近"iPS細胞"を使った再生医療のニュースが相次いでいます。
3月29日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、そもそも「再生医療」とはそもそもどういうものか、今後の展望などについて藤田医科大学医学部 再生医療学講座教授の松山晃文さんに伺いました。聞き手は多田しげおです。
iPS細胞を使った再生医療で、社会は確実に良くなる
第一世代の再生医療…「骨髄移植」
―そもそも「再生医療」とはどういうものですか。
「再生医療とは、患者さんご本人、あるいは両親、兄弟、友人を含めた健康な方から血液や細胞を提供してもらって、患者さんに投与したり、移植したりして、これまで治療できなかった重い患者さんを治す医療です。
多くの血液、細胞はそのままでは治せないので、細胞を変化させて、増やして投与します」
ー骨髄移植も再生医療ですよね。
「白血病の場合、血液のガンですから、骨の中にガン細胞があります。それをお薬で殺していきます。そうすると身体の中で血液になる細胞はなくなります。そこで健康な人から骨髄移植という形で骨髄をいただきます。
骨髄移植に関しては、今の段階で唯一成功している再生医療と言われていて、それが第一世代の再生医療です」
ー骨髄移植は健康な細胞を増殖させて移植するんですね。
「骨髄移植が出来上がった時代、20~30年前は、細胞を増やす技術がなかったので、骨髄を400ccくらい取らないといけなかった。今は、細胞を増やすという技術ができてきたので10ccくらいで治せる時代になりつつあります」
ードナーの方も楽になりましたね。
「再生医療とは、患者さんご本人、あるいは両親、兄弟、友人を含めた健康な方から血液や細胞を提供してもらって、患者さんに投与したり、移植したりして、これまで治療できなかった重い患者さんを治す医療です。
多くの血液、細胞はそのままでは治せないので、細胞を変化させて、増やして投与します」
ー骨髄移植も再生医療ですよね。
「白血病の場合、血液のガンですから、骨の中にガン細胞があります。それをお薬で殺していきます。そうすると身体の中で血液になる細胞はなくなります。そこで健康な人から骨髄移植という形で骨髄をいただきます。
骨髄移植に関しては、今の段階で唯一成功している再生医療と言われていて、それが第一世代の再生医療です」
ー骨髄移植は健康な細胞を増殖させて移植するんですね。
「骨髄移植が出来上がった時代、20~30年前は、細胞を増やす技術がなかったので、骨髄を400ccくらい取らないといけなかった。今は、細胞を増やすという技術ができてきたので10ccくらいで治せる時代になりつつあります」
ードナーの方も楽になりましたね。
皮膚の移植
ー例えばやけどをした時、自分や他人から健康な皮膚をもらって貼りつけるのも再生医療と言えるんでしょうか。
「そうです。名古屋のJ-TEC(ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング 本社:愛知県蒲郡市)は日本で一番成功している再生医療の会社だと思います。
ご自身のやけどをしていない皮膚を増やして、貼っていきます。
実は、名古屋は再生医療のメッカです」
ー他にも第一世代の再生医療はあるんですか?
「若い人がなる軟骨、運動しすぎて軟骨が割れたとか、使いすぎて割れた時は、比較的早く再生するといわれています。
これについてはJ-TECでは治る技術が確立されていて、すでに数百人が治療を受けています。これは自分の細胞です」
「そうです。名古屋のJ-TEC(ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング 本社:愛知県蒲郡市)は日本で一番成功している再生医療の会社だと思います。
ご自身のやけどをしていない皮膚を増やして、貼っていきます。
実は、名古屋は再生医療のメッカです」
ー他にも第一世代の再生医療はあるんですか?
「若い人がなる軟骨、運動しすぎて軟骨が割れたとか、使いすぎて割れた時は、比較的早く再生するといわれています。
これについてはJ-TECでは治る技術が確立されていて、すでに数百人が治療を受けています。これは自分の細胞です」
IPS細胞で再生医療
京都大学の山中伸弥先生がiPS細胞を作り、新しい世代の再生医療が始まりました。
ーiPS細胞とはどのようなものですか。
「私たちの身体は60兆個くらいの細胞からできています。もともとひとつの受精卵からできて、それがいっぱい増えます。
ひとつの受精卵が神経、心臓になったら、逆戻りしないというのが昔の常識でした。
山中先生は、ひとつの細胞にある刺激を加えるともとに戻るということを発見しました。
皮膚の細胞は皮膚にしかならないはずが、ある刺激を与えると、何にでもなる細胞になる細胞になる。これがiPS細胞です」
ーiPS細胞は「人工多能性幹細胞」とも言いますが、「多能性」とは何にでもなるという意味ですね。
ーiPS細胞とはどのようなものですか。
「私たちの身体は60兆個くらいの細胞からできています。もともとひとつの受精卵からできて、それがいっぱい増えます。
ひとつの受精卵が神経、心臓になったら、逆戻りしないというのが昔の常識でした。
山中先生は、ひとつの細胞にある刺激を加えるともとに戻るということを発見しました。
皮膚の細胞は皮膚にしかならないはずが、ある刺激を与えると、何にでもなる細胞になる細胞になる。これがiPS細胞です」
ーiPS細胞は「人工多能性幹細胞」とも言いますが、「多能性」とは何にでもなるという意味ですね。
目の治療
ーiPS細胞を使った医療でニュースになったのは、目の加齢黄斑変性ですね。
「だいたい60歳を超えると、5~10人に1人は視野がゆがみますが、これが加齢黄斑変性症で、特に見えにくくなった人には網膜の一部を入れ替えることができるようになりました。
新しい研究では網膜そのものを作ることができるようになり、来年、臨床研究がスタートします」
「だいたい60歳を超えると、5~10人に1人は視野がゆがみますが、これが加齢黄斑変性症で、特に見えにくくなった人には網膜の一部を入れ替えることができるようになりました。
新しい研究では網膜そのものを作ることができるようになり、来年、臨床研究がスタートします」
脊髄損傷
ーiPS細胞は脊髄損傷にも使えるそうですね。
「身体の外で神経の細胞を作るという技術を慶應大学でやっています。脳から足に神経が伸びているのが一回切れる。切れたところにそれを入れると、もう一回筋肉に神経が行き、動くようになるというものです」
ー例えば、車いすの生活の人が、もう一回、脳からの信号が行く、筋肉が動く、車いすが必要なくなる…となるかも。
「そうなるようにリハビリも一緒にします。実は、再生医療は単独では治療が難しく、リハビリと組み合わせることで非常に治療効果が出ます」
ーいま治療に使えそうなのは、他にどのようなものがあるんですか?
「心臓や血小板。再生不良性貧血で血小板が作れなくなると、血が止まらなくなります。今は輸血がありますが、とても稀な血液型で輸血が受けられない方がいるので、そのときはiPS細胞から得られた血小板が期待されています」
「身体の外で神経の細胞を作るという技術を慶應大学でやっています。脳から足に神経が伸びているのが一回切れる。切れたところにそれを入れると、もう一回筋肉に神経が行き、動くようになるというものです」
ー例えば、車いすの生活の人が、もう一回、脳からの信号が行く、筋肉が動く、車いすが必要なくなる…となるかも。
「そうなるようにリハビリも一緒にします。実は、再生医療は単独では治療が難しく、リハビリと組み合わせることで非常に治療効果が出ます」
ーいま治療に使えそうなのは、他にどのようなものがあるんですか?
「心臓や血小板。再生不良性貧血で血小板が作れなくなると、血が止まらなくなります。今は輸血がありますが、とても稀な血液型で輸血が受けられない方がいるので、そのときはiPS細胞から得られた血小板が期待されています」
将来の可能性
ー将来的にはiPS細胞がどんな病気の治療に使われそうですか?
「生まれつきの病気を持ったお子さんも、健康な方からiPS細胞を持ってこられるので、治せるようになるかもしれません。そういうところを目指して研究しています」
ーiPS細胞はすごいものなのですね。
「最終的には再生医療は、患者さんの人生を再生する医療だと思っています。
歩けなかった方が歩ける、社会へ復帰して仕事ができる。社会がよくなることです。
医療はそのためのものだと思います」
最後に、多田は「病気を治すだけでなく、その向こう側にあるもの、その人の人生、社会をよくするんですね、すごいな」と、感嘆しました。
(みず)
「生まれつきの病気を持ったお子さんも、健康な方からiPS細胞を持ってこられるので、治せるようになるかもしれません。そういうところを目指して研究しています」
ーiPS細胞はすごいものなのですね。
「最終的には再生医療は、患者さんの人生を再生する医療だと思っています。
歩けなかった方が歩ける、社会へ復帰して仕事ができる。社会がよくなることです。
医療はそのためのものだと思います」
最後に、多田は「病気を治すだけでなく、その向こう側にあるもの、その人の人生、社会をよくするんですね、すごいな」と、感嘆しました。
(みず)
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